AWSがスタートアップに向いてる理由--あるいはDevOpsエンジニアの重要性

齋藤公二 (インサイト)
2012-11-08 16:50:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Amazon Web Services(AWS)を利用するスタートアップ向けのワークショップ「Go Global with AWS! - Hands on workshop -」(AWSとサンブリッジの共催)が9月25日に開催された。

 アマゾン データサービス ジャパンのテクニカルエバンジェリストである堀内康弘氏、同ソリューションアーキテクトの松尾康博氏らがAWSの最新動向や活用のヒント、海外企業の事例などを紹介した。

AWSがスタートアップに向く理由とは

 堀内氏はまず「AWSは非常に考えられたサービスであり、スタートアップが抱える課題に対する解決策の1つになる」とし、AWSを利用することの大きなメリットとして、コスト削減につながること、処理が自動化できることを挙げた。

 スタートアップの場合、できるだけ費用を抑えたいという気持ちからVPSのような月額固定で料金も比較的安いサーバを選択しがちだ。だが、堀内氏は、サーバそのものの価格の低さよりも、運用コストの低さを考慮してサービスを選択することが重要だという。

堀内康弘氏
堀内康弘氏

 「サーバのコストが安いが、それを管理する人材のコストは高い。障害に備えて精神をすり減らしたり、障害発生時にデータセンターに出向いたりといったように、貴重な人材をサーバ管理に割かざるを得ない状況は避けるべきだ」(堀内氏)

 AWSでは、本来の業務にリソースを集中できるように、デプロイの自動化やモニタリングといった管理を自動化する仕組みを整えている。特に「Java、PHP、Python、Ruby、.NETなどのライブラリやSDKが提供され、APIを通してプログラムから制御できる点が大きなポイント」(堀内氏)だ。一般に、オンプレミス環境における運用管理の負担は6〜7割にも達するとも言われるが、AWSによるクラウドベースの環境に移行することで、その負担を2〜3割に減らすことも可能という。

 そのうえで堀内氏は、AWSに関する次の説明文のうち正しいものはどれかという問いかけを行った。

  • クラウドサービスを始めて5年以上である
  • DCの規模はAWS > Amazon.comである
  • 日本語の24時間サポートがある
  • AWSは一度も値上げをしたことがない
  • 昨年の新サービス、機能追加は50個以上である

 この答えはいずれも「正しい」となる。

 AWSはまだ「クラウド」という言葉すらなかった2006年からサービスを開始しており、現在のデータセンターの規模はAmazon.comよりも大きい。また、日本語の24時間サポートは、プレミアム・サポートとしてウェブと電話による日本語スタッフのサポートを提供。値上げについては過去6年間で一度もなく、逆に値下げは20回以上行なっている。「大量に仕入れて安く提供することがアマゾンの基本理念。これはAWSも同じで、安いことは善との考え方がある」(堀内氏)

 新しい機能の追加や改善は今年も数多く提供されており、代表的なものだけでも、2TBのSSDを搭載したHigh I/O EC2インスタンスの提供(7月)、Red Hat Enterprise LinuxのEC2リザーブドインスタンス(7月)、Amazon Glacier提供開始(8月)、Amazon DynamoDB機能強化(8月)、EC2 Reserved Instance Marketplaceの開設(9月)などがある。

 また、セキュリティについては「クラウドを利用したほうがセキュリティレベルが上がることが多い」との考え方のもと、機器や施設の冗長化、ネットワークセキュリティの確保、インスタンスレベルでのセキュリティ確保などに取り組んでいると説明。クラウド内にプライベートネットワークを構築し、既存データセンターの拡張としても利用できるAmazon VPC(Virtual Private Cloud)は、AWSのセキュリティレベルを示す最たる例だ。

 このほか、EC2インスタンスを複数のアベイラビリティゾーンに配置し、ロードバランサ(ELB)で自動振り分けすることでリスクを分散する方法や、S3上にHTMLファイルを配置し、低価格で耐久性の高いウェブサイトを構築する方法、Amazon EMR(Elastic MapReduce)を用いたビッグデータ解析の方法なども紹介した。なお、AWSでは、こうした典型的な構築の方法論を「クラウドデザインパターン」として公開している。Auto Scalingを時間を指定して実行する「Scheduled Scale Outパターン」やアクセスログやユーザー行動ログをS3に保存する「Web Storage Archiveパターン」は、処理の自動化とコスト削減の典型例と言える。

自動化とコスト削減で評価される「DevOpsエンジニア」

  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