CodeGearを買収したエンバカデロ・テクノロジーズが日本法人設立

冨田秀継(編集部)
2008-07-15 20:12:02
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 DBツールベンダーのEmbarcadero Technologiesは6月30日付けでCodeGearの買収を完了し、新たに日本法人を設立した。日本法人は「エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社」として運営され、代表(職務執行者)に前CodeGear事業本部長の八重樫行男氏が就任した。

エンバカデロ・テクノロジーズとは

 Embarcadero Technologiesは1993年に設立されたDBツールベンダー。データベースの設計・開発・管理をサポートするツールを提供している。2000年にはNASDAQに上場し、2007年に投資会社のThoma Cressey Bravoに買収され、非上場企業となった。

 Embarcadero TechnologiesはCodeGearを買収することで従業員が500名超の規模に。Thoma Cressey Bravo全体では約7000人規模のグループとなる。

 なお、日本でも著名な「David I」ことDavid Intersimone氏は、Chief Evangelistとして引き続き同社で活躍する予定だ。

Embarcadero TechnologiesとCodeGearの歴史 Embarcadero TechnologiesとCodeGearの歴史

システム開発に求められるのは多様性に対応する能力

Wayne D. Williams氏 Wayne D. Williams氏

 エンバカデロ・テクノロジーズが7月15日に開催した日本法人設立記者会見には、米国本社のCEOであるWayne D. Williams氏も出席。これまでの同社の事業と、CodeGear買収の効果と事業展開について説明した。

 Williams氏によれば、システムが現在抱えているデータは膨大なものであり、今後も増加傾向は変わらず、むしろその速度は早まるだろうと指摘する。加えて、データの増大は、それを利用するアプリケーションの更なる開発をドライブするため、開発者の重要性も増していくという。

 こうした情勢は「顧客が幅広いプラットフォームに対応するツールを求める」流れを引き起こし、「そこにこそエンバカデロ・テクノロジーズの大きなビジネスチャンスがあり、我々が必要となる理由がある」と語る。

 「MicrosoftやOracle、Sybase、IBMなどの大手プラットフォームベンダーは、(彼ら独自の)特化したプラットフォームを構築していく。彼らの最終目的は、開発者をそのプラットフォームに囲い込むことだ。一方の独立系ツールベンダーは、それぞれの専門性に特化したツールを構築していく。しかし、システム開発においては、そのどちらも良いやり方とは言えない」(Williams氏)

 では、「良いやり方」とはなんであろうか。Williams氏によれば、現在のシステム開発に求められるのは「多様性に対応できる能力である」という。続けて「幅広いプラットフォームに対応している、その多様性の一側面を表すとすれば、それは言語だ」と語り、エンバカデロ・テクノロジーズの製品が対応する言語やデータを示した。

左の「コード」はCodeGearが対応し、右の「データ」はDatabaseGearが対応する。これらの組み合わせを一社で提供できるというわけだ。 左の「コード」はCodeGearが対応し、右の「データ」はDatabaseGearが対応する。これらの組み合わせを一社で提供できるというわけだ。

 これらの言語の組み合わせを「一社で提供しているベンダーは他にないと自負している」とWilliams氏。また、大きな特徴として「私たちの製品はRubyに対応している」点を挙げた。

統合後の製品ポートフォリオ 統合後の製品ポートフォリオ

 両者の統合後、製品は3つのグループに分かれることになる。従来のCodeGear製品、エンバカデロ・テクノロジーズがリリースしていたDBツールのブランド名を改めた「DatabaseGear」、そして「TeamGear」となる。TeamGearについて詳細なアナウンスは無かったが、Williams氏は「いずれのグループでも設計、構築、実行できる環境を示した」と自負しているようだ。

本格上陸するエンバカデロのDBツール

 Embarcadero Technologiesは日揮情報ソフトウェアとの間で1999年に、日本における総代理店契約を締結。「DBArtisan」「Rapid SQL」「ER/Studio」など一部の製品は、既に日本で提供されていた。

 今回の会見では、データベースのパフォーマンスを最適化するツール「DB Optimizer」のリリースも発表された。問題のあるSQLを診断、検出、最適化してボトルネックを解消、データベースとアプリケーションの実効性能を改善するツールだ。

 また、今年第3四半期にはデータベースのメタデータへのアクセス機能を提供するビジネスアナリスト向けのツール「ER/Studio Enterprise Portal」をリリースする予定。「メタデータを、技術者だけでなくビジネスアナリストにも利用してもらうことが可能なツール」であり、「重要なメタデータの活用をより促進するもの。市場を変えるような製品だ」と、Williams氏は自信を見せている。

 同じく今年の第3四半期にはDelphiとC++ Builderの2009版もリリースする予定だ。

 日揮情報ソフトウェア 代表取締役社長の岩田アキラ氏も「マルチプラットフォームをサポートする唯一のベンダーであることが、エンバカデロ・テクノロジーズの製品を販売する強み」とエールを送り、「DatabaseGearのローカライズは日揮が責任を持ってやっていく」と支援を強調している。

日本法人設立は日本市場へのコミットのあらわれ

八重樫行男氏 八重樫行男氏

 Williams氏は会見の冒頭、日本法人の設立は「日本市場へのコミットのあらわれ」であることを強調。日本法人の代表に就任した八重樫氏も「エンバカデロ・テクノロジーズは従来のCodeGearの延長上にある」と語った上で、今後も「開発者に100%フォーカスした開発者のための独立系ツールベンダー」であることを強調していた。

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