オープンソースをライセンス的に正しくつかうための11のチェックポイント

冨田秀継(編集部)
2009-01-27 21:12:01
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7. GPL/LGPL/MPLタイプのOSSはソース開示していますか?

 「改変していなくとも、再頒布するオープンソースソフトウェアのソース開示が必須条件になる。同梱したバイナリが復元できるソースの開示が必要だ」と姉崎氏は語る。

 このチェックポイントに関わる紛争事例はよく知られているが、実際に訴訟まで進む例はそれほどなかったという。「MySQLのような企業製オープンソースソフトウェアは訴訟を起こすこともできたが、多くの場合は(コミュニティなどが)ネット上で指摘したり、専用サイトを立ち上げて非難するなどの運動で対抗していた」(同)という。

 しかし近年、Software Freedom Law Center(SFLC)がオープンソースソフトウェア開発者の代理人となり、提訴に踏み切る例が増えてきた。その例として姉崎氏は、次の3つの紛争を挙げている。

  • 2007年9月:デジタル家電メーカーのMonsoon Multimediaを提訴
  • 2007年11月:無線機器メーカーのXterasysとHigh-Gain Antennasの2社を提訴
  • 2007年12月:Actiontec Electronics製無線ルータでVerizonを提訴

 「機器組み込みソフトウェアだからといって、油断はできない」(同)のだ。

守るべきOSSライセンス条件の概要(ソース開示の観点のみ)
ライセンスタイプ自身の扱いその他の扱い
BSDタイプバイナリ形式のみの配付可ソース開示しないならば、著作権表示、ライセンス文、免責条項などの記載が必要
MPLタイプバイナリ形式のみの配付不可、要ソース開示(※1)
LGPLタイプバイナリ形式のみの配付不可、要ソース開示(※1)(二次的著作物とみなされる)隣接プログラムのリバースエンジニアリングの許可
GPLタイプバイナリ形式のみの配付不可、要ソース開示(※1)(二次的著作物とみなされる)隣接プログラムもソース開示が必要

※1:ソースの開示:オープンソースソフトウェア自身+GPL利用プログラム

出所:姉崎章博氏の資料を基に編集部が作成

 姉崎氏はOSSライセンスとオープンソースソフトウェアを、以下の4タイプに分類できるのではないかと語っている。

BSD系ライセンス
OSSライセンスOSSの例
BSD LicensePostgreSQL、dom4j、OpenSSHなど
OpenSSL Licensemod_ssl、OpenSSLなど
Apache LicenseApache HTTP Server、Tomcat Axis、Commons、Jakarta、Velocity、XML Xerces、Struts、Spnng、Ajax Libs、ant、log4jなど
Cryptix General LicenseCryptix
Info-ZIP LicenseInfo-Zip
zlib LicenseTinyXMLなど
MIT LicensePuTTY
MPL系ライセンス
OSSライセンスOSSの例
Eclipse Public License(EPL)Eclipseなど
Common Public License Version 1.0(CPL)SyncMLなど
LGPL系ライセンス
OSSライセンスOSSの例
LGPL 2.1glibc、JBoss 4.2.2、OpenOffice.orgなど
GPL系ライセンス
OSSライセンスOSSの例
GPL v2MySQL(商用ライセンスとのデュアルライセンス、FLOSSライセンス除外規定あり)、Linuxカーネル、gcc(スタートアップライブラリlibstdc++.so、libgcc_s.soは例外記述あり)、Samba 3.0.x、PukiWiki 1.4.7、PDFCreatorなど
GPL v3Samba 3.2.x、tclPAMなど
Affero GPL(AGPL) v1affero

 姉崎氏は「これは私の分類。世の中にこういう区切りはない」と念を押した上で、「GPLは自身だけでなく、利用プロダクトにもソースの開示を求める。商用プログラムであっても開示が必要」と注意を促している。

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