ソーシャルCRM--2010年におけるエンタープライズ2.0はここに着目

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2010-02-15 07:00:00
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 典型的なソーシャルCRMのシナリオとしては、顧客が自らの抱えている問題を解決するために企業とコミュニケーションをとりたいという場合(つまり顧客サポートである)や、要望を伝えたいという場合(つまり今後の製品開発要件となる)に、専用のソーシャルチャネルを用意するというものが挙げられる。こういったチャネルは、顧客自身が抱えている問題を、該当企業や他の顧客とともに掘り下げていくためのフォーラムのようなシンプルなものであるかもしれない。あるいは、顧客同士のサポートや、イノベーションの創出を目的とした何らかの仕組みであるかもしれない。こういった仕組みでは、案件ごとにケースナンバーや受付番号を発行し、それらをオープンかつ検索可能なデータベースに登録しておき、誰でもその内容を更新できるようにしておくということになる。

 どういった手法が選択されるのであれ(ただし、できる限りオープンかつ自由形式となっているべきである)、効果的なソーシャルCRMの鍵は、誰でも、いつでも、率直かつ真摯な意見交換を行い、該当の話題に貢献できるという点にある。こういったことは、話題の管理を自らで行ってきた企業にとって、どう控えめに言っても簡単ではないとはいうものの、ソーシャルCRMを成功させるうえでは欠かせない。ソーシャルビジネス界における高名な第一人者であるJeremiah Owyang氏もこれに同意しており、現在ではほとんどの顧客が潜在的な社会的影響力を手にしているため、ソーシャルCRM戦略を有していない企業は困難な状況に追い込まれつつあると述べている(関連英文ブログ)。

 ともかく、ソーシャルCRMにいくらかでも注目している人であれば、その利点を理解できるはずである。こういった利点の1つに、顧客が必要としている、あるいは望んでいるものに関して彼らの生の声を実際に聞くことができるというものがある。また、より低コストで顧客とやり取りを行い、彼らの問題を解決する、あるいは彼らの要求に応えるという利点もある。さらに、最終的に顧客満足度が向上するという利点もあり、彼らの多くは実際に該当企業との結び付きを強めることになるため、皆が相互利益を享受できるようになるということになる。

ソーシャルCRMはCRMを飾り立てたものに過ぎないのか?

 ここで、ソーシャルCRM自体が独立したカテゴリとして扱われるべきほど重要なものなのか、あるいはエンタープライズ2.0の部分集合であると見なしてよいものなのかについて考えてみたい。とは言うものの、ソーシャルCRMは従来のCRMのソーシャルな部分を強調しただけのものであり、CRMの域を脱しているわけではないという意見もある。しかし筆者は、この問題こそがソーシャルCRMの分類についての疑問を重要視するべき理由であると考えている。現時点で一般的に利用されているCRM製品に目を向けた場合、そのほとんどが、連絡先リストに毛が生えた程度のツールの寄せ集めでしかないことが分かるだろう。CRMにおける「R」(すなわち「顧客関係管理」における「関係」)が電子メールの管理の域を出ず(確かに洗練されてはいるが)、実際には顧客とのやり取りを有意義な手法で管理する域にまで達していない製品もしばしば見受けられる。つまり、顧客との真のかかわり合いを支援することではなく、メッセージを送り届けることに重点が置かれているケースも多いというわけである。

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