Oracle Cloud Platformのサービスラインアップがさらに拡充。クラウドがもっと身近で手軽なプラットフォームになる!──Oracle OpenWorld 2016発表まとめ

Oracle Java & Developers編集部
2016-10-12 11:40:00
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国内企業でも急ピッチで活用が進む「Oracle Cloud Platform」だが、2016年9月に米国サンフランシスコで開催された「Oracle OpenWorld 2016」では、さらなるサービス拡充が発表された。果たして今後、どのようなサービスが登場してくるのか?

 オラクルは2016年9月18日から22日の5日間、恒例の年次イベント「Oracle OpenWorld 2016」を米国サンフランシスコで開催。全世界から約42万人を集めた同イベントには、日本のユーザー企業およびパートナー企業からも約216社/500名以上が参加した。

 今年のOracle OpenWorldの大きな特色の1つは、ミドルウェアのクラウド・サービス「Oracle Cloud Platform」に関して大幅なサービス拡充が発表されたことだ。その主な内容を日本オラクルの古手川忠久氏(クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業本部 副事業本部長)が報告する。

開発/運用、サービス統合、顧客エンゲージメント、アイデンティティ管理の新サービスが一挙登場


日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業本部 副事業本部長の古手川忠久氏

 一昨年より本格提供を開始したOracle Cloud Platformは全世界で順調に導入社数を伸ばしており、現在は全世界142カ国の企業/組織でご利用いただいています。ユーザー数は昨年比で約210%増、マーケットプレース(Oracle Cloud Marketplace)で販売されるサードパーティのサービス数は2046件に達しました。国内でも多くの企業/自治体で導入が進んでいます。

 このようにユーザー数が拡大するOracle Cloud Platformの利用価値をさらに高めるべく、Oracle OpenWorld 2016ではデータベース以外のミドルウェア領域に関しても新たなサービスが多数発表されました。その内訳は、アプリケーションの開発/実行環境からシステム/サービス統合、顧客エンゲージメント、アイデンティティ管理など多岐にわたり、オラクルがクラウド上でミドルウェア・サービスを包括的に提供していく姿勢が昨年にも増して強く打ち出されました。

Oracle Cloud Platformが他のクラウドに大きく勝る点とは?

 ここで、Oracle Cloud Platformの特徴を改めてご説明します。


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 Oracle Cloud Platformは、アプリケーションの開発/運用(Build/Operate)、システム/サービスの統合(Integrate)、顧客との関係強化(Engage)、データ分析(Analyze)などをセキュア(Secure)に行うことのできるさまざまなサービスを包括的に提供しています。

 しかも、各サービスは単独で利用できるだけでなく、あるサービスを利用する中でアプリケーションの拡張などに伴い別のサービスが必要になった際、簡単に追加導入して既存のアプリケーション/サービスと連携させて使うことができます。

 また、オープンかつスタンダードな技術を利用しているため、お客様は既存のスキルや資産も生かしながら、クラウドをスムーズに活用することができます。

 こうした方針の下、ミドルウェアのみならず、アプリケーション(SaaS)からインフラ(IaaS)まで、企業システムに必要な全ての要素を事前に統合したうえで包括的に提供している点が、他社のクラウド・サービスとは決定的に異なる点なのです。

 それでは、「Build/Operate(アプリケーション開発/運用)」、「Integrate(統合)」、「Engage(顧客との関係強化)」、「Secure(セキュリティ)」の順に、Oracle OpenWorld 2016で話題となったトピックをご紹介していきましょう。

オンプレミスからクラウドへのアプリ移行をさらに加速。API連携サービス、業務ユーザー向けのアプリ開発サービスも登場

 「Build/Operate(アプリケーション開発/運用)」の領域において、オラクルは長年にわたってオンプレミス向けにOracle WebLogic Serverを提供してきましたが、近年はクラウドの普及が進み、企業のアプリケーション開発/運用スタイルに変化が起こりつつあります。Oracle OpenWorld 2016では、そうした動きに適応するかたちで次のような発表がありました。

  • AppToCloudの提供:Oracle WebLogic Server上の既存アプリケーションのOracle Java Cloud Service上への移行支援ツールの提供
  • Oracle Application Container Cloud Serviceの機能強化:ライトウェイト言語によるアプリケーション開発/運用環境のサポート言語の拡大
  • Oracle API Platform Cloud Serviceの提供:マイクロサービス連携用APIゲートウェイの提供
  • Oracle Application Builder Cloud Serviceの提供:ビジネス・ユーザー向けのノンコーディングによるWebアプリケーション開発サービスの提供

