IPA/SEC、ソフトウェア開発プロセス改善の新手法とツール類を公開

富永恭子 (ロビンソン)
2011-07-09 09:30:00
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 情報処理推進機構(IPA)技術本部ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)は7月7日、ソフトウェアの開発プロセスに問題意識を持つ技術者向けにプロセスを改善するための新たな手法「SPINA3CH 自律改善メソッド」と、メソッドを適用するためのツール類を公開した。

 SPINA3CHはもともと、情報サービス産業協会(JISA)が2004年にプロセスを改善するために“あるべき姿”をモデル化したものであり、当時は「Software Process Improvement aNd Assessment for CHallenge」(SPINACH)としていた。これを2007年にIPAがわかりやすく編集し公開している。

 しかし、仕事の進め方ややり方に問題意識を持っていても、「改善方法がわからない」「従来のソフトウェアプロセス改善手法では開発現場に作業負荷がかかることがある」――といった理由からプロセス改善への着手に躊躇する開発現場もあったという。

 今回、IPAが公開したSPINA3CH自律改善メソッドは、SPINACHの解釈を「Software Process Improvement with Navigation, Awareness, Analysis and Autonomy for CHallenge」と変え、開発現場がプロセス改善に取り組みやすく、改善活動が継続されることを目指して、そのノウハウやヒントを判りやすくまとめた。

 同手法を活用することで、日々の業務で覚える違和感を見える化し、問題意識として捉えることができるという。当事者の問題意識に基づき、自主的に改善活動を推進するため、効果を実感しながら、継続的な活動を推進できるとしている。

 同手法の作業サイクルは、開発現場の現状と問題を幅広く洗い出す「問題抽出」、問題の因果関係を分析し、改善対象を絞り込む「課題の絞り込み」、良い点と悪い点を理解し、他組織の事例を参考にしながら改善計画としてまとめる「対策」、ツール類に蓄積されたノウハウを活かして、改善活動を継続する「改善継続」で構成され、これを3カ月~1年の一定期間で繰り返すという。

 同手法を適用するために提供されるツール類は、利用ガイドブックと「問題気づきシート」「問題分析絞り込みシート」「改善検討ワークシート」のワークシート3種。

 問題気づきシートと改善検討ワークシートは、これをを用いた改善活動で対象領域の課題の因果関係を視覚的に把握できるという。改善検討ワークシートの課題テーマは、「成果を得るためには何をすべきなのか」という視点で38種類を選定しており、活動成果をイメージしやすいのが特長となる。ワークシート裏面にある改善方法のヒントや事例を参考に、課題認識を具体的な改善活動に結びつけることができるほか、継続して改善活動を行う環境が整備され、生産性向上、品質向上などの効果を実感できることもメリットだとしている。

 IPA/SECでは、同メソッドやツールの有用性確認のために実証実験を行う計画としている。

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