Oracle Mobile Solutionなら、一度書いたJavaアプリがiOSとAndroidでそのまま動く。企業に必須のセキュリティ、デバイス管理の機能も完備

Oracle Java & Developers編集部
2014-12-09 15:30:00
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モバイル・デバイスが広く普及した今日、これをいかにして自社のビジネスに取り込むかは企業ITにおける喫緊の課題だ。既存のJava開発のノウハウ/資産を生かしてこの課題を解決するソリューションが「Oracle Mobile Solution」である。

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モバイル・デバイス活用の潮流は"リアルタイム&プッシュ"へ

日本オラクル Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部マネジャーの井上憲氏
日本オラクル Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部マネジャーの井上憲氏

 「人々にとって最も身近なネット・クライアントとして普及したスマートフォンやタブレットなどのモバイル・デバイスを、自社のビジネスにどう取り込むか」──これは今日、すべての企業/組織に共通の課題になったと言っても過言ではない。日本オラクルが2014年10月に開催した年次イベント「Oracle Days Tokyo 2014」では、まさにこの課題を解決する手法/テクノロジーにフォーカスを当てた講演「モバイルとクラウド~マルチプラットフォーム時代のエンタープライズアプリ開発を考える」が実施され、多くの聴講者を集めた。日本オラクルの井上憲氏(Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部マネジャー)による同講演の内容を基に、既存のJava開発のノウハウも生かしたモバイル・デバイスへの対応を可能にするオラクルの最新モバイル・ソリューションの特色を紹介する。

 講演の冒頭で井上氏がまず紹介したのは、企業/組織におけるモバイル・デバイス活用の現状とトレンドだ。ご承知のとおり現在、多くの消費者がモバイル・デバイスを日常的に使用し、業務におけるメールの確認やスケジュール管理などでも活用している。ただし、自社のビジネスでモバイル・デバイスをどう生かすかについては、「まだ大半の企業で模索の段階にあるというのが実情ではないでしょうか」と井上氏は推測する。

 また、モバイル・デバイスの利活用という文脈の中では、Webを通じた「Work@anywhere(いつでも、どこでも仕事ができる環境)」の実現をはじめ、「ビジネス・コミュニケーションのオンライン化」、さらには「ペーパーレス化(ビジネス・ドキュメントの電子化と携帯)」といったアプローチがよく取り上げられる。

 しかし、モバイル・デバイス本来の機能をビジネス革新、ワーク・スタイル革新に生かすことを考えると、「単なるWork@anywhereの実現やペーパーレス化、コミュニケーションのオンライン化だけで終わる話ではないでしょう」と井上氏。つまり、もう一歩進んだモバイル・デバイス活用のあり方を考え、実現していく必要があるというわけだ。

 井上氏によれば、今日、エンタープライズ領域におけるモバイル・デバイス活用の方向性を検討する際には、コンシューマー領域におけるモバイル利用スタイルからヒントが得られるという。特に近年、コンシューマー領域で顕著に利用が進んでいるのが「リアルタイム性」と「プッシュ通知」の2つだ。

 ここで言うリアルタイム性とは、ユーザー(あるいは、顧客)のステータスやデータをリアルタイムに取得したり、取得した情報を基にパーソナライズされた情報をリアルタムに表示したりすることを指す。

 一方、プッシュ通知とは、アプリケーション上に情報を通知して行動を促すことを意味する。

 「ある調査によれば、消費者のプッシュ通知に対する受容性は非常に高く、通知した情報の開封率もメールの数十倍という結果が出ています。今やプッシュ通知は、モバイル・ユーザーと密接につながるうえで不可欠な手段なのです」(井上氏)

 このプッシュ通知機能とリアルタイム性を組み合わせることで、例えばユーザー側のステータスの変化を捉え、それにマッチした情報をプッシュで送付し、ユーザーの次のアクションを喚起/誘導するといった流れがスムーズに形成されることになる。

モバイル・デバイスによるオンラインとリアルの融合、タイムリーなプッシュ通知をビジネス/業務改革に取り入れる企業

 モバイル・デバイス活用で先行する企業は、すでにプッシュ機能やリアルタイム性を備えたモバイル・アプリケーションをマーケティング施策や顧客との接点の強化/高度化に生かしているようだ。

 例えば、米国の大手ドラッグストア、ナショナル・ファーマシーズ(National Pharmacies)は、モバイル・デバイスでの利用に最適化された「顧客用情報参照ポータル」を構築。モバイル・デバイスによる商品購入や近隣店舗の検索を可能にすることが購買チャネルの拡大につながり、顧客のアカウント情報に基づく推奨商品のプッシュ通知が購買行動のトリガーになっているという。

 同社のケースで注目すべきことの1つは、顧客によるマルチチャネル(オンラインと実店舗)での購買活動を効率化していることだ。また、もう1つはリアルタイムな情報把握とプッシュ通知により、顧客の購買意欲/購買活動を喚起/誘導している点である。


