
OSSのクラウド基盤「Eucalyptus」を使う(3)--EBSの実装方式
5. その他のリソースの割り当て
Eucalyptusでは、EC2に倣って5つのインスタンスタイプからインスタンス起動時に1つを選ぶようになっています。各インスタンスタイプに割り当てる仮想CPU数、メモリとディスクの大きさは、ウェブの管理UIを使って設定することができます。
まず、仮想CPUですが、これは32bit/64bitの別や速度、クロック周波数などによらず、1コアを1仮想CPUとしています。1つのCore 2 Quadを搭載した計算ノードには、仮想CPU数が1のタイプのインスタンスなら、4つまで同時に割り当てて実行することができます。ホストOSやハイパーバイザは、CPUを使わないものと考えているわけです。
次にメモリはMB単位で割り当てられます。各計算ノードの搭載RAMのうち、ハイパーバイザやホストOSで使う分を除いた部分が各インスタンスに割り当てられます。
ディスクはGB単位で、各計算ノードのローカルディスクにディスクイメージファイルとして作成されます。
なお、計算ノードに32bitと64bitが混在している場合でも、Eucalyptus自体は動作します。ただし、64bit OSのマシンイメージを起動しようとした場合に、特にに64bitのノードを選択して起動するようなことはしませんので注意が必要です。32bitのノードが選択されてしまった場合、黙ってインスタンスが終了してしまいます。32bitを含む古いマシンをかき集めて計算ノードとして使おうという場合、64bitの仮想OSイメージを用意しないか、64bitと32bitとでクラスタを分けるなどの対策が考えられます(*7)。
(*7) 前々回の記事で述べたように、1.5.xではクラスタは1つしか持てないため、1.6を待つ必要があります。もっとも1.6では32bitの計算ノードと64bitの計算ノードを区別できるようになるかもしれませんが……
筆者紹介
VA Linux Systems Japan 高橋浩和・小田逸郎・箕浦真(MAIL)
各種OS、仮想化、Linux Kernelおよびオープンソースにおける高度な技術と経験を基盤とした、技術コンサルティング、開発、インテグレーションとソフトウェアソリューションを提供。VA Linuxは、2000年9月に設立され、Linux Kernelや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースにLinuxおよびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けている。
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