SaaSはクラウドと同じものなのか?

文:Phil Wainewright(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2010-04-07 07:00:00
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 顧客の視点から見た場合、SaaSはクラウドと同じものである。SaaSがインターネット経由で提供され、リソースの使用量に応じて課金されるのであれば、それはクラウドサービスであるということになる。業界内においては、こういったものの利点よりも定義についての議論が熱く交わされている。その一方で、顧客らは業界の外から、こういった選択肢をよりシンプルなものとして捉えている。

 なぜこのことが重要なのだろうか?これによって、われわれのクラウドサービス(どういった種類のものであれ)に対するマーケティングやサポートの方法が変わってくるためである。3月18日のことであるが、筆者が会長を務めているEuroCloud UK(筆者がかかわっているビジネスについての情報開示はこのページ)のメンバーミーティングがSAP UKの本社で行われた。その際、独立系ソフトウェアベンダーがSaaS市場へと移行していくうえでのさまざまな観点が議論された。SaaSへの移行という議題を見ると、IaaS(Infrastructure as a Service)を提供しているクラウドのプロバイダーにはほとんど関係のない話に思えるかもしれない。(EuroCloudの設立当初、設立者たちの経歴がSaaS寄りであったため、インフラ系の経歴を持つ人々に参加してもらうことが課題となっていた)。しかし実際のところ、議論の多くは、aaS(as a Service)という名の付くものを提供しているプロバイダーにとって、等しく興味深いものであった:パートナー企業とどのように協力し合っていくのか?営業チームへの報酬をどのように決定するのか?どのような契約を顧客に提供すればよいのか?リソースの使用量に応じた課金という料金体系と、利用者単位の料金体系の折り合いをどう付ければよいのか?プロバイダーのインフラには、どのような機器設備や、サービスレベルのレポートを含めるべきだろうか?

 こういった議論の後、Symbian Foundation(以降、Symbian)のIT責任者であるIan McDonald氏によるカスタマープレゼンテーションが行われた。同氏はSAPのSaaS型ERPであるSAP Business ByDesign(以降、ByDesign)のユーザーとしてこのミーティングに参加しており、今回のミーティングは同氏のチームが主宰していたものである。同氏の組織はクラウドサービスを大いに活用しており、ByDesignやGoogle Appsのような高水準アプリケーションから、Amazon Web Services(AWS)やJungle Diskのストレージおよびファイル共有(ファイルの保管場所はAmazonやRackspaceとなる)、そしてSkypeに至るまで幅広く利用している。Symbianの開発者たちは、今でもオープンソースのプラットフォームを用いてウェブサイトのインフラを独自に構築しているとはいうものの、それもクラウドによってホスティングされている。非営利団体であるSymbianにとって、柔軟性を発揮し、コストを最小限に抑えることは必須である。なかでも重要なのは、あらかじめシステム投資を行っておかなくても、必要に応じて規模を迅速に拡大していけるという点である。

 Symbianは、ITインフラのすべてにクラウドを利用することで、コストの柔軟性と運用のアジリティを手に入れることが可能になる。IaaSとSaaSを区別する必要はない--重要なのは、リソースの使用量に応じた課金モデルを有したクラウドを利用するという点にある。

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