
OSSのクラウド基盤「Eucalyptus」を使う(7)--Eucalyptusでのイメージ作成
この連載では、Amazon EC2互換のクラウド基盤であるOSS「Eucalyptus」を使い、「自分たち専用」のクラウド環境を構築することを目標に解説を行っています。前回、CentOSでの実用イメージの作成方法について説明しましたが、今回は、Eucalyptusでの作成を行ってみましょう。
なお、記事で利用しているEucalyptusのバージョンは「1.5.1」になりますが、7月中旬には「1.5.2」がリリースされています。バグ修正が主なようですが、ライセンスがGNU GPL3に変更になっています。
記事中に登場する用語や略語、概念などで分からないものが出てきた場合には、この連載の過去記事を参照しながら読み進めてください。
12.実用イメージの作成 〜Eucalyptusを使って〜
CentOSのマシンイメージができましたので、さっそくこれを使ってみましょう。手始めに、前回もやったマシンイメージの作成を試してみます。前節では普通のLinux環境で作成しましたが、Eucalyptus上で行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 実行する環境で行うため、initrdを手で編集する必要がない。
- 作業が終わったら環境は破棄できるので、設定ファイルの編集やパッケージ追加に躊躇する必要がない。
……ちょっと無理やりな感じのメリットですが、気にせず行きましょう。
CentOSのイメージを作るのであれば、手順は前節とほぼ同じです。違いは上でも触れた2点。
- yumの設定ファイルは、/etc以下のものを直接編集して使えばよい。
- kernel-xenパッケージをインストールする前に、/tmp/target/sysにsysfsをmountする。これにより、initrdをほどいて手で編集する手間が省ける。
これだけではつまらないので、Ubuntu 9.04(コード名:Jaunty Jackalope)のイメージを作ってみることにしましょう。まずはインスタンスを起動します。

ec2-describe-instancesで状態がpendingからrunningになったら、IPアドレスを確認してログインします。Ubuntuの基本パッケージのインストールには、debootstrapを使いますが、el5用のdebootstrapのパッケージはEPELにあります。ログインしたら、さっそくEPELのリポジトリを追加し、debootstrapをインストールしてみましょう。debootstrapはperlで書かれていますので、perlも追加します。なお、SELinuxがdisabledでない場合(permissiveでも)、debootstrapが正しく動作しませんので注意が必要です。
