クラウドはテクノロジではなく運用モデルだ
クラウドコンピューティングは運用モデルであって、テクノロジではない
そもそも、クラウド上でアプリケーションを実行させる場合、そのクラウドがパブリッククラウドであるかプライベートクラウドであるかに関係なく、物理的なインフラにアクセスするためのレイヤなど必要ないのだ。ほとんどのクラウドには何らかの仮想化が絡んでいるとはいうものの、ハイパーバイザを利用したからといって、データセンターのリソースがクラウドに移行されたことにはならないのである。これと同様に、Amazon EC2はXenハイパーバイザを利用しているが故にクラウドであるというわけでもないのである。
クラウドのクラウドたる所以は、物理的なリソースを適切に運用することで、マルチテナント環境(たいていの場合)において、スケーラビリティのあるかたちで抽象的なITリソースをオンデマンドで提供するという点にあるのだ。クラウドとはテクノロジの利用方法を指しているのである。クラウドコンピューティングが使用する管理ツールやOS、ミドルウェア、データベース、サーバプラットフォーム、ネットワーク回線、ストレージアレイといったものの大半は、ここ数10年にわたって一般的に知られており、幅広く利用されているものと同じなのである。
もちろんのことながら、クラウドコンピューティングにおいて特に重要となる具体的なテクノロジというものも存在している。例えばポリシーに基づく自動化や、従量制課金、セルフサービスのプロビジョニングポータルといったものだ。しかし、こういったテクノロジはすべて(セルフサービスのプロビジョニングポータルは例外と言えるかもしれないが)、クラウドコンピューティングがもてはやされるようになる前から存在していたのである。
クラウドコンピューティングが、かなり前から存在していたテクノロジを数多く利用しているというのは間違いのない事実である。また、メインフレームのサービスプロバイダといった、昔からあるさまざまな運用モデルを取り入れていることも明らかである。しかし、マルチテナント環境において、オンデマンドとスケーラビリティを組み合わせるという特徴は、ポスト・クライアント/サーバ時代における比較的ユニークなものであり、クラウドコンピューティングが一時的に流行しているただの運用モデルではなくディスラプティブなものである理由ともなっているのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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