月額5万円から始めた写真共有サービス「Snapeee」のAWS活用法

齋藤公二 (インサイト)
2012-11-27 13:10:00
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 アジア主要都市11カ国でApp Storeカテゴリ1位を獲得するなど、女性に人気の写真共有サービス「Snapeee」。スマートフォンで撮影した写真をプリクラのようにデコレーションして共有できるのが特徴で、今年8月に累計200万ダウンロードを突破。ユーザーの8割が女性で大半が20代だ。

 このSnapeeeを運営するマインドバレットでCTOを務める神尾隆昌氏がAmazon Web Services(AWS)を利用するスタートアップ向けワークショップ「Go Global with AWS! - Hands on workshop -」(AWSとサンブリッジの共催)に登壇。同社におけるAWS活用のノウハウと課題を明かした。

「写真デコ」で世界の女性ユーザーの心をつかむ

 写真を「デコ」して共有する女性向けサービスというコンセプトを構想し始めたのは2010年後半。同年10月にInstagramが発表され人気を呼んだことから、写真を加工して共有するサービスにニーズがあることを確信し、アジアを中心とした海外で展開できるようにサービスを構築して、2011年5月にリリースした。

マインドパレットCTOの神尾隆昌氏
マインドパレットCTOの神尾隆昌氏

 「当初は日本、台湾、香港、シンガポールからのダウンロードが多かったが、今年8月にリニューアルしてからは、タイ、中国、アメリカ、ブラジルなどユーザーが世界中に広がった。特にブラジルでは総合でNo.1になったことも。それにともなって、アクセスのビークが時間差で訪れるようになり、24時間いつでも対応する必要がでてきた(笑)」(神尾氏)

 インフラにAWSを選択したのは、サービス展開においてインフラが足かせになってはならないという点と、最初から大きなお金をかけられないという理由からだ。インフラについては、当時Google App Engineを利用するという選択肢もあったが、「開発言語にしばりが多く、将来的に開発言語を切り替えたり、インフラを引越ししたりする可能性もあった」(同)ことから取りやめた。また、コストについては、すべてのサービスを従量課金で利用でき、スケールできないVPSと比較してもコストパフォーマンスが高いことからAWSを選択した。

 リリース当初は、AWSに東京リージョンがなかったためにシンガポールリージョンでスタート。その後、東日本大震災が発生したが、サーバが海外にあることは事業継続性の観点から影響を少なくすることにもつながったという。

 当時の構成は、APサーバとしてEC2、CloudWatch(モニタリング)、ELB(ロードバランサ)を利用し、DBサーバとしてはSimpleDB(キーバリュー型DB)を、ストレージにはS3、コンテンツ配信にはCloudFront(CDN)をそれぞれ利用するというもの。月額コストはこれら合わせて約594ドル。なお、Webサーバはアクセス端末の振り分けやメール通知といった軽い処理であるため、VPSを利用した。

 この構成で「大きな選択」となったのは、リレーショナル型DBのRDSではなく、SimpleDBを使ったことだ。神尾氏によると「RDSはそれだけで月5万円ほどかかることが分かったため、スタートアップとして必要ないコストはかけられなかった。そこで、使った分だけ課金されるSimpleDBを利用することに。とはいえキーバリュー型ストレージを利用した経験はなかった。がんばってガリガリ書いた」という。

 また、EC2のどのインスタンスを利用するのかも課題だった。「マイクロインスタンスをたくさん並べてもCPUのパワーが足りず処理が追いつかなかった。Webサーバには使えるがAPサーバとしてはムリと判断し、c1.mediumインスタンスを選択した。ところが、今度はメモリが余ってしまった。そこでc1.mediumの1台のなかにTomcatを5つ並べてサーバ内部でも分散するような構成にした」(同)という。

サービスの成長で明らかになった課題

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