
openSUSEの管理ツール「YaST」で作業を効率化:moonlinxを支えるOSS
ウェブメディア「moonlinx」のシステム構成は本連載「オープンソースソフトウェアでクリエイターを支援するmoonlinx」の第1回「ウェブメディア「moonlinx」を支えるオープンソースソフトウェア」をご覧になって下さい。(編集部)
なぜopenSUSEなのか?
前回の「moonlinxを支えるオープンソースソフトウェア」では、大まかにmoonlinxのシステム構成を説明してきました。今回はOSに焦点を当てて、もう少し掘り下げて説明していこうと思います。
moonlinxで利用しているOS「openSUSE」は、Novellがスポンサーを務め、コミュニティが開発するフリーのLinuxディストリビューションです。NovellとopenSUSEの関係は、丁度Red HatとFedoraの関係と同じといえるでしょう。2009年4月14日時点での最新バージョンは11.1です。
openSUSEには様々な魅力があります。
美しいデスクトップ環境やサウンドドライバの親和性なども魅力ですが、サーバ用途で考えたとき、openSUSEの一番の魅力はなんといっても管理機能(YaST)です。
YaST(Yet another Setup Tool)はOSの設定やパッケージ管理のためのスーパーユーザー専用ツールで、openSUSEやSUSE Linux Enterprise Server(SLES)、SUSE Linux Enterprise Desktop(SLED)で採用されています。また、Oracle Enterprise Linuxでもサポートされています。
YaSTのパッケージ管理だけを切り出してみると、Red Hat系のyumやDebian系のAPTに似通った部分がありますが、他の機能についても非常に豊富です。
例えばネットワークの設定やハードウェアの設定、仮想マシンソフトウェアの管理など、様々な設定がひとつにまとまっています。また、GUI版だけでなくCUI版も提供されており、他の端末からSSH接続した場合などでも、その機能を余すことなく活用することができます。コマンドから呼び出す場合、GUI版は「yast2」、CUI版は「yast」と実行します。
パッケージ管理:zypper
では、YaSTのパッケージ管理についてみていきましょう。
openSUSE 11.0よりパッケージリポジトリの更新が差分アップデートになり、更に快適に利用できるようになりました。SUSEのパッケージ形式はyumと同じくRPMです。
パッケージ管理は、YaSTのGUIで「ソフトウェア」の項目になっている部分です。もちろんCUI版YaSTからも利用できますが、YaSTを使わずに純粋にコマンドラインからの利用も可能です。その際に利用するコマンドは「zypper」。ワイルドカードも利用できる非常に強力なコマンドです。
シェルスクリプトなどで自動化する場合、このzypperを利用するのがお勧めです。また、zypperはデフォルトでは対話式に処理を進めていくため、自動化する場合は「--non-interactive」オプションを指定する必要があります。
全てのオプションについてここで説明することは省略しますが、よく利用する基本的なものをいくつか紹介したいと思います。
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