アーキテクチャは誰のものか?--ザックマンからWSSRA、そしてAzureへ

鵜澤幹夫
2009-07-28 13:03:01
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アーキテクチャは誰のもの?

 「大部分の設計者は実装の世界からやってくる。彼らはシステムの人々であり、インプリメンテーション指向の傾向を持つ。そして、その世界自体が、その方法で進んでいる。現実に、それらの人々は、平均以上にアーキテクチャについて考える傾向にある」(Fawcett Technical Publication “Erecting the Framework” 2004/2/19より)

 この発言は、アーキテクチャやフレームワークといった概念をITの世界に持ち込んだJohn Zachman(ジョン・ザックマン)のインタビューから引用したものである。字面だけを追いかけると、実装を軽視するような発言にも受け取れるが、そうではなく、より多くのビジネスにかかわる人々が、ITの設計について考えるべきとのメッセージだと読み取ることができる。

 その一方で、時代はクラウドである。システムの設計から開発、運用、改善といたるプロセスを、外部のリソースに依存し、また、外部のサービスを取り入れようとする流れに、多くの企業が身を任せようとしている。しかし、本当にそれで良いのであろうか?

 クラウドは万能ではなく、また、生まれたばかりであり、これからの成熟を必要としているものである。したがって、企業の基幹となるシステムやサービスが、早急にクラウドへと移行することはなく、クラウドに置いても支障のないものから、時間をかけて徐々に移行していくという見方が一般である。

 しかし、クラウドがITにもたらす破壊的な価格体系は、すでに現実化しつつあり、それを効果的に利用する企業がビジネスの機先を制することは目に見えている。そして、既存のオンプレミスから、何を切り出してクラウドへ展開するのかという判断においては、テクニカルな視点よりも、ビジネスのセンスが優先されることになる。つまり、収益性やコンプライアンスといった要素が、そこでは重要になってくる。

 そこで、冒頭のZachmanの言葉にもどろう。実装の世界からやってくる人々だけではなく、ビジネスの世界からやってくる人々も、アーキテクチャについて、否応なしに考える必要が出てくることになるからだ。

ザックマンの発想

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