SOAと仮想化の関係は?--常に進化を続けるBEAのミドルウェア戦略

山下竜大
2008-07-22 15:30:00
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 BEAはここ数年、SOAによるエンタープライズシステムの革新を推進してきた。SOAの実現により、アプリケーション資産の再利用性やビジネスの俊敏性を高め、開発コストの削減など、コンピューティング概念を拡張できる。

 さらに2008年、BEA Systemsは「仮想化2.0」と呼ばれる新たな戦略を発表。これまで推進してきたSOA(サービス指向アーキテクチャ)戦略をさらに一歩前進させた。それではSOAと仮想化の関連はどこにあるのだろうか。

SOAから仮想化へ--BEAの戦略の変遷

 「SOA」という言葉は、いまさら説明する必要がないくらいに一般化している(実装が一般化されているかは別問題だが……)。SOAは、企業が部門ごとに最適化して導入したためにサイロ化してしまったシステムを、再利用可能なサービスをベースに全体最適化することで、変化に強いシステムを構築するためのアーキテクチャだ。BEAはSOAを実現するためのさまざまなインフラ製品やソリューションを提供してきた。

 たとえばBEAは2006年、「SOA 360°」と呼ばれるコンセプトを発表している。SOA 360°は、「microService Architecture(mSA)」と呼ばれるアーキテクチャに基づくバックエンドの統合と「WorkSpace 360°」に基づくフロントエンドの統合で構成されるBEAのSOA戦略。フロントエンドからバックエンドまでの双方向で、かつ全方位(360度)のSOA実現を目指していた。

 SOA 360°では、mSAによりBEAの主力製品である「BEA Tuxedo」「BEA WebLogic」「BEA AquaLogic」はもちろん、サードパーティ製品も含めたSOAベースの統合を実現し、WorkSpace 360°により、開発者やアーキテクト、ビジネス分析者、オペレーターがビジネスの変化に柔軟に対応することを可能にする。

 また2007年には、SOAやBPMはもちろん、Web2.0のテクノロジを企業システムに取り込むことを可能にする「Enterprise 360°」を発表。SOA 360°をさらに拡張した。

 Enterprise 360°は、BEAの製品技術、人、ベストプラクティス、パートナネットワークを連携することで、「Liquid Enterprise」を実現するためのアプローチ。Liquid Enterpriseは、ビジネスの革新、ビジネスの俊敏性、ビジネスの最適化により、ビジネスとITの間のギャップを解消し、持続可能な競争力の向上を支援する。

 SOAを実現することにより、従来の一枚岩的なアプリケーションからビジネスロジックを分離し、IT資産をゆるやかに結合することが可能。設計とアプリケーションの両面でサイロ化し、硬直化した高コストのアプリケーション環境を、変化に柔軟かつ迅速に対応できる構造に変えることができる。

 しかしSOAの実現で、どんなにアプリケーション環境が柔軟な構造になっても、それを稼働させるインフラ環境が従来のままでは、柔軟性、可用性、コスト効率などの効果は半減してしまう。

 現在、さまざまな調査会社が企業で稼働している1台のサーバ利用効率は20%程度と報告している。つまり、いくらSOAの実現によりアプリケーション環境を最適化しても、サーバ環境にはまだ多くの無駄が残っていることになる。

 そこでVMwareやOracle VMのような、ハイパーバイザと呼ばれるサーバ仮想化機能により、1台のサーバを複数のサーバのように利用できる仕組みが現れた。サーバの利用効率や設置面積の低減、省電力、コスト削減などの効果を実証した(「まずは仮想化のこれまでを総ざらい:BEAの「仮想化2.0」とその先を探る」を参照)。

 一方、ミドルウェアの最適化を実現したBEAは、次のステップとして同社のミドルウェア製品群を仮想化環境に対応。「BEA Virtualization 2.0」を発表した(「サーバだけからシステム全体の仮想化へ至る道」を参照)。

SOAまでのBEAの歩み

 さて、BEAといえばSOA(仮想化)の会社というイメージが強いが、BEAは当初からSOAの会社だったわけではない。BEAを一言でいえば「常にミドルウェアの最適化にフォーカスした会社」であり、ミドルウェアの最適化を一歩ずつ進めてきた結果、SOA(仮想化)にたどり着いている。

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