2009年はEnterprise 2.0へのシフトが進む--大企業のWeb 2.0ツール利用状況を読み解く

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2009-05-25 08:00:00
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 Enterprise 2.0のROI(投資収益率)に関して投稿した最近の記事(英文)において、筆者は2008年半ばの時点において広く入手可能な最新のデータを引用し、既にツールを導入している企業の数は全体の約3分の1にあたると述べた。しかし今回、最新の導入率だけでなく、組織の内外におけるソーシャルツールの利用について企業が抱いている懸念を示した最新のデータが入手できたので、以下に紹介する。

  • 2009年中には、Enterprise 2.0ソフトウェアを利用する企業の数が全体の半数近くに達するはずである。Forresterの新しいレポートによると、このテクノロジは日が浅い(たったの3年の歴史しかない)にもかかわらず、普及率は非常に高く、世界中の大企業で見た場合、ほぼ2社に1社の割合で利用されているという。しかし実際のところ、従業員のツール利用率はかなり低く、「総合的な」アプローチをとっている大企業はほとんどなく、対象を絞ったり、断片的に利用している企業が大半であるということも明らかになっている。
  • 企業におけるソーシャルネットワーキングの利用は、個人の利用とほぼ肩を並べるようになっている一方で、ツールを利用する気がまったくない人の数は4分の1を超えている。2009年5月14日に公表された、TMCnetとIntelliCom Analyticsによる6000人以上を対象とした広範な新調査では、世界中のあらゆる規模の企業でソーシャルネットワーキングツールが利用されている割合は、調査対象層の35%から半数近くにまで上るという。またこの調査では、ソーシャルツールに関する企業ポリシーを策定している企業の割合が、そういったツールを導入している企業の割合よりもずっと低くに留まっており、利用に関する公式なポリシーを策定している企業の割合は全体の半数以下であることも明らかにされている。さらに、一部の従業員はソーシャルネットワーキングなど自分には関係ないと考えており、回答者の約25%はその種のツールを利用する気がまったくないと回答している。
  • ソーシャルコンピューティングにまつわるセキュリティの問題に懸念を抱いている企業の割合は約80%にも達している。同じく14日に公表された、Deloitteによる新たな調査では、Web 2.0やソーシャルエンジニアリングにまつわるセキュリティ上の懸念は、これまでにないほどの高まりを見せていることが明らかになったという。プリテキスティング(身分や身元を偽り、個人情報などを入手するソーシャルエンジニアリング手法の1つ)やフィッシングは、ほとんどの企業で情報セキュリティに対する深刻な脅威とみなされている。
  • 2009年中には、半数以上の企業がWikiを重要なコラボレーションツールとして利用するようになるだろう。少し古い情報であるが、Society for Information ManagementのAdvanced Practices Council(APC)という定評ある機関による調査結果がある。筆者がその存在を知ったのは最近のことであるが、この調査結果によると「資産全体の75%以上が知的資産に関連付けられている状態では、コラボレーションの生産性を向上させるためのソリューションを増やすことが、イノベーション能力を強化したい企業にとって鍵となる要因となる」という。調査結果自体は会員にしか公開されていないものの、概要はこのページにうまくまとめられている。
  • SMS/テキスト形式のメッセージやブログ、Wikiのようなコンテンツの管理は、75%以上の企業においてあまり重視されていない。AIIMのState of ECM Report for 2009によると、こういった問題(インデックス化や、重要な情報の流れのアーカイブ化が欠如しているなど)は管理上の大きなリスクであるという。また、たいていの企業にとっては悲惨かつ無意味なデータ喪失が引き起こされるおそれもある。
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