WebLogicをパブリック・クラウドで使う--開発責任者が語るOracle Java Cloud Serviceの魅力、海外企業の活用事例

Oracle Java & Developers編集部
2015-05-26 15:20:00
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Oracle WebLogic Serverを利用する企業に最適なパブリック・クラウドは何か? オラクルの「Oracle Java Cloud Service」だ。オンプレミスと同じOracle WebLogic Serverを使える同サービスにより、企業はアプリケーションをオンプレミス/クラウド上で自在に配備できるようになる。

ハードウェア/ソフトウェアの統合プラットフォームで、オンプレミスとクラウドに同じ環境を提供できることがオラクル独自の強み

米国オラクル Fusion Middleware製品管理担当 バイスプレジデントのマイク・リーマン氏
米国オラクル Fusion Middleware製品管理担当 バイスプレジデントのマイク・リーマン氏

 自社のあらゆる技術/製品をパブリック・クラウド上に展開していくことで、「クラウド・ベンダー」としての存在感を急速に高めているオラクル。それらの技術/製品をオンプレミスで利用してきた企業は、これまで蓄積してきた技術資産やスキル・セットを生かしつつ、オンプレミスとパブリック・クラウドの間を自在に行き来するハイブリッド・クラウド環境へとスムーズに移行できる点が大きなメリットとなる。

 なかでも、これまで基幹システムでJavaアプリケーションへの投資を行ってきた企業にとって、Java EE対応アプリケーション・サーバ「Oracle WebLogic Server」をそのままPaaSとして提供する「Oracle Java Cloud Service」は高い価値を持つサービスだ。既存のアプリケーション資産をオンプレミスとクラウドの双方に柔軟に配備することができる環境が手に入れば、企業はアプリケーション・ライフサイクル管理をより効率的に行うことが可能となるからだ。

 日本オラクルが2015年4月に都内で開催した「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」では、米国オラクルでFusion Middleware製品管理担当バイスプレジデントを務めるマイク・リーマン氏が講演を行い、Oracle Java Cloud Serviceの概要と、すでに導入が進む海外企業における活用例を紹介した。

 リーマン氏は冒頭、オラクルが現在、あらゆるレイヤのクラウド・サービスに対して大きな投資を行っていることを改めて強調。そのメリットとして、サービスを利用するにあたっての「俊敏さ、迅速さ」、従量課金モデルによる「コスト削減」、システムへのニーズに応じて柔軟に調達できることによる「リソースの有効活用」などを挙げた。

 「システムが個別に物理的なハードウェアを専有していた時代から、近年は仮想化による標準化や集約化が進み、複数のシステムでリソースを共用できるようになりました。これは、住居を建てる際、施主が個別に土地を購入して造成し、ライフラインを引いて図面を描いていた時代から、住宅用の大規模な造成地を利用し、ある程度、標準化された建売住宅を購入できるようになった時代への変化に近いでしょう。これにより、システムを導入して使えるようになるまでにかかる金銭的/時間的なコストが大きく削減されたのです。

 クラウドの時代には、そこからさらに集約化が進みます。共用されるリソースの範囲は増え、これまで以上に低コストでの導入が可能になります。また、事前に定義され、すぐに使える多様なサービスやコンポーネントが数多く用意されるようになります。これはサービスとセキュリティが充実したホテルを住居として安価に利用できる状況に近いものだと言えます」(リーマン氏)


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 今日、クラウド・サービスの高度化に伴い、企業がクラウドに課す要件が多様化しているとリーマン氏は指摘する。特に運用面では「高い柔軟性」、「配備先の選択性」、「拡張性」、「パッチ適用の効率化」、「バックアップ/リカバリ」、「高可用性/災害対策」といった広範なニーズがあるという。

 こうした市場環境の中、オラクルはIaaS、PaaS、SaaS、DBaaS(Database as a Service)といった企業コンピューティングのあらゆる用途に対応したクラウド・サービスを、全世界19拠点に設置したデータセンターを通じて提供している。リーマン氏のセッションのテーマであるOracle Java Cloud Serviceは、Java EEの開発環境と実行環境を提供するPaaSレイヤのサービスとなる。

 「オラクルは、ハードウェアからミドルウェア、アプリケーションまでを包含した統合プラットフォームを持っており、プライベート・クラウドとパブリック・クラウドの双方で同じ環境を提供できます。現在、エンタープライズ・クラウドの領域でそれができるのはオラクルだけだと言ってよいでしょう」(リーマン氏)


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インメモリや負荷分散の機能を備えたWebLogicクラスタ環境も数十分で構築

 Oracle Java Cloud Serviceのメリットは、環境構築をスピーディに行えることに加えて、運用自動化ツール、「Oracle Coherence」によるインメモリ処理、「Oracle Traffic Director」による負荷分散といった高度な機能をパブリック・クラウド上でも利用可能な点だ。また、本番環境で利用できるサービスのほか、主に開発/テスト時の利用を想定したチーム開発環境として「Oracle Developer Cloud Service」が用意される。

 リーマン氏は、これらのサービスの用途として、「開発およびテスト」、自社データセンターから「パブリック・クラウドへの移行」、そしてJava EEによる「新規アプリケーション開発」などを挙げる。

 「特に近年、自社データセンターへの投資を抑えつつ、環境の標準化や集約化を進めるためにパブリック・クラウドへ移行しようという機運が高まっており、そのためにOracle Java Cloud Serviceを活用する企業が増えています。『オンプレミスとパブリック・クラウドの間でアプリケーションを自在に行き来できる』という特性が、そうした企業のニーズを満たすうえで大きな鍵となっているのです」(リーマン氏)


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 Oracle Java Cloud Serviceで利用可能なOracle WebLogic Serverのバージョンは11gおよび12cとなる。Java EE 6に完全準拠しており、Java EE 7の主要APIについても一部を先行サポート。インメモリ処理機能についてはOracle Coherence 12cを利用可能だ。この環境は、同じくパブリック・クラウド・サービスとして提供されるOracle Database(Oracle Database Cloud Service)、およびOracle Developer Cloud Serviceと緊密に連携させながら利用することができる。

 リーマン氏は、ここでOracle Java Cloud Serviceの使い勝手の良さを示すためにデモンストレーションを披露。わずか20分足らずの時間で、Webブラウザ上の操作によって4プロセッサ/4ノードのWebLogicクラスタを作り、Oracle Coherenceとロード・バランサを使用した環境を構築できることが具体的に示された。

 「環境を構築した後は、パッチ管理などの作業も同様の手軽さで行えます。OSやJDK、Oracle WebLogic Serverといったコンポーネントのパッチをまとめて管理でき、適用タイミングをスケジューリングすることも可能です。ローリングによる無停止のパッチ適用や、不具合が起きた際のロールバックも自動化できますし、バックアップについても同様です」(リーマン氏)

 パブリック・クラウドならではのスケーラビリティの高さも特筆すべき点である。要件に合わせて仮想マシン・ベースのノードを自由に追加/削除することでスケールアウトが行える。もちろん、スケーリングも無停止で実施可能だ。

 また、前述のようにOracle Java Cloud Serviceにはチーム開発環境のOracle Developer Cloud Serviceが統合されており、これらを組み合わせて利用することで、アプリケーション・ライフサイクル全般を通して効率化とコスト削減を図ることができる。

 「こうしたチーム開発環境を作るためにハードウェアやソフトウェアを個別に導入して構築する場合と比べて、Oracle Java Cloud Serviceは大幅な省力化と省コストを実現するのです」(リーマン氏)