“持たざる設備&IT”で需要増大に応える──三菱重工航空エンジンが「Oracle Java Cloud Service」の上で加速するサプライヤーとの協業推進

Oracle Java & Developers編集部
2016-10-26 18:00:00
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“ビジネス・スピード向上”と“身軽さの追求”に大きく貢献。拡張性の高さも評価

 同社としては初めてのパブリック・クラウド活用、そして初のJava EE開発であったが、オラクルのサポートも受け、試行錯誤しながらプロジェクトを進めてきた。

 「Oracle Java Cloud Serviceの環境設定などは特に問題なく行えましたが、Java EE開発は初となるため、その点で戸惑う部分が少なくありません。Oracle Java Cloud Serviceは非常に自由度が高く、Java EE開発に慣れた開発者にとってはそれがメリットになるのでしょうが、当社は初めてであるため、要件をどのように実現するのが最適かといったことで試行錯誤しています」(吉野氏)

 こうしてOracle Java Cloud Serviceの活用を進める三菱重工航空エンジンだが、そのメリットを吉野氏らはどう実感しているのだろうか。

 「当社のビジネスでは、航空会社や社会動向などの外部的要因で売り上げが決まる部分が多く、いわゆる“攻めのIT”を駆使する余地は少ないかもしれません。そうした中でOracle Java Cloud Serviceの活用に期待することとして、大きく『ビジネス・スピードの向上』と『固定IT資産を持たないことによる身軽さの追求』が挙げられます」(吉野氏)

 具体的には、これまで人手を介して情報を管理/共有していたのを、Oracle Java Cloud Serviceによるポータルを使うことで、関係者がいつでも最新の情報を確認できるようになり、これが業務のスピードアップにつながる。また、同様に人手で行っていた情報入力や伝達などの作業が自動化され、各担当者がより付加価値の高い業務に注力できるようになるというメリットも生まれる。

 固定IT資産を持たないことによる身軽さの追求に関しては、先述した同社固有のITインフラ事情の解消に加えて、コスト面でもメリットが得られる。

 「パブリック・クラウドであるため、ソフトウェア・ライセンスの購入が不要であり、固定資産として持たずに済む点は、当社としては非常に有り難い部分です」(吉野氏)

 将来を見据えた「拡張性の高さ」も、Oracle Java Cloud Serviceのメリットの1つだ。同サービスはOracle Cloud Platform上で他のサービスと統合されているため、例えば今後、三菱重工航空エンジンがIoTシステムの取り組みを本格化する際には、IoT環境としてOracle IoT Cloud Servicesが、BI(Business Intelligence)環境としてOracle BI Cloud Serviceが、データ連携基盤としてOracle Integration Cloud Serviceがすぐに利用できる。「他社サービスとの比較検討を行ったうえで採否を決めることになりますが、すでに利用しているOracle Java Cloud Serviceとの親和性の高さという面で、Oracle Cloud Platformの他のサービスは魅力的だと言えますね」と吉野氏は話す。

 さらに、Oracle Java Cloud Serviceの登場により、同社のような「Java EE開発は初めて」という企業でも手軽に取り組めるようになった状況を歓迎しつつ、吉野氏は次のように注文も付けることも忘れない。

 「今後は、Oracle Java Cloud Serviceで初めてJava EE開発に取り組む企業に向けて、ツールや勉強会の開催、アプリケーション・テンプレートの提供などといった支援体制を充実させていただけると有り難いですね」(吉野氏)

パートナー企業連合の製造ラインにおける品質向上での活用も検討

 このように、すでに多くのメリットを実感している三菱重工航空エンジンだが、Oracle Java Cloud Serviceの活用構想は今回のポータルだけにとどまらない。同社はサプライヤー向けポータルによってノウハウを蓄積した後、別の用途でも同サービスを利用する計画を暖めている。その1つに、同社が「クラスタ」と呼ぶパートナー企業群とのコミュニケーション用ポータルがある。

 クラスタとは、三菱重工航空エンジンから委託を受けて製品を製造する企業連合を指し、三菱重工航空エンジンの製造ラインと同様のものを構築して製造を行う。

 「当社の工場では、設備や製品のデータを収集して解析し、不具合の予兆を検知して問題が起きる前に対策するという取り組みを進めていますが、ポータルを利用して、その成果をクラスタの工場でも活用したいと考えています。具体的には、クラスタの製造ラインで収集した各種データをポータル経由で当社に送ってもらい、それを当社側で解析して、例えば『設備の振動が多いので点検してください』といったフィードバックを彼らに返すのです。それにより、不具合防止に関して当社工場と同レベルの取り組みが行えると期待しています」(吉野氏)

 また、Oracle Java Cloud Serviceを起点に、オンプレミスで進めているBPMのクラウド化も見据えている。

 「固定資産をなるべく持たないという方針に従えば、現在はオンプレミスで利用しているOracle BPM Suiteについても、いずれクラウドに移行し、Oracle Java Cloud Serviceとともに全てをクラウド上で利用するという流れになるでしょう。オラクルの製品はクラウドでも同じアーキテクチャで提供されていますし、最近はオンプレミスでクラウド環境を利用できる製品も登場しているので、移行は容易だと思いますし、オラクルにもしっかりとサポートしてもらえると期待しています」(吉野氏)


※クリックすると拡大画像が見られます

 以上、ここでは三菱重工航空エンジンがOracle Java Cloud Serviceを活用して進めるサプライヤー向けポータル構築の取り組みを紹介した。ビジネスにおける“スピード”と“身軽さ”を求める同社のニーズにピタリと適合したOracle Java Cloud Serviceは今後、同社が推し進めるサプライヤーとの協業の推進力として大きな役割を果たしていくことになりそうだ。

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