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サーバだけからシステム全体の仮想化へ至る道

山下竜大
2008-04-17 08:00:00
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 VMware ESX ServerやXenといったハイパーバイザは従来のホストOSを不要にすることで、仮想マシンのパフォーマンスを実用レベルにまで押し上げた。これが今日の仮想化ブームのきっかけになったのはすでに前回ご紹介したとおりだが、Javaアプリケーションを稼動させるだけならばフル機能のゲストOSも不要となる。

 そこでBEAは、わずか数メガバイトしかない独自のミニOSと同社のBEA JRockit JVMを統合した「BEA LiquidVM」を開発し、これにBEA WebLogic Serverを組み合わせたBEA WebLogic Server Virtual Editionを提供。これまでの仮想化環境におけるオーバーヘッドによるパフォーマンス低下の問題を解決した(図2)。さらに付加価値として、いわゆる「バーチャルアプライアンス」にパッケージ化する場合も、サイズをより小さく収められるので、ハイパーバイザ上への配備も迅速化できる。

図2 BEA Virtualization 2.0による仮想化 ※図はBEAによるホワイトペーパーより引用

 このようにBEA LiquidVMは、BEA WebLogic Serverがハイパーバイザ上でサービスを実行するために必要な最小限のOS機能セット(低レベルのメモリ管理、スレッドスケジューリング、ファイルシステム、ネットワーキングなど)を提供するJVMで、ゲストOSを使用することなくハイパーバイザ上で直接Javaアプリケーションを実行可能。仮想化環境でのメモリ消費量やディスク使用量を低減し、パフォーマンスの低下を防ぐことができる。

 現在、BEA WebLogic Server Virtual Editionが動作するハイパーバイザは、VMware Infrastructure 3のみのサポートとなるが、将来的にはXenをはじめ、さまざまなハイパーバイザにも対応する計画となっている。

 一方、BEA WebLogic Operations Controlは、仮想化を導入した多くのユーザーが直面する管理面の課題を解決する製品だ。仮想化環境であるか否かを問わず、動作している複数のJavaアプリケーションについてモニタリングや管理を自動化するための機能を提供し、常に変化するビジネス環境に合わせたダイナミックなサーバリソースのプロビジョニングやJavaアプリケーションのガバナンスなどを一元的に管理できる。

BEA WebLogic Server Virtual Editionをバーチャルアプライアンス化することでインストールや設定の煩雑性を解消し、デプロイメント作業を迅速化できるが、さらにBEA WebLogic Operations Controlを使うことで、事前設定したポリシーをベースにJavaアプリケーションのプロビジョニングや管理を自動化できる。このように、「仮想化2.0」では、管理コスト削減と変化に対するIT環境の柔軟性および即応性の向上などの多くのメリットが期待できそうだ。

 BEA WebLogic Operations Controlは、「コントローラ」と「エージェント」と呼ばれる2つのコンポーネントから構成されており、仮想化環境が管理できるのはもちろん、非仮想化環境へのJavaアプリケーションの配布なども横断的に管理することができるのが特徴となっている。

 この2つのコンポーネントは、Javaサービスプラットフォームを定義する標準化団体「OSGi(Open Services Gateway initiative)」が公開している仕様に基づいたフレームワーク「BEA microService Architecture」をベースに開発されており、ソフトウェアサービスの軽量モジュラー化を可能にしている。

 BEA microService Architectureは、2006年9月にサンフランシスコで開催された「BEAWorld 2006」カンファレンスで発表された同社のSOA戦略「BEA SOA 360°」を実現する中核のテクノロジとして登場した。

 BEA SOA 360°は、BEAのTuxedoファミリー、WebLogicファミリー、AquaLogicファミリーという3つの主力製品を統合するBEA microService Architectureと、SOAコラボレーションツール環境である「WorkSpace360」で構成されるSOAプラットフォームとして発表され、現在では、SOA、ビジネスプロセス管理(BPM)、ソーシャルコンピューティングで構成される「BEA Enterprise 360」へと拡張されている。

Bare Metalプロジェクトを具現化

 BEAが提唱する仮想化2.0に関する取り組みの原点は、2005年6月にサンフランシスコで開催された「JavaOne」カンファレンスまでさかのぼる。当時、BEAの最高技術責任者(CTO)を務めていたMark Carges氏はJavaOneの基調講演で、仮想化テクノロジを活用し、OSを介在することなくIntelプロセッサ上で直接BEA JRockitを実行可能にするプロジェクト「Bare Metal」を発表した。

 Bare Metalプロジェクトは、ユーティリティコンピューティングの実現を目指した取り組みのひとつといえる。最新の仮想化テクノロジを活用することで、アプリケーションサーバのクラスタ化など、従来のJVMの用途以外にもその活用範囲を拡大。ハードウェアおよびソフトウェアの効率性を高め、TCO(総保有コスト)を低減できるBEA Virtualization 2.0として2008年に製品化された。

 さて、BEAが目指す仮想化2.0について理解してもらえただろうか。次回は、仮想化2.0を活用した効果について、ユーザー事例を交えながら紹介する。

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