Java Cloud Service登場! 次期バージョンでマルチテナント化も──Oracle OpenWorld 2014で見えた“WebLogic Serverの近未来”

Oracle Java & Developers編集部
2014-12-05 18:15:00
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Oracle Java Cloud Service、マルチテナント対応、新HA機能──先頃、米国サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2014では、Oracle WebLogic Serverのさらなる進化の方向性について展望が示された。

 米国オラクルは2014年9月25日から10月2日(米国時間)にわたり、年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2014」をサンフランシスコで開催した。同社のクラウド・ソリューションにフォーカスが当てられた同イベントでは、Oracle WebLogic Serverによるクラウド・サービス、およびOracle WebLogic Serverの今後の強化計画も発表された。それらのポイントについて、日本オラクルでOracle WebLogic Serverのマーケティングを担当する新井庸介氏(Fusion Middleware事業統括本部 シニアマネジャー)が解説する。

Oracle WebLogic ServerをPaaSとして提供。既存アプリケーションを変更なしでオンプレミスからクラウドへ

日本オラクル  Fusion Middleware事業統括本部 シニアマネジャーの新井庸介氏
日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 シニアマネジャーの新井庸介氏

 すでにメディアでも報じられているように、Oracle OpenWorld 2014では、いよいよオラクルがクラウド・サービスの提供を全面的に推し進めていくことが宣言され、各種のクラウド・サービスが披露されたほか、既存製品のロードマップも明らかにされました。この中で、Oracle WebLogic Serverに関しては大きく次の2つの発表がありました。

  • Oracle WebLogic ServerによるPaaS「Oracle Java Cloud Service」の発表
  • Oracle WebLogic Server 12c次期バージョンの機能強化プランの発表

 これらについてご説明しましょう。

 オラクルはここ数年、総力を挙げて自社製品のクラウド化に取り組んできましたが、Oracle OpenWorld 2014では、その集大成としてさまざまなクラウド・サービスが発表されました。それらのサービスのプラットフォームとなり、“オラクルならではのクラウド”の特徴を実現する基盤となるのが「Oracle Cloud Platform」です。これはOracle WebLogic ServerやOracle Databaseを核とするプラットフォームであり、CTOに就任した米国オラクル会長のラリー・エリソンによれば、次のような特色を備えています。

  • Move it to Cloud:オンプレミス上の既存アプリケーションのコードを1行も変更せずにクラウドに移行できる
  • Modernize:クラウドへの移行により、企業のアプリケーション、およびその開発/運用手法を近代化する

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 この2つの特色を企業アプリケーションにおいて体現するものが、次に挙げる2つのサービスです。

  • Oracle Java Cloud Service:オンプレミスと同様のOracle WebLogic Serverをクラウド・サービスとして提供するもの
  • Oracle Developer Cloud Service:Oracle Java Cloud Serviceのユーザーに対して提供されるチーム開発環境

 これらのうち、"Move it to Cloud"という特色を具現化するものは「Oracle Java Cloud Service」です。これはOracle WebLogic Serverをそのままクラウド上でサービス(PaaS)として提供するもので、オンプレミスのOracle WebLogic Server上で稼働する既存アプリケーションのコードを1行も変更ことなく、Oracle Java Cloud Service上で実行することができます。オンプレミスでOracle WebLogic Serverを使っている企業は、それと同じ開発/運用手法でOracle Java Cloud Serviceをお使いいただけるのです。


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 一方、"Modernize"という特色を具現化するものが、クラウド・サービスとして提供されるチーム開発環境「Oracle Developer Cloud Service」です。企業はこの上でアプリケーション開発を行うことにより、最新のオープンソース・プロダクトを活用しながらアプリケーション開発手法を近代化(Modernize)することができるのです。


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 これら2つのサービスについて、もう少し詳しくお話しましょう。

Oracle Java Cloud Service

 まずOracle Java Cloud Serviceですが、これには次の2種類のメニューがあります。

  • Java Cloud Service - Virtual Image
  • Java Cloud Service

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 1つ目の「Java Cloud Service - Virtual Image」は、Oracle WebLogic Serverをクラウド・サービスとして提供するものです。バージョンは11gと12cを用意しており、エディションはStandard Edition、Enterprise Edition、Suiteからお選びいただけます。オンプレミスのOracle WebLogic Serverとまったく同じものなので、WLSTなど既存の管理ツールもご利用いただけます。

 一方、Oracle Java Cloud Serviceでは、Virtual Imageと同様のOracle WebLogic Serverに加えて、アプリケーションの自動バックアップやリストア、世代管理といった運用管理サービスも提供します。

 ご参考までに、両サービスの価格(2014年11月時点)は、それぞれ下図のようになります。サーバのタイプは「General Purpose Compute」と「High-Memory Compute」の2種類から選ぶことができ、前者は1CPU当たり7.5GBメモリ、後者は1CPU当たり15GBメモリのコンピューティング・リソースが提供されます。


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 ご覧のとおり、最も安価なJava Cloud Service - Virtual Imageの場合、月額300ドルからお使いいただけます。1日当たり10ドル程度と、他のクラウド・サービスと比べてもリーズナブルな価格設定だと言えるのではないでしょうか。

Oracle Developer Cloud Service

 Oracle Developer Cloud Serviceは、先ほどお話ししたように、Java EEアプリケーションのチーム開発を支援するクラウド・サービスです。次のように最新のオープンソース・プロダクトも活用した近代的なアプリケーション開発環境が用意されています。

  • Webダッシュボード:開発プロジェクトの進捗状況やメンバーの作業状況を一覧で確認することができる
  • ソースコード管理:Gitを使ってソースコードのバージョン管理が行える
  • 自動ビルド/デプロイ:ビルド、テスト、パッケージング、デプロイといった作業を自動化するためにHudsonが利用可能
  • 課題管理/追跡:Bugzillaを利用して課題管理が行える
  • Wiki:情報共有のためのWikiを提供

 このほか、チーム開発を支援するタスク管理、コード・レビューなどの機能が、すぐに使える状態で提供されます。

 以上のような特色を備えるOracle Java Cloud Serviceですが、主な用途として、次のようなケースを想定しています。

  • アプリケーション開発/テスト
  • 既存アプリケーションのクラウドへの移行
  • "クラウド・ファースト"なアプリケーションの開発/運用

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 なお、Oracle Java Cloud Serviceの日本オラクルとしての提供については、現在、準備を進めています。整い次第、本サイトでご案内しますので、ご期待ください。