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 これらにより、オンプレミスにある既存のJava EEアプリケーションをクラウド上に移行しやすくするとともに、関心が高まっているクラウド・ネイティブ型のアプリケーション開発や、それによって作られたマイクロサービスの利用促進を図り、さらにビジネス・ユーザーに対してはプログラミングなしで手軽にビジネス・アプリケーションを作れる環境を提供しようというわけです。


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 以下に、それぞれの詳細をご説明します。

AppToCloud──既存Java EEアプリのOracle Java Cloud Serviceへのスピード移行を実現

 これまでオンプレミスでJava EEアプリケーションを開発/運用してきた企業がクラウドの活用にあたって第一に検討することが、それまで利用してきたJava EEアプリケーションをいかにしてスムーズにクラウドに移行するかということです。これを支援するために、今回新たに発表したツールが「AppToCloud」です。


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 AppToCloudは、オンプレミスのOracle WebLogic Server上で動作するアプリケーションについて、そのコンフィギュレーション情報を自動収集し、Oracle Java Cloud Serviceへのスムーズな移行を支援するものです。

 Oracle WebLogic ServerとOracle Java Cloud Serviceは同じアーキテクチャに基づいているため、両者間でアプリケーションのバイナリを無修正で行き来させることができます。

 それに加えてAppToCloudを使えば、Oracle WebLogic Serverの各種コンフィギュレーション情報(サーバの設定情報やJBDC、Java Message Serviceなどの設定情報)を自動収集し、Oracle Java Cloud Serviceのプロビジョニングを自動的に行ったうえで、アプリケーション・バイナリと合わせてOracle Java Cloud Serviceに移行させることができます。移行画面でボタンをワンクリックするだけでこれらの作業が行われるため、本当に簡単に、早く移行できます。いずれはJava EEアプリケーションだけでなく、データベースも合わせて移行できるようになる予定です。

Oracle Application Container Cloud Service──新たにPHPをサポート

 すでに提供が開始されている複数の開発言語が利用可能なアプリケーション開発/運用サービス「Oracle Application Container Cloud Service」については、対応言語が拡大されました。具体的には、従来サポートしていたJava、Node.js(JavaScript)に加えて、新たにPHPが利用可能となります。今後も、RubyやPythonなど他の言語も順次サポートしていきます。

Oracle API Platform Cloud Service──オンプレミス/クラウドのマイクロサービスがAPIを介して連携

 クラウド上でのアプリケーション開発が本格化すると、作成したコンポーネントなどの部品をマイクロサービスとしてデプロイし、それらをAPIを介して組み合わせてスピーディにアプリケーションを作り上げる開発スタイルが普及すると予想されます。そこで、それを支援するサービスとして、新たに「Oracle API Platform Cloud Service」が発表されました。

 これはAPIを介したマイクロサービス連携のゲートウェイとなるサービスであり、APIの公開や保護、管理、利用状況の分析といった機能のほかに、開発者向けの情報ポータルなどが提供されます。

 APIを介したサービス連携を実現する機能は他社のクラウドでも提供されていますが、Oracle API Platform Cloud Serviceがそれらと大きく異なる点は、このサービス・ゲートウェイをオンプレミスにも、クラウドにも置けるという点です。つまり、企業は自社のDMZ内にゲートウェイを置いてもよいし、Oracle Cloud Platformや他社のクラウド上に置いてもよいのです。


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 Oracle API Platform Cloud Serviceに対するお客様の関心は非常に高いですね。Oracle OpenWorld 2016開催前にベータ・テストを開始したのですが、日本からも数社ご参加いただいています。いずれ活用事例をご紹介できるでしょう。

Oracle Application Builder Cloud Service──業務ユーザーがビジュアルにWebアプリケーションを作成

 もう1つ、すでに提供が開始されているサービスとして基調講演などで改めて紹介されたのが「Oracle Application Builder Cloud Service」です。これは業務ユーザーがWebブラウザ上でのドラッグ&ドロップ操作によってWebアプリケーションを開発できるというサービスです。Oracle JETを用いた表現力の高い画面を作ることが可能であり、背後ではJavaScriptによってプログラムが組み上げられます。

 このサービスは、当初はOracle Sales CloudやOracle HCM CloudなどのSaaSの画面を業務ユーザーが簡単にカスタマイズできるように作られたものなのですが、今後はRESTで接続可能なデータソースからデータを取り込み、それをビジュアルに表現する画面を作れるように進化していく予定です。


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