オープン、そしてソーシャルへ--テクノロジトレンドはどう変わっていくか

五味明子
2013-01-02 20:00:00
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 2013年がはじまった今、2012年のテクノロジトレンドを振り返り、今後のテクノロジの展望を考えておきたいものだ。

 ごく一般的な感想ではあるが、2012年のIT業界はコンシューマもエンタープライズも「モバイル」「ソーシャル」「クラウド」「ビッグデータ」という4つのキーワードが、それぞれに深くからみ合いながらテクノロジの進化を推し進めていったように思う。

 そして、その中心的役割を果たしたのは、やはりギャング・オブ・フォーと呼ばれるApple、Amazon、Google、Facebookだった。

 2012年のテクノロジを振り返るというお題をいだただいたとき、どのようにまとめようかと悩んだが、この4つのテクノロジトレンドのうち「モバイル」「クラウド」の2つを中心にこの1年を簡単に振り返ってみたいと思う。

ギャング・オブ・フォーに割って入ったマイクロソフト

 今年最も注目されたデバイスは何かと問われれば、やはり9月にリリースされたAppleのiPhone 5を挙げる人が多いのではないだろうか。CEOのTim Cook氏が謝罪コメントを出さざるを得なかったほど超絶的に出来の悪かった地図アプリの問題があったものの、発売後3日間で500万台を超える売れ行きで、現在も世界中で好調なセールスを続けている。くだんの地図アプリに関しても、12月にGoogleから“これまでにない使いやすさ”を実現したGoogle Mapsが提供され、スマートフォンとしての完成度は一段と高まっている。

 Googleが擁するモバイルOSのAndroidに関しては、Appleと訴訟を繰り広げているSamsungの強さが昨年から目立つが、米Gartnerが11月に発表した調査結果によれば、スマートフォン市場全体で見ればAndroidのシェアは72%、これはiOSの14%を大きく凌駕している。ただし、モバイルの場合はいちがいにシェアだけで分析できない部分も大きく、たとえば対応アプリケーションの数や種類に関してもiOSがAndroidに比べて見劣りすることはない。むしろiOSアプリのほうが優先して開発されるケースのほうが多い。2013年は世界的にフィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトがさらに進むと見られているので、AndroidとiOSの争いが今後どう展開していくかは引き続き要注目だろう。

 モバイルのアプリといえば、昨年まではそのプラットフォームとして大きく期待されたHTML5が、FacebookのCEO、マーク・ザッカバーグ氏が9月に「モバイルアプリをHTML5に賭けたのは間違いだった」と発言したことがきっかけで、急激にバッシングが起こり、ネイティブアプリへの注目度が再び高まった経緯がある。HTML5はようやくこの12月にW3Cにおける仕様策定が完了し、勧告候補となった。やや時間がかかり過ぎたきらいがあるが、このことが今後のモバイルアプリ開発にどう影響を与えるか、2013年はモバイルアプリケーション開発者にとって新たなチャレンジの年になるだろう。

 AndroidとiOSは、今年数多くリリースされた7インチタブレットにおいても重要な役割を果たしている。iPadファンの期待を裏切らなかったiPad mini、Googleがタブレットに本気であることを示したNexus 7、日本でもようやく発売されたAmazonのKindle Fire HDなど、機能も価格も魅力的なデバイスが次々にリリースされたことは記憶にあたらしい。今後の新製品リリースやバージョンアップにも期待がかかる。

 一方、モバイルOSとデスクトップOSを切り分けることなく、タブレットもデスクトップもひとつのOSで、という謳い文句で10月に登場したWindows 8についてはどうか。残念ながらモバイルOSとしては、まだAndroidやiOSに並ぶ地位を獲得できているとは言いがたい。逆にタッチUIを採用したことで、デスクトップでの利用がメインの企業ユーザーからは「使いにくい」という声も少なくなく、一部からは「(Windows 8は)Windows Vistaと同じ運命をたどるのでは」とも揶揄されている。

 2013年にはMicrosoftブランドのタブレットであるSurfaceが日本でも販売されると言われており、モバイル市場に若干の変化が起こる可能性はあるものの、この分野でのMicrorsoftの苦戦はしばらく続きそうだ。

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