彼らはなぜコミュニティ活動に力を入れるのか?──モチベーションの源についてグローバルJavaコミュニティのリーダーたちが語った

Oracle Java & Developers編集部
2017-06-26 15:20:00
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大切なのは、自分が目指すライフスタイルを明確にすること

 “エンジニアが目指すべきこと”という観点では、ルイーズ氏のコメントも多くの参加者の共感を呼んだようだ。「エンジニアは儲かるか?」という話題に関する議論で各国のエンジニアの給与事情が話題になったときのことだ。ソフトウェア開発が比較的、高給な仕事とされており、専門性が高まるにつれて評価と報酬も上がっていく米国に対して、メキシコなどの周辺諸国やハンガリーなどの東欧はIT先進国のアウトソース先となることが多く、エンジニアの給与はさほど高くないという。

 メキシコ出身のルイーズ氏も、最初は高い報酬を求めて米国で働き、その後は活動の場をスイスに移したという。


イクシェル・ルイーズ氏

ルイーズ氏 「メキシコは米国のアウトソーシング先であり、エンジニアの報酬はそれほど良くありません。そのため、米国に行って仕事をしようとなるわけです。しかし、そのうちに大切なのはお金ではなく、目指すべきライフスタイルだということに気づきます。私自身、初めはアメリカン・ドリームを追って米国で働きましたが、そのうちにこの生活は自分に合わないと感じるようになり、欧州に移りました。これはお金ではなくライフスタイルを重視した結果です。自分の人生をどう過ごしたいかを考え、環境を変える決断をしたのです」

 日本でも“働き方改革”や“ワーク・ライフ・バランス”が叫ばれるようになって久しい。仕事をして報酬を得るのはもちろん重要だが、その一方で自分がどのようなライフスタイルを目指したいのかをよく考え、それを実現する力を付けて行動に移すのも大切だということだ。

日本のコミュニティ・リーダーたちの今後の目標は?

 最後に、伊藤氏から3人の日本人パネリストに対して、海外のエンジニアとの交流も含めて今後どのような活動をしていきたいのかが質問された。


阪田浩一氏

阪田氏 「私はもともと英語が特別できるわけではないし、海外の人とのコミュニケーションも最近になってやり始めたので、毎回うまくできなくてへこんでいます。ただ、この経験を踏まえて今後何をすべきかを考えたとき、やはりJavaに対してもっと貢献していきたいという思いが強まっています。使うだけで貢献しないという立場のままで居続けるのは嫌ですね。世界のコミュニティの中で日本の存在感を少しでも出していけたらと思います」

谷本氏 「自分も英語が特別できるわけではないし、いつも海外の方とのコミュニケーションは難しいと感じています。次のステージに行くためには海外に出るしかないのかな…。まだ具体的にどうしたいと決めているわけではありませんが、グローバルなコミュニティを作って広い視点でやっていきたいという思いは強いです。一方で日本のIT業界を見回してみると、抱えている課題に海外と共通のものも多くあるので、日本で起きていることを海外に向けて発信するのも意味のあることだと感じています。そういう意味でも、今年参加させていただいたJOnsenはすごく良かったですね。いろいろな国のJava Championの皆さんと座談会形式で意見交換ができ、凄く貴重な機会でした。ぜひより多くの皆さんに参加してもらいたいです」


横田紋奈氏

横田氏 「今はまだ漠然としていますが、いろいろとお話を聞いて、海外でも仕事をしてみたいなという思いを持ち始めたところです。直近のアクションとしては、まず海外のカンファレンスへの参加を実現したいですね」

 横田氏はこの数日後、今年10月開催のJava Oneに付随して行われるコミュニティ・カンファレンスでの発表にチャレンジすべく、Call for Papersを提出したという。これと決めたら即実行に移す行動力は、さすがJava女子部を率いる横田氏である。

 最後に、ダシュナー氏が次のように語ってディスカッションを締めくくった。

ダシュナー氏 「皆さんが世界にリーチしたいと思ったら、その方法はいろいろとありますし、敷居も高くありません。例えば、英語でブログを書いてみるのも1つの手ですし、取材やインタビューをしてみるのもいいでしょう。そうした活動を続けていけば、英語でコンテンツを作ったり、発表したり、コミュニケーションをとったりすることに慣れてきます。もっと英語のコンテンツを作って世界に発信してください。日本から、もっと沢山のJava Championが誕生してほしいと思っています」

 以上、ここではJava Day Tokyo 2017で行われた国内外のコミュニティ・リーダーによるパネル・ディスカッションの要旨を紹介した。コミュニティ活動や情報発信に積極的に取り組むことは、スキルアップや人脈拡大のみならず、開発者個人の信用や市場価値を高めるうえでも大きな効果があるようだ。読者が開発者としての今後の目標を考える際には、今回紹介したコミュニティ・リーダーらのアドバイスも参考にしていただきたい。