Enterprise 2.0の視点から見た「Google Wave」(後編)

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2009-06-15 08:00:00
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大企業の視点から見たGoogle Wave

 Googleはポイントを押さえている。インターネットを用いるコミュニケーション方法は、さまざまなテクノロジが芽吹いた1990年代に生み出された(ただし電子メールに関して言えば1990年代以前からあった)というものの、それらは前時代的な考え方に基づくものだったのである。ブログやwiki、インスタントメッセージングといったコミュニケーション方法はいずれも便利なものであるとはいえ、高い社交性や対話性が要求され、高度な統合化が求められる現代においては、より優れた手法や新たな要求があるはずなのである。筆者は、多くの企業がこういったことへの挑戦を避けていると主張しているわけではない。しかし、現代の開発コミュニティを動かす力を持っている、あるいは自らのオンライン市場シェアを活かしてエンドユーザー市場での普及を促進できる企業は、Google以外にほとんど見あたらないというのが現状なのである。結局のところ、Googleが大失敗をしでかさない限り、企業は将来的に、Google Waveのプロトコルフォーマットでビジネスデータをやり取りすることになる公算が大きいのである。

Extensions and Embedding

 では、Google Waveについて大企業が知っておくべきことを詳しく見てみることにしよう。

・Google Waveは、既存のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを置き換えるものではなく、補完するものとなるだろう。Google Waveは既存のチャネルを統合することによって、今までにあったさまざまなタイプのアプリケーションを健全なかたちで融合していくのである。実際、28日のプレゼンテーションの前半では、Twitterと既存のソーシャルネットワークをGoogle Waveによって連携させることで、エクスペリエンスを向上させ、他のアプリケーションを通じたウェーブへの幅広い参画を可能にするというデモンストレーションが行われた。つまり、Google Waveが電子メールやインスタントメッセージング、ブログ、wikiといった既存のアプリケーションを置き換えることには(必ずしも)ならず、実際には組み込み機能を通じてブログやwikiの長所を強化することになるはずだ。これに対して、グループウェアや他のリアルタイムコラボレーションツールは、Google Waveに駆逐される可能性があると言えるだろう。

・Google WaveはEnterprise 2.0をしっかりとサポートしている。Google Wave内には、使いものになるEnterprise 2.0プラットフォームが備えておくべき10項目として筆者が考え出した頭字語「FLATNESSES」で表現される一般的機能がうまく統合されているのである。ブログやwikiはEnterprise 2.0の基盤プラットフォームであり、ソーシャルな相互作用や創発を促し、形式にとらわれないという基本的な性質すべてを備えている一方で、ウェーブはブログやwikiのような真っ白なノートではなく、ある程度の構造を持ち、使用シーンを想定したものとなっている。

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