オンプレミスとパブリック・クラウドのメリットだけが手に入る! 「Oracle Cloud Machine」の衝撃

Oracle Java & Developers編集部
2016-06-02 17:00:00
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パブリック・クラウドのメリットは魅力的だが、セキュリティなどの理由から導入できないという企業は少なくない。そうした企業に向け、オラクルはパブリック・クラウドのシステム基盤を社内データセンターに置いて使える「Oracle Cloud Machine」の提供を開始した。

Oracle Cloudの機能がオンプレミスで使えるOracle Cloud Machine


日本オラクル クラウドテクノロジー事業統括Fusion Middleware事業統括本部 担当ディレクターの松崎展晃氏

 今日、パブリック・クラウドが持つ"俊敏性"や"運用コスト削減"といったメリットが多くの企業を魅了している。だが、さまざまな事情から、その全面的な導入に踏み切れないという企業も少なくない。例えば、機密性の高いデータを扱うシステムや、高い可用性やパフォーマンスが求められるシステムでは、セキュリティや可用性の観点で見たデメリットが、パブリック・クラウドへの移行がもたらすメリットを上回ってしまうのだ。

 そうした課題を抱える企業に対してオラクルが提供を開始した業界初のソリューションが「Oracle Cloud Machine」である。これは企業が自社データセンターなどのオンプレミス環境において、オラクルのパブリック・クラウド「Oracle Cloud」と同等のシステム基盤を利用することができる「Oracle Cloud at Customer」と呼ばれるサービスの第一弾となるソリューションだ。日本オラクルが2016年4月に開催した「Oracle Cloud Platform Summit Tokyo」における松崎展晃氏(日本オラクル クラウドテクノロジー事業統括 Fusion Middleware 事業統括本部 担当ディレクター)のセッション「Oracle Cloud at Customer-外部への機密データ持ち出し、遅延、ダウンタイム-クラウドの問題を一蹴する新提案」の内容を基に、同ソリューションの概要を紹介する。

オンプレミスとパブリック・クラウドを"いいとこ取り"したサービス

 今日、企業がパブリック・クラウドに強く期待していることは、"持たないIT"の実現による「コスト・メリット」に加えて、システム基盤構築や運用管理の自動化/効率化によってもたらされる「俊敏性」の獲得である。その一方で、「パブリック・クラウドへの移行を検討する際に障壁となる主な課題として、『セキュリティ』、『運用管理面のコントローラビリティ』、『ネットワーク遅延』などが挙げられる」と松崎氏は指摘する。


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 このうち、「セキュリティ」における課題とは、社内規定や法律上の制約により、システムやデータを自社が管理している場所以外に置くことができないといったものだ。特に金融など特定の業界では、この課題がパブリック・クラウド活用における最大のネックとなる。

 「運用管理面のコントローラビリティ」とは、メンテナンスなどによるパブリック・クラウド側の計画停止のタイミングをユーザー側でコントロールできないという問題である。「この日時には必ず稼働させておきたい」という要件のあるシステムにおいて、これは軽視できない問題だ。

 さらに、高いパフォーマンスが求められるシステムでは、パブリック・クラウド・サービスと自社ネットワークの間で発生する「ネットワーク遅延」を許容できないといった場合もあるだろう。

 Oracle Cloud Machineは、一言で表せば「オラクルのパブリック・クラウドであるOracle CloudのIaaSおよびPaaSの機能を、企業のデータセンター内(ファイアウォールの内側)で利用できるようにするサービス」である。同サービスを契約した企業は、最適化されたシステム基盤にOracle Cloudを構成するソフトウェアをパッケージングしたOracle Cloud Machineを、自社のデータセンター内に設置して利用できるようになる(Oracle Cloud Machineの所有権はオラクルが保有する)。

 「Oracle Cloud Machineは、言ってみれば『オンプレミスとパブリック・クラウドの"いいとこ取り"を可能にするサービス』です。これを利用することで、セキュリティやコントローラビリティ、ネットワーク遅延などの課題を解消しながら、コスト削減や俊敏性といったパブリック・クラウドの利点を享受できるのです」(松崎氏)


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 Oracle Cloud Machineの設置場所はユーザー企業のデータセンター内となるため、システムやデータの置き場所に関する制限にも容易に対応できる。

 また、運用管理は一般的なパブリック・クラウドと同様にオラクルが行うが、メンテナンス作業などのタイミングはユーザー企業側で柔軟にコントロールすることが可能だ。メンテナンス作業時にはオラクルの担当者がリモートでOracle Cloud Machineにアクセスするが、その際にはユーザー企業側の承認が必要な仕組みとなっている。


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 さらに、自社が管理するネットワーク内に設置するため、Oracle Cloud Machine上のシステムへのアクセスや、自社が運用する他のシステムとの連携時に生じるネットワーク遅延も大幅に抑えられる。

 コスト(利用料金)に関しては、完全なサブスクリプション・モデルを採用しており、IaaSを含めたOracle Cloud Machineが、サポートも含めて月額ベースの定額課金で提供される。また、その上で動作するPaaSについても、Oracle Cloudと同じ料金体系の定額または従量課金プランが用意されている。サービス契約は3年単位となるが、契約期間が満了した際には、同じハードウェアを継続して利用するか、あるいは最新機種へ入れ替えるかを選べるという。ハードウェア・スペックに関しては、現在3つのモデルから選択可能だ。


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