
OSSのクラウド基盤「Eucalyptus」を使う(5)--ツールの利用とトラブルシュートのコツ
この連載では、Amazon EC2互換のクラウド基盤であるOSS「Eucalyptus」を使い、「自分たち専用」のクラウド環境を構築することを目標に解説を行っています。今回は、前回インストールした環境を利用するためのツール類の利用法と、うまく動かない場合のトラブルシュートのコツを紹介します。
記事中に登場する用語や略語、概念などで分からないものが出てきた場合には、この連載の過去記事を参照しながら読み進めてください。
8.EC2 API Tools/AMI Toolsの利用
Eucalyptusは、Amazon EC2とインターフェイス互換ということで、利用にはEC2用のツールが必須です。ここでは、基本となる「Amazon EC2 API Tools」および「AMI Tools」を利用することにします。
Administrator's Guideにあるように、利用すべきバージョンがそれぞれ指定されています。AMI ToolsにはRPMパッケージ(リンク先は.rpmファイル)もありますので、こちらを利用することにしましょう。なお、以下の作業はフロントエンドノードではなくあなたが普段利用している適当な端末(Windowsでもよい)から行うことも可能です。
API Toolsは、本連載の「Amazon EC2の機能を詳しく見てみる(1)」で見たようなAPIに、ほぼ一対一で対応するコマンド群で、Javaで書かれています。これらコマンド群の詳しい使い方に関しては、EC2の各種解説記事などをご参照ください。なお、API Toolsのコマンドは、それぞれが長い名前(“ec2-run-instances”など)と短い名前(“ec2run”など)を持っていますが、以下では長い方を使います。慣れれば短い名前の方が楽ではあります。
AMI Toolsは、本連載の「Amazon EC2の機能を詳しく見てみる(3)」で見たAMIの作成やアップロードを行うコマンド群で、Rubyで書かれています。こちらはRPMでインストールすれば、特に設定の必要なく利用できます。ただし、AMI Toolsの1.3-26357のRPMパッケージはRubyで書かれているにも関わらず、Rubyに依存する作りになっていませんので、必要に応じてRubyもインストールしておきましょう。
両ツールのインストールができたら、Eucalyptusのウェブ設定画面(今回の例では「https://euca.example.com:8443/)にログインし、「Credentials」タブをクリックします。中ほどの「X.509 certificate」というセクションにある「Download Certificate」というボタンを押すと、ZIP書庫をダウンロードできます。適当なディレクトリを作って、その中にこのファイルを展開します。

adminユーザーの秘密鍵と公開鍵、Eucalyptusの公開鍵、環境変数の設定のためのbashスクリプトが含まれています。このうちbashスクリプトを読み込みます(bash以外のシェルを使っている場合は、中身を見て適宜環境変数とaliasを設定しましょう)。

これで準備完了です。ためしにssh鍵を作ってみましょう。

標準出力に出てくるのはSSHの秘密鍵で、インスタンスにログインする際に必要ですので保存しておきます。秘密鍵ですので、他人に読めないようにします。