マルチテナント、ゼロダウンタイム、DevOpsと可搬性──Oracle WebLogic Server 12c R2はここまで進化した!

Oracle Java & Developers編集部
2016-04-11 11:00:00
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日本オラクルは2016年2月、アプリケーション・サーバの新版「Oracle WebLogic Server 12c R2」のお披露目となるセミナーを都内で開催。マルチテナントに対応した同サーバがクラウド時代の企業システムにもたらすメリットを解説した。

クラウドのメリットを最大化する鍵となる"マルチテナント化"


米国オラクル Oracle Cloud Platform アプリケーション開発/実行環境担当Vice Presidentのマイク・リーマン氏

 日本オラクルは2016年2月、アプリケーション・サーバの最新版「Oracle WebLogic Server 12c Release 2(R2)」のお披露目を目的としたセミナー「クラウド時代のJavaプラットフォーム」を開催した。米国オラクルからOracle WebLogic ServerをはじめとするFusion Middleware製品やJava EE、そしてOracle Cloud Platformのアプリケーション開発/実行環境などの開発を統括するVice Presidentのマイク・リーマン氏を基調講演のゲスト・スピーカーに招聘して行われた同セミナーの要旨を紹介する。

 基調講演の冒頭、リーマン氏は今日のCIOが取り組む優先度の高い課題として、「クラウドの活用」、ITによる「イノベーションの創出」、IT資産の「集約最適化」、「DevOpsの推進」などを挙げた。なかでも、開発技術としてJavaを選び、Oracle WebLogic Serverを利用してきた企業からは、しばしば自社のアプリケーション環境を「どのようにしてクラウドに集約すればよいのか?」、「(クラウド上で)フルタイム稼働は可能か?」、「クラウドとオンプレミスの統合管理を実現できるか?」、「より迅速にアプリケーションを構築し、展開することが可能か?」と問われてきたという。

 ここでリーマン氏は、オラクルが全社を挙げて推進している"クラウドシフト"の戦略を改めて強調した。同社は現在、アプリケーションのライフサイクル全般について"クラウドファースト"、"クラウドネーティブ"を指向し、企業アプリケーションのクラウド環境への集約とクラウド上での運用管理を可能にすべく、多くの投資を行っているという。


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 この戦略を強く下支えするのが、先頃リリースされたOracle WebLogic Server 12c R2である。大規模なアーキテクチャ刷新によって実現されたマルチテナント対応により、Oracle WebLogic Server上で動作するアプリケーションを"マイクロコンテナ"として扱うことが可能になった。これにより、オンプレミスとクラウドをまたいだ可搬性と、リソースの共有による集約率が大きく向上する。同時にアプリケーション間の独立性は維持され、高いセキュリティ・レベルが確保されるという。


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 「Java EEアプリケーションの構成要素をまとめてマイクロコンテナ化することで、クラウドとオンプレミスをまたいだアプリケーションの移行が極めて容易になります。集約率も約3倍と大幅に高まる一方、アプリケーション間でのハードウェア・リソースの使用も含めた独立性が保たれ、他のアプリケーションにパフォーマンスやセキュリティ面の影響が及ぶことはありません。Oracle WebLogic Server 12c R2のマルチテナントは、Oracle Database 12cのマルチテナントやロード・バランサとも連携できるようになっており、各トランザクションは適切なアプリケーション/データベースに対してルーティングされます」(リーマン氏)


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 実際にリーマン氏は、Oracle WebLogic Server 12c R2のマルチテナント環境がハイブリッド・クラウド上で統合的に管理できることを示すデモンストレーションも披露した。統合管理ツール「Oracle Enterprise Manager 12c」の管理画面を使い、オンプレミスで動作しているアプリケーションをエクスポート/インポートの操作でOracle Cloud上に移動させるというものだ。

 Oracle WebLogic Server 12c R2のマルチテナント環境は、アプリケーションの集約にハイパーバイザー型の仮想化技術を使う場合と比べて、より高いリソース効率、より高い集約率を実現する。また、企業がこれまで利用してきた運用管理のスキームを、そのままハイブリッド・クラウド上のマルチテナント環境に適用できるため、運用コストの削減や開発効率の向上を実現するという。


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ゼロダウンタイム運用、アプリケーション開発のスピード化にも恩恵

 マルチテナント対応と併せて、Oracle WebLogic Server 12c R2では企業アプリケーションの連続稼働、高可用性、運用自動化を実現するための新たな仕組みが導入されている。

 その代表例が「ゼロダウンタイムパッチング」と「ライブパーティションマイグレーション」である。前者はパッチ適用時のローリング・アップデート、エラー発生時のロールバックなどを自動化し、アプリケーションの稼働には影響を与えずにアップデートを行うための機能だ。また、後者は実行中のテナント・パーティションを、アプリケーションを利用するユーザーには影響を与えずに他のWebLogicクラスタ・ノードに移行する機能である。これらにより、「アプリケーション・レイヤを含む全ての層で高い可用性が確保されます。また、運用の自動化と、それによる人為的なミスやエラーといったリスクの低減に貢献します」とリーマン氏は説明する。


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 アプリケーション開発の観点で見た場合、Oracle WebLogic Server 12c R2の大きな強化ポイントはJava EE 7への完全準拠とDevOps環境への対応強化である。DevOpsについては、オラクルが提供するPaaS「Oracle Cloud Platform」で提供されるさまざまな開発ツール群にも言及した。

 「パブリック・クラウド・サービスとしてOracle WebLogic Serverを提供するOracle Java Cloud Serviceでも、12c R2の新機能が提供されます。これにより、Java EE 7の全機能を使用したアプリケーションの開発と運用を、従量課金の下、高いアジリティで行えるようになります。また、Oracle Cloud Platformが提供するクラウド型のチーム開発環境『Oracle Developer Cloud Service』を組み合わせることで、より生産性の高い開発スタイルを実現できます。継続的インテグレーションやコンポーネント指向開発といったモダンな開発スタイルを推進する基盤としてご活用いただけるでしょう」(リーマン氏)


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