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 こうした「人のアクションを喚起/誘導する仕組み」は、エンタープライズ・アプリケーションの世界にも広がっており、企業の業務プロセス改革や業務効率の向上においても有効だと井上氏は説く。

 例えば、英国の水道会社ノースウンブリアン・ウォーター(Northumbrian Water)では、マネジメントの購買承認処理を迅速化するためのモバイル・アプリケーションを「社内アプリケーションの機能を切り出し、モバイル化する」という手法によって短期間(約8週間)で開発。どこでも承認処理が行える環境(どこでも働ける環境)を整えたうえで、その行動をプッシュ通知によって促すことで、承認処理の滞留を約30%改善した。


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 また、カンタス航空(Qantas Airways)では、キャビン・アテンダント(CA)やフィールド・サービス担当者など、さまざまなスタッフに対してモバイル・アプリケーションを提供。モバイル・デバイスを通じた各担当者間での業務連携と情報連携を実現している。一例を挙げると、フィールド・サービス担当者が乗客の搭乗状況といったステータス情報をリアルタイムに報告すると、その情報を基にCAが各乗客のステータスを把握し、それぞれの乗客の状況に応じて機内サービスを提供するといった連携を図っている。また、機内で顧客からの呼び出しへの対応が遅れた際には、CAのモバイルス・デバイスにアラートがプッシュ通知されるといった仕組みも組み込まれている。

Javaで作ったアプリが、そのままiOSとAndroidで動く。iOSのバージョンアップにはフレームワーク側で対応

 これらの企業のモバイル・デバイス利活用を支えているのが、オラクルのモバイル・ソリューション「Oracle Mobile Solution」である。これはモバイル・アプリケーションを素早く低コストで開発し、組織に展開/運用するための仕組みであり、大きく次の3つのソリューションで構成される。

  • Oracle MAF(Mobile Application Framework)
  • Oracle Mobile Security
  • Oracle Mobile Cloud Service

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 このうち、Oracle MAFは、2014年8月に日本でも提供が開始された開発フレームワークだ。


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 オラクル社内では約3年前から広く利用されており、同社アプリケーション製品群のモバイル版の開発でも全面的に使われているという。


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 このフレームワークの最大の特徴は、「1回の開発」で、iOSやAndroidなど複数のモバイル・プラットフォームに対応したネーティブ・アプリケーションを開発できる点にある。マルチプラットフォーム対応のモバイル・アプリケーションを開発する場合、JavaScriptなどのスクリプト言語がよく使われるが、Oracle MAFでは業務ロジックの実装技術にJavaを採用している。

 「Javaは、JavaScriptなどのスクリプト言語と比べて高度かつ複雑なロジックを記述できるうえ、性能面でも高いアドバンテージがあります。しかも、エンタープライズの領域で長年にわたって蓄積されてきたJava開発のスキルやノウハウ、技術をそのまま転用できるほか、開発者を確保しやすいというメリットもあります。あらゆる面で、Javaはエンタープライズ・モバイル・アプリケーションの開発に最適な言語だと言えるのです」と井上氏はJavaを使うことの利点を強調する。

 さらに、Oracle MAFには事前に定義済みの標準ユーザー・インタフェース(UI)コンポーネント群「Application Mobile XML Components(AMX)」の80種類以上のコンポーネントが用意されている。


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 AMXコンポーネントを使うことのメリットは明快だ。これを用いてUIを設計/開発すると、1つのソースで異なるプラットフォーム(OS)にそれぞれ適合したUIが自動的に展開されるのである。その結果、マルチプラットフォームに対応したアプリケーション開発の手間が大きく軽減されることは言うまでもない。


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 ちなみに、iOS向けのアプリケーションは、たとえエンタープライズ・アプリケーションであっても、アップルが運営するiTunes Storeの審査を通す必要がある。そのため、iOSのバージョンアップがあると、新たなデザイン・テンプレート/スタイルシートにUIを適合させる必要に迫られ、それが開発側の大きな負担になっている。しかし、AMXの場合、iOSのバージョンアップに合わせた全コンポーネントの更新が、オラクルによって行われる。そのため、企業はiOSバージョンアップ時に発生する審査対応のコストとリスクを大きく軽減することができるのだ。

 Oracle MAFでは、オフラインでアプリケーションを動作させることを想定し、デバイス・ローカルで動くデータ・ストレージ「SQLite」も提供している。これにより、開発するアプリケーションの幅が広がるうえ、SQLiteに格納されるデータはすべて自動的に暗号化される。つまり、デバイス内のデータは自ずとセキュリティが確保される。そして、各デバイスのネーティブ機能には、オープンな標準フレームワークであるCordovaを介してアクセスする仕組みをとっている。