Flash、HTML、AJAX:ウェブアプリ戦争に勝利するのは

文:Stephen Shankland 翻訳校正:石橋啓一郎
2008-08-19 08:00:00
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 HTMLの普及度は何物にも代え難い、というのが、Zimbraのエンジニアリング担当ディレクターであるKevin Henrikson氏がHTMLを評価する理由だ。Zimbraはオンライン電子メールやその他のアプリケーションを提供する企業であり、早くからAJAXを利用しているが、2007年にインターネット大手企業であるYahooに買収された。

 「今、初めから作り直せと言われたとしても、私はJavaScriptとAJAXを選ぶだろうと思う・・・今の勢いを止めることは難しい」と、Henrikson氏は言う。「Flashは現在、急成長を遂げているが、それでもJavaScriptは今後作られるFlashアプリケーションの10倍は使われるだろうと思う」(Henrikson氏)

 Microsoftの見方は異なる。ウェブアプリケーションがリッチなものになり始めると、プログラマーはHTMLとJavaScriptを捨てるだろうという考えだ。

 「HTMLがリッチインターネットアプリケーションのために作られたものではないことを考えれば、これまでHTMLで達成されてきたことは驚くべきことだ。そして、Flashはもともと、軽量のアニメーションのために作られたものであり、文字通りウェブ上のミッキーマウスだ」とSilverlightを監督しているMicrosoftのリッチクライアントプラットフォームを担当するグループプロダクトマネージャであるBrad Becker氏は話す。「しかし、これらの技術は他のもののために設計されており、これ以上のことをするためにはハッキングが必要だ」(Becker氏)

 ただし、大きな変化が起こりつつあるため、現在のHTMLによるその場しのぎのやり方は、今後標準的な機能になるかも知れない。

 確立はされているが、完全に決められたわけではないアイデアの1つに、ローカルにデータや文書のコピーを長い期間保持しておくための、より洗練されたデータ保存方法がある。この技術は、ユーザーがオフラインでもウェブアプリケーションを使おうとする場合、非常に重要になる。

 HTMLに関するその他の大きな変化には、ブラウザがカスタマイズされたグラフィック要素を作成するための機能であるCanvasが挙げられる。これは、例えばウェブサイトから単に事前に作成されてた要素をダウンロードするだけではなく、プログラムに応じてその場でグラフを描画することに使われる。また、ブラウザのインターフェースを乱すことなく計算量が多いバックグラウンドタスクを実行させることができるWeb Workersや、もし広く導入されればFlashの機能の一部の代用になると思われる、既存の標準であるSVG(Scalable Vector Graphics)なども大きな変化だ。

 その延長線上には、ブラウザがプラグインなしでメディアの再生をできるようにする、HTMLの音声や動画に対するタグもある。もし業界がこの分野の技術的な問題と知的所有権の問題を解決できれば、現在FlashとSilverlightが持っている主な利点を奪うことになるだろう。

 「これらをすべて合わせることができれば、AJAXはずっと強力で、機能の豊富なリッチインターネットアプリケーション技術になるだろう」とAdobeのHoyt氏は言う。

 Googleは、HTML、JavaScript、AJAXを支持している最大の企業かもしれない。同社のGmailとGoogleマップは大きな可能性を生み、同社はそれに続いて、オンラインでワープロ、表計算、プレゼンテーションの文書を作成できるGoogle Docsをリリースした。

 ただし、Googleがやっているからと言って、それが正しいとは限らないとBecker氏は言う。「Google Appsは確かに素晴らしいが、Googleと同じことができる会社がどれだけあるだろうか?」(Becker氏)

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