クラウドコンピューティング:ITの新しいチャンスと課題

文:Dion Hinchcliffe 翻訳校正:石橋啓一郎
2009-03-10 08:00:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 クラウドコンピューティングの可能性や、クラウドコンピューティングが提供するまったく新しいビジネスの機能、より安価なIT資源、あらゆる規模の企業で使えるずば抜けた柔軟性などについて、よい感触を得るまでに長くはかからない。クラウドコンピューティングは、2008年の初めから注目を集め始め、Amazon、Google、Microsoftなどのトップ企業を含む主要ベンダーが、幅広いメニューを用意してこの流行に乗っている。それ以降、クラウドコンピューティングは、常に業界のレーダーに捉えられている。

 IBM、HP、Salesforceなどを含む大手企業が次々にこの動きに加わってきており、コンピューティング業界全体がこの不景気から深刻な影響を受け始める中、クラウドコンピューティングは家内工業から業界で最大の成長分野の1つへと変わった。

 今、クラウドコンピューティングを活用して経費を削減し、より機動的な動きができる準備をするために動かなくてはならないのは、企業の側だ。もし企業がクラウドコンピューティングプラットフォームの提供する利点を活用したいのであれば、その過程では、困難な(そして魅力的でもある)選択をしなくてはならない。

 また、クラウドコンピューティングの導入にあたっては、細かい検討が必要な、いくつかの重要な課題がある。この課題のリストには、遠隔地の第三者のデータセンターに置かれた事業データのセキュリティやプライバシの問題、プラットフォームへロックインされるという深刻な懸念、信頼性や性能に関する憂慮、あるいは業界が成熟する前に誤った判断をすることへの恐れなど、多くの項目が含まれる。

 しかし、生き残るためには変化が義務づけられていると言ってもいいビジネス環境の中では、もしリスクさえ相殺することができれば、クラウドコンピューティングはかなり大きな経済的な利益をもたらしてくれるように見える。従って、IT部門が2009年に直面する最大の課題の1つは、会社全体が利益を享受できるだけの素早さで、クラウドコンピューティングに関する決断をできるかどうかということになるだろう。

 ZDNetでも、Phil Wainewright氏がクラウドコンピューティングにまつわる最近の興味深い話題について扱った記事を書いている。それらの話題には、クラウドコンピューティングプロバイダが消滅した場合に、サービスから閉め出されてしまう問題や、主要なプロバイダの間でSLAに関する戦いが起こっていることなどが含まれている。これは、クラウドコンピューティング市場が現在、新たなプラットフォーム戦争が起きている段階にあり、これまでの市場に勝るとも劣らない規模になりつつあることを示している。さしあたりよいニュースと言えるのは、この業界はオープンな新しい業界であり、現在はまだ明らかな勝者は定まっておらず、選択肢は多いということだ。

クラウドコンピューティング業界マップ

  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]