FAQ:Herokuと既存システムはどうやって連携させるの?

林田宏介 (アクセンチュア株式会社)
2012-07-12 09:00:00
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 本連載「HerokuではじめるPaaS開発」では、これまでFAQとして2回に分けてどういったWebシステムを構築できるのか、あるいはバックグラウンド処理やジョブの監視をどうおこなうのかなど、アプリケーションの開発にスコープをあてて解説してきました。

 第3回となる今回は、実際にHerokuを利用する上で注意すべき点や既存システムとの連携について、システム構成を交えて説明します。

Q1:Herokuの性能が気になります……本当に企業システムで使えるの?

 HerokuはAWS(Amazon Web Services)の米国東リージョン上で稼働しているため、通常のWebアプリケーションと同じように構築してしまうと、地理的な問題からレイテンシ(遅延)が大きくなってしまい、性能が落ちてしまいます。

 それを回避するために、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)とAjaxを活用して、うまくレイテンシを抑えるようにする必要があります。

CDNを活用したコンテンツキャッシュ

CDNを活用することにより静的なコンテンツを最寄りのエッジサーバから取得できるため、画像データや動画、CSS/JavaScriptなどのファイルを毎回オリジナルサーバ(Heroku)から取得する必要がなくなります。

実際にYahoo! JAPANを例にしてCDNの効果を検証してみると、受信データ量はサイト全体が約200kbyte。この内、画像データやCSS/JavaScriptファイルを除いたHTMLだけのファイルサイズは約30kbyte(註1)となります。CDNを利用して、すべての静的コンテンツをエッジサーバから取得できる場合には、オリジナルサーバから取得するデータは全体の15%弱程度まで抑えることができます。

ただし、気をつけなければならないのは、CDNではオリジナルのデータが変更されてから時間差でキャッシュが更新されるため、削除・更新が頻繁に行われるデータには不向きであることと、キャッシング時間が決まっているためアクセスの少ないデータでは効果が出にくく、全ての静的コンテンツがCDNの恩恵を受けられるわけではないことです。

註1:データ量はhttpwatchを利用して計測

Ajaxを活用したリクエストデータの局所化

CDNは主にダウンロードする静的コンテンツのデータ量の削減を目的としていましたが、特に海外にサーバがあるようなWebアプリケーションの場合には、回線速度等の問題でそれだけでは十分な性能を出せないケースがあります。

Herokuが稼働する米国の場合は、日本国内からのアクセスに限れば実務で困るくらい遅くなることはありません。しかし、他の国での利用も想定したグローバルなシステムの場合、ロケーションによっては回線の実速度が数キロバイト程度まで落ち込んでしまうケースがあります。実際にグローバル展開を行うシステムを構築した際に、こういったレイテンシに伴う性能の問題に苦しめられるケースがありました。

これを回避するには、Ajaxを活用して通信するデータ自体を絞込み、通信コストを削減するとともに、非同期処理を活用して体感的に速度を早くすることが効果的です。

上記のようにすることでHTTPリクエストを画面全体(HTML)ではなく、一部(必要なテキストデータのみ)に抑えることができるので、通信コストを削減できるようになります。

また、データ量の多い画面の場合には非同期で画面の項目がレンダリングされるため、視覚的に早く見せることが可能で、利用しているユーザーの体感速度を早めることができます。

Q2:Heroku上で構築したアプリケーションはForce.comや社内システムとどう連携させるの?

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