最初からXenを組み込んだPCが出荷される:Xenプロジェクト創始者の将来予測

杉山貴章(オングス)
2008-11-28 19:30:01
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 オープンソースの仮想化ソフトウェア「Xen」は世界中の開発者に支えられながら業界のスタンダードと言えるまでに成長した。日本での注目度も高く、11月19日にはXen Conference Japan 2008が、20日と21日にはXen Summit Tokyo 2008が開催された。

 今回、これらのイベントに合わせて来日したXenプロジェクトのリードであり、Citrix SystemsのAdvanced ProductsでVPを務め、Xen.orgのChairmanでもあるIan Pratt氏に、Xenプロジェクトおよび仮想化市場の最新動向についてお話を伺った。

市場は成熟し、本番稼動の時期に入った

Ian Pratt氏 Ian Pratt氏

 まず仮想化市場におけるこの1年間の動向についてPratt氏に聞いてみた。同氏は、すでに市場は成熟してきており、多くの企業が仮想化のメリットを理解して投資を始めていると指摘する。

 「これからもより多くの人が仮想化を利用するようになると思います。彼らが求めているのは高いフレキシビリティやアベイラビリティ、堅牢なセキュリティなどであり、それを手に入れるためには仮想化が最適だからです」

 また、これまでは既存の環境を仮想化するという話がほとんどだったが、最近になってデータセンターの建設時にサーバ仮想化を前提とした設計を行う例も出てきているという。

 このように仮想化技術は、「テストや開発での利用から、本番環境で利用されるフェイズに移った」というのがPratt氏の見解だ。

 市場の成熟とともに、新規に参入する企業も現れはじめた。Microsoftはそのもっとも代表的な例だろう。しかしPratt氏は、Hyper-Vは確かに優れた技術であると認めつつ、現状ではまだ極めてシンプルであり、Xenベースのエンタープライズ製品と競合するものではないと語っている。

 Linux関連ではRed HatがKVM(Kernel-based Virtual Machine)ベースの組み込み可能なハイパーバイザーを発表している。同社のCTOであるBrian Stevens氏は、次世代のハードウェアではKVMが優位だと語っているが、この見解に対してもPratt氏は冷静だ。

 「Red Hatもなんとか仮想化市場をコントロールしたいという狙いがあって独自の技術を出してきているのでしょうが、現状でどちらが優位かは他の多くのLinuxベンダーやSolaris、そしてFreeBSDなどがXenを選択していることからも明らかでしょう。Xenのハイパーバイザーはパフォーマンスやセキュリティの面でベストテクノロジーだと自負しています。ただし、KVMもLinux上で便利に使える仮想化技術という意味では興味深いものです」

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