Java Cloud Service登場! 次期バージョンでマルチテナント化も──Oracle OpenWorld 2014で見えた“WebLogic Serverの近未来”

Oracle Java & Developers編集部
2014-12-05 18:15:00
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いよいよマルチテナントに対応──Oracle WebLogic Server 12cの近未来

 Oracle OpenWorld 2014では、Oracle WebLogic Serverのクラウド・サービスがアナウンスされる一方で、Oracle WebLogic Server 12cの今後のプランも明らかにされました。大きく次の2つがあります。

  • 現行バージョンであるOracle WebLogic Server 12c(12.1)の機能強化
  • 次期バージョンであるOracle WebLogic Server 12c(12.2)の機能強化プラン

Oracle WebLogic Server 12c(12.1.3)でいち早くJava SE 8をサポート

 まず現行の最新バージョンであるOracle WebLogic Server 12c(12.1.3)に関して、いち早くJava SE 8のサポートが表明されました。これは商用アプリケーション・サーバとしては国内初となります。

 Java SE 8では、言語仕様が大きく変更され、ラムダ式が導入されましたが、これをOracle WebLogic Server上のアプリケーション開発でお使いいただけるようになったのです。ただし、現時点では若干の機能制限があり、Stream APIとFork/Joinは未対応となります。これらについては、次期バージョンで対応すべく準備を進めています。

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Oracle WebLogic Server 12c(12.2.1)はマルチテナントに対応

 また、来年のリリースが予定されているOracle WebLogic Server 12c(12.2.1)は、Java SE 8とJava EE 7に完全準拠するほか、「マルチテナント」機能の導入が予定されています。これはOracle Database 12cで導入されたマルチテナント機能と同様のアプローチをアプリケーション・サーバで実現するものです。

 これまで、企業アプリケーションの領域では、「アプリケーションを、より少ないリソースで、独立性を保ちながら実行する」という課題の解決に、さまざまな技術が使われてきました。そうした技術の1つにサーバ仮想化技術があります。サーバ仮想化技術を使うと、1つのホストOS上に複数のゲストOSを立て、より少ない物理筐体でアプリケーションの独立性を保ちながら実行することができます。

 ただし、サーバ仮想化技術では、1つのアプリケーションに1つのOS(ゲストOS)を用意する必要があります。これはアプリケーションの独立性を保つという目的では、少々過剰な技術だと言えるかもしれません。そこで最近では、Dockerのような軽量コンテナ技術が登場し、1つのホストOS上に複数のコンテナを立て、サーバ仮想化技術よりも少ないリソースでアプリケーションの独立性を保ちながら実行できるようになりました。

 Oracle WebLogic Server 12c(12.2.1)で予定されているマルチテナント機能は、この軽量コンテナのアプローチをさらに洗練させたものだと言えます。この機能を使うと、1つのJVM上に複数のテナントを立て、その中で個々のアプリケーションの独立性を保ちながら実行することが可能となります。それぞれのテナントに対してCPUやメモリ、I/Oといったリソース使用量を設定することができ、各アプリケーションはその制約内で動作します。こうして、より少ないリソースで、より多くのアプリケーションを実行できるようになるわけです。また、バックアップやリカバリ、ロギング、チューニング、起動といった運用管理/監視の対象を減らすことが可能なため、従来よりも負担を減らせるでしょう。


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 複数バージョンのOracle WebLogic Serverを使い分ける必要がないのなら、今後はこのマルチテナント機能が、Oracle WebLogic Server上で複数のアプリケーションを実行する際のベスト・プラクティスになるのではないでしょうか。

Webサーバ、データベース、アプリケーション・サーバを丸ごとテナント化する機能も計画

 Oracle WebLogic Server 12c(12.2.1)では、このマルチテナントのアプローチをさらに推し進めた機能も計画されています。それは、Webサーバからアプリケーション・サーバ、データベースまでを、アプリケーションごとにエンド・ツー・エンドでテナント化するという機能です。

 通常、各テナントで動くWebアプリケーションは、それぞれWebサーバやアプリケーション・サーバ、データベース・サーバなどで構成されます。計画されている新機能では、これらを丸ごとエンド・ツー・エンドで1つのテナントとして扱えるようになります。これにより、アプリケーション全体としてのリソース使用効率やポータビリティを高められるとともに、運用管理をよりシンプルに行えるというわけです。


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HA機能の導入も計画

 ミッション・クリティカルなシステムでは特に嬉しい計画もあります。Oracle WebLogic Server 12c(12.2.1)、またはそれ以降のバージョンでは、アプリケーションの可用性を高める(HA:High Availability)機能の導入が検討されているのです。


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 オラクルの製品では、すでにOracle DatabaseでActive Data Guardという可用性向上の仕組みが導入され、災害対策や事業継続性の向上といった目的で活用されています。これは遠隔地のサーバ間におけるデータベース・レプリケーションを、軽量かつシンプルに行うことのできる仕組みです。

 Oracle WebLogic Serverでも、それと同様にアプリケーション・サーバ間でシンプルかつ軽量にレプリケーションを行い、アプリケーションの可用性を高める仕組みが検討されているのです。これまで多くの企業では、可用性向上の目的からさまざまな技術を組み合わせて独自に仕組みを構築されてきたと思います。Oracle WebLogic Serverでは近い将来、それを手軽に実現できるようになるのです。 


 以上、Oracle OpenWorld 2014で明らかにされたOracle WebLogic Serverを巡る最新動向を紹介しました。Oracle OpenWorld 2014では、このほかにもFusion Middlewareに関連してさまざまな発表がありましたが、最後にそれらの中で1つ興味を引いたものをご紹介します。それはモバイル関連の動きです。

 企業アプリケーション開発の世界では現在、クライアント・デバイスとして普及が進むモバイル・デバイス向けのアプリケーションをどう作るかが大きな課題となっています。オラクルは、新たにJavaの特性をフルに活用した「Oracle Mobile Solution」を提供することで、この課題の解決に新たなアプローチを示しました。

 それに加えて、Oracle OpenWorld 2014では、モバイル・アプリケーションのユーザー・インタフェース(UI)として「Alta UI」を発表し、今後オラクルのモバイル向けUIのデザインは、すべてこれで統一すると宣言しました。

Alta UIを採用したアプリケーションのUI Alta UIを採用したアプリケーションのUI
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 また、企業向けのモバイル・アプリケーションを簡単に作るための仕組みとして「Oracle Mobile Cloud Service」の提供も計画しています。Oracle Mobile Cloud Serviceでは、Webブラウザ上でアプリケーションの画面構成や既存アプリケーションとの連携方法などを選択すると、モバイル・アプリケーションのコードが自動生成され、それにQRコードでアクセスできるようになります。つまりWebブラウザ上でアプリケーション開発が完結するわけです。これは、Oracle WebLogic ServerでJava EEアプリケーションを作るのとは、また別のアプローチですが、1つの新しいアプリケーション開発スタイルをかいま見た気がしました。Oracle Mobile Cloud Serviceについては、いずれ本サイトでもご紹介する機会があるかもしれません。

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