オープン、そしてソーシャルへ--テクノロジトレンドはどう変わっていくか

五味明子
2013-01-02 20:00:00
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不要な機能は要らない

 Microsoftがモバイルで苦戦している理由のひとつに、ノートPCを必要としなくなっている層が確実に増えているという現象が挙げられる。Netbookと呼ばれていたデバイスが市場から跡形もなく消えてしまったのもその表れだろう。情報を閲覧するだけ、あるいは定形のフォーマットに沿って簡単に記述するだけなら、タブレットやスマートフォンで十分というユーザが増えているのだ。たとえば客先で資料を見せるだけ、あるいはソーシャルメディアをチェックしてたまに返事を書く程度なら、ノートPCである必要はない。

 この「不要な機能はいらない」というユーザニーズに応えることは、機能を盛り込んでいくことよりもはるかに難しい。Microsoftのように数多くの製品・機能を抱えているならなおさらだ。だが、時代は確実にハードもソフトもシンプル化に向かっており、ユーザーが不要な機能をいやがる傾向は明らかに強くなっている。極論すればハードやソフトという括りさえ、もはやユーザーには関係なくなりつつあるのかもしれない。

 そうした意味で、クラウドコンピューティングが2012年にさらなる拡がりを見せたのは必然的な流れだったといえる。Gartnerの調査では、クラウドはすでにハイプサイクルの幻滅期に入ったというが、モバイルが爆発的に普及しているのも、データをクラウドに置くことが一般的になったからだ。必要な情報を必要なときに取り出せるというのは、不要な情報やリソースは手元にいらないということであり、そうした環境はクラウドだからこそ実現する。コンシューマにしろエンタープライズにしろ、ユーザーが何かを欲しいと言ったときは、その裏にある“これは要らない”というニーズを読み取ったサービスが成功しているように思える。

 翻ってクラウドコンピューティング市場を振り返ると、コンシューマではDropbox、Google Drive、SkyDriveなどのクラウドストレージサービスの競争が印象に残った。エンタープライズではその市場を創り出したAmazon Web Services(AWS)とSalesforce.com、そして仮想化技術でトップを行くVMwareの強さが目立った1年であった。OracleやIBMといった自社のハードウェアを基軸にクラウドビジネスを展開する企業もプライベートクラウドを中心にさまざまなサービスを打ち出したが、あまり目立つことはなかった。もはやパブリッククラウドとプライベートクラウドという棲み分けはあまり意味をもたず、クラウドの本来の特徴である、スケールとスピードによりユーザーの関心が引き寄せられたといえるだろう。そういった意味で、Windows AzureがIaaS機能を追加し、Linuxなど他のOSをAzure上で利用可能にしたことは、時代の流れを反映した機能強化として非常に興味深いものだった。

LAMPからGUNDAMへ

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