2016年のJavaはどこに向かう? 標準化の最新動向、開発手法のトレンドを見る

Oracle Java & Developers編集部
2016-02-03 11:00:00
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Java EE 8は2017年前半をターゲットに開発が進む

 Java EEについては、2013年7月にリリースされたJava EE 7が最新版であり、以降のバージョンについては次のようなロードマップが公表されています。


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 図にあるとおり、次期バージョンのJava EE 8は2017年前半のリリースを目標にJSR 366として仕様策定が進められており、現在は仕様案の最初のレビュー(Early Draft Review)が終わった段階にあります。Early Draftは一般に公開されていますので、興味のある方はダウンロードしてご覧ください。Java EE 8では、下図に示すような機能の追加が予定されています。


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 また、これと並行して、リファレンス・インプリメンテーションである「GrassFish 5」の開発も進められています。

SoRからSoEへ──Java開発でもDevOpsが本格化

 続いては、今後のJava開発の流れを示すものとして、JavaOne 2015で注目を集めた2つの潮流、「DevOps」と「マイクロサービス」を紹介します。

 DevOpsは、JavaOne 2015のメインテーマの1つとも言えるほどでも大きく取り上げられていました。例えば、全450セッションのうち、実に107セッションがDevOpsに関連したものです。昨年は7つ程度だったことを考えると、これは驚くべきことだと言えるでしょう。技術解説のセッションのみならず、DevOpsの採用事例などを紹介するセッションも目に付きました。どのセッションも多数の受講があったことからも、多くのJava開発者がDevOpsに関する情報を求めていることがわかります。


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 そのDevOps関連のセッションの中で、特に大きく取り上げられていたのが「Continuous Integration(CI:継続的インテグレーション)」と「Continuous Delivery(CD:継続的デリバリー)」です。

 ご存じのとおり、今日、世界中で実践が進んでいるCI/CDとは、プログラムの周期的/漸進的な開発をツールによって自動化/効率化するための方法論です。JavaOne 2015の各セッションでは、この方法論をどのようなツールによって実践し、どういった成果を得たのかが紹介されていました。また、CI/CDにおけるテストの重要性や、CI/CDの効果を定量的に評価する方法などについても議論されていました。

 Java開発の世界でCI/CDが注目されている背景には、これまでSoR(Systems of Record)系のシステムを開発してきた企業が、今後SoE(Systems of Engagement)系システムの開発に取り組もうという機運が高まっていることがあります。SoR系システムと比べてリリース頻度が高く、周期の短いSoE系システムの開発では、CI/CDがキー・テクノロジーになります。そのため、多くの企業/開発者がCI/CDへの取り組みに力を入れているのでしょう。

よりスピーディなサービス提供を指向したマイクロサービス化の潮流

 DevOpsは開発方法論に焦点を当てたものですが、一方のマイクロサービスは、主にシステム・アーキテクチャにフォーカスしたテーマです。アプリケーションのフロント側を、より小さなサービスの集合体として作り、それらを連携させてシステムを実現するというもので、その背後(サーバ・サイド)ではJavaなどで開発されたレガシー・システムが動作します。これも「JavaによるSoE系アプリケーション開発の活発化」という流れの中で注目されており、DevOpsと深く関連するテーマだと言えます。

 今日、マイクロサービスに関して議論されていることの1つは「実行環境」です。現在のJavaアプリケーションの多くは、Java仮想マシン(JVM)上で1つのJARファイルとしてパッケージングされたモノリシック(一枚岩型)な構造をとっています。これを小さなサービスの集合体に移行することで、アプリケーション開発や改修の迅速化、ひいてはサービス提供時間(リードタイム)の短縮化を図ろうというわけです。

 この取り組みも、すでに多くの企業で進められており、JavaOne 2015の関連セッションでは、米国のアパレル企業であるギルト・グループの事例が紹介されていました。

 同グループでは、B2CのECサイトとして「Gilt」を運営しています。このECサイトは、従来はJava EEによるモノリシックなアプリケーションとして構成されていましたが、昨年、マイクロサービス型のアーキテクチャに移行しました。各マイクロサービスのプログラム規模は小さく、平均で1100行程度だとのこと。このアーキテクチャ移行により、同社はよりスピーディなサービスの提供および改修が可能になりました。

 以上、Java標準化の最新動向と今後のJava開発のトレンドについて、JavaOne 2015の注目トピックも交えてご紹介しました。

 DevOpsやマイクロサービスは、オラクルも力を入れて取り組んでいる領域です。例えば、Oracle Cloudでは、Java SEアプリケーションの開発/実行環境として「Oracle Java SE Cloud Service」を提供していますが、同サービスのユーザーが無償で利用可能なクラウド型チーム開発環境「Oracle Developer Cloud Service」は、主要なオープンソース・プロダクトで構成されたDevOps/CI環境でもあります。本サイトでは引き続き、DevOpsやCI/CD、マイクロサービス開発の潮流をキャッチアップしていくとともに、それを支援するソリューションとして、これらのサービスの紹介にも力を入れてきたいと思います。

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