ウェブデザイナーでも組み込み開発--Qt Quick擁する「Qt 4.7」を聞く
KDEなどPC-UNIX向けデスクトップ環境に始まり、いまや組み込み機器の分野で着実に地歩を固めつつあるGUIライブラリ「Qt(キュート)」。HTMLレンダリングエンジン「WebKit」を統合するなど、その用途も広がりつつある。その最新版「Qt 4.7」のβ公開を受け、ノキア Qt Development Frameworksビジネスデベロップメントマネージャーの佐相宏尚氏と、同社カスタマーサポートエンジニアの鈴木佑氏に話を伺った。
海上: Qt 4.7の主な変更点について教えてください。
佐相: Qt 4.7は先日ベータ版を公開したばかりで、今年半ばの正式リリースを予定しています。現行バージョンの4.6は昨年末の公開ですから、半年というリリースサイクルに沿った計画どおりのものです。
目玉は「Qt Quick」というUI構築ツールです。アニメーションやタッチといったユニークなUIを、モバイルや組み込み機器向けの小規模アプリケーションとして容易に実装できることが特徴です。
Qt Quickを実現するにあたり、我々は3つの技術を用意しました。1つめは、統合開発環境であるQt Creatorの機能アップ。2つめは、Qt Creator用プラグイン「Qt Quick Designer」で、Qt Quickのビジュアルエディタとしての機能を発揮します。3つめは「QML(Qt Metaobject Language)」という、QtネイティブのライブラリとQt Quickをつなぐ役割を果たす宣言型の言語です。この3本の柱が、Qt Quickを構成しています。
海上: ユーザーにとってQt Quickを利用するメリットは?
佐相: プログラマーでない人、C++がまったくわからない人でも、UI設計やかんたんなアプリケーション開発ができるということでしょうか。QMLとJavaScriptでアプリケーションを開発できる、という点がメリットです。
たとえば、ウェブ系のデザイナーが組み込み機器の開発に直接関わることができるようになります。デザイナーがイメージしたそのままを、迅速に開発できるのです。デザインとUIの設計が同時にできるうえ、開発期間が短縮できる利点もあります。アニメーションのようなダイナミックな動きを、コンパクトかつリッチな形で開発できることも強みです。アプリケーションの動作に関わる部分とUI部分の開発を並行して進められる、という開発期間短縮の効果も期待できるでしょう。
Qt QuickのUI「Digia」を紹介するショートムービー海上: Qt WebKitもアップデートされていますね。
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