クラウドコンピューティングにおける規模の重要性--T・オライリー氏への反論

文:Gordon Haff(Special to CNET News.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2008-11-05 08:00:00
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 しかしネットワーク効果は、ある業界が数社、あるいは1社に独占されるようになる唯一の理由ではない。Carr氏は「クラウドコンピューティング」を提供しているGoogleやその他の企業が成功するための理由として他に以下のものを挙げている。

  1. 資本集約度。大規模なユーティリティコンピューティングシステムの構築には多大な資本が必要となるため、それ自体が参入への大きな障壁となる。
  2. 規模の優位性。O'Reilly氏自身も述べているように、大企業は設備や労働力、施設、電力などの面で重要となる規模の経済性を発揮することができる。
  3. 多様化ファクタ。ユーティリティにおいて生じる大きな優位性として、(さまざまな需要形態を持つ多様な顧客を対象とすることで)需要をより平均化し、より予測しやすいものにするということを挙げることができ、これによって資本をより有効に利用できるようになる。顧客基盤が拡大するにつれて多様化ファクタも拡大するため、高い効率という優位性を手に入れ、効率の低い競合他社の価格を下回る価格でサービスを提供できるようになる。
  4. 専門家を確保できる優位性。優秀なコンピュータ科学者や技術者は数が少ない貴重な存在なのである。
  5. ブランド力とマーケティング力における優位性。これらは今でも非常に重要なものである。そして規模が大きく保守的な企業ほど、サービスを購入する際の決断においてこういったものを重要視する傾向にある。
  6. ある種のロックインを生み出すようなプロプライエタリなシステム。「オープンな」システムはオープンであるという理由だけで主流の購買者層にとって魅力のあるものになっていると思い込んではいけない。プロプライエタリなシステムは実際、特に市場の黎明期において、購買者の求めるものをより満足させられることがしばしばあるのだ。ITアナリストであるJames Governor氏がMacleod氏のブログへの投稿の中で述べているように、「顧客というものは必ず、選択したことを行動で示すものであり、彼らはSalesforce APEXやiPhoneアプリケーションといったプロプライエタリなものを選択する傾向にある。エクスペリエンスは常にオープン性に優先されるのだ。オープン性を高く評価しているはずの人々でさえも、華麗なエクスペリエンスに惹かれてApple製品のようなプロプライエタリなものに走っている」のである。
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