いざJava EE 7、8へ! Oracle WebLogic Serverを通して広がる開発者の輪──「WebLogic Channelナイト・ミーティング」レポート

Oracle Java & Developers編集部
2014-09-10 18:45:00
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2014年8月5日、本サイトの開設1周年を記念するイベント「WebLogic Channelナイト・ミーティング」が都内で開催された。本サイト人気記事にも登場した国内Java EE開発のキーマンらが登壇した同イベントの模様をレポートする。

Java EE 7の導入時期ターゲット、Java EE 8の注目機能は?

 「Oracle WebLogic ServerとJava EEの"いま"を伝える」というテーマの下に昨夏スタートした本サイトは、多くの読者に支えられ、早くも開設1周年を迎えた。それを記念して8月5日、都内で記念イベント「WebLogic Channelナイト・ミーティング」を開催した。本サイト人気記事にも登場したJava EE開発者諸氏と日本オラクルのエンジニアらがJava EE開発とOracle WebLogic Serverについて語り合った同イベントの模様をレポートする。

 イベントの開幕にあたり、朝日インタラクティブ ZDNet Japan編集長の怒賀新也より挨拶が行われ、日本オラクルとのコラボレーションによって実現した本サイトにかける思いを次のように語った。

 「JavaはエンタープライズITの中核を成すテクノロジー。それに関する情報を、Javaの盟主であるオラクルとともに発信していけることは大きな喜びであり、またメディアとして1つのチャレンジでもあります。今後も有益な情報を発信し続け、読者の皆さんのJava EE開発のお役に立てるよう切磋琢磨していきます」

 開幕挨拶に続いては、日本オラクルのJavaエバンジェリスト、寺田佳央氏が壇上に上り、最初のセッションがスタートした。寺田氏のセッションのテーマは「エンタープライズJavaの最前線」である。

日本オラクル シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏
日本オラクル シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏

 2013年7月のJava EE 7リリースから約1年が経過した現在、オラクルをはじめとするベンダー各社はアプリケーション・サーバ製品におけるJava EE 7への対応を着々と進めている。その状況について、寺田氏は次のように見通しを述べた。

 「オラクルでも現在、Oracle WebLogic ServerのJava EE 7対応を段階的に進めているところです。例えば、7月にリリースされたOracle WebLogic Server 12.1.3では、Java API for WebSocketとJava API for JSON Processing、JAX-RS 2.0、Java Persistence API 2.1という4つの新APIに対応し、部分的にJava EE 7の新機能が現場で使えるようになりました。これらのAPIのほかにも、Java EE 7では開発生産性を高め、企業システム開発の現場のニーズに応える新機能が数多く追加されています。来年半ば以降のカットオーバーを予定しているシステムでは、ぜひJava EE 7の採用をご検討ください」

 また、これからJava EE 7に取り組む開発者に向けて、寺田氏はEJBとCDI(Contexts and Dependency Injection)を重要な機能として紹介した。

開設1周年を記念して特注のデューク・ケーキも登場。参加者に振る舞われた
開設1周年を記念して特注のデューク・ケーキも登場。参加者に振る舞われた

 「EJBに対して、まだ『面倒で扱いづらい』というイメージをお持ちの方がいらっしゃるようですが、その認識はもう改めましょう。EJBはJava EE 5で採用されたバージョン3.0以降、大幅に機能が改善され、現在はPOJO(Plain Old Java Object:通常のJavaクラス)にアノテーションを追加するだけでEJBの機能が使えるようになっています。XMLによる設定ファイルの作成も、面倒なパッケージングの手間も不要になりました。

 加えて、今後のJava EE開発では、Java EE 6から追加されたCDIの重要性が増していきます。その適用範囲はJava EE 7、8と順次拡大し、Java EE開発の必須技術となってきていますので、ぜひ早く使いこなせるようになってください」(寺田氏)

 さらに寺田氏は、2016年第3四半期のリリースが予定されているJava EE 8の概要を紹介した。それによれば、Java EE 8では次のようなテーマで機能拡張が予定されているという。

  • 開発生産性の向上(CDIの適用範囲拡大やセキュリティ・インターセプタの導入など)
  • HTML5対応(Java ServletによるHTTP2.0への対応やJAX-RSによるServer-Sent Events対応など)
  • アクション・ベースのMVCの採用(JAX-RS、JSFの機能拡張)
  • クラウド対応(マルチテナント機能など)
  • RESTによる管理用APIの追加

 そして最後に、寺田氏はJava/Java EEの仕様策定プロセスへの積極的な参加を呼びかけてセッションを締めくくった。

 「JavaおよびJava EEの仕様策定プロセスには、Javaコミュニティの皆さんも参加することができます。そのための仕組みが『Adopt-a-JSR』というプログラムです。これは各国のJavaユーザー・グループの皆さんに仕様案へのフィードバックなどをいただくためのもので、日本からは日本Javaユーザーグループ(JJUG)が参加しています。JavaとJava EEを皆さんにとってよりよい技術にしていくために、ぜひJJUGを通じてAdopt-a-JSRに参加してください。お待ちしています!」(寺田氏)

あの人気記事の開発者も登場。彼らが明かした"現場の生の声"、"Java EEへの期待"

 途中、軽食とドリンクが振る舞われた後は、これまで本サイト記事に登場した3名の開発者により、「人気記事のあの人に聞いてみたい! - あの記事のその後」と題してパネル・ディスカッションが行われた。パネリストとして登壇したのは、構造計画研究所の菊田洋一氏、NTTコムウェアの上妻宜人氏、日本オラクルの松林晶氏だ。

構造計画研究所 製造ビジネス・ソリューション部 ETO技術室の菊田洋一氏
構造計画研究所 製造ビジネス・ソリューション部 ETO技術室の菊田洋一氏

 菊田氏は一昨年、"Java EE開発経験はゼロ"という状態から短期間でJava EE 6を習得し、その経験をブログなどで紹介して注目を集めた。普段は製造業向けシステムの開発において、要件定義から設計、コーディング、運用保守までを行っている。初めてJava EEに取り組んだ感想を聞かれ、菊田氏は次のように話した。

 「学生時代に少しJava EE(当時のJ2EE)の話を聞いたことがあったのですが、難しそうな印象もあり、正直に言うとやりたくないと思っていました。しかし、実際に学んでみて、最新のJava EEは以前とは違う技術だと考えを改めました。最初のうちは用語や技術の意味を学ぶところで手こずりましたが、慣れてくるとチーム内でも共通的な言葉で会話や認識合わせができるようになった点が良かったです」(菊田氏)

NTTコムウェア品質生産性技術本部 技術SE部の上妻宜人氏
NTTコムウェア品質生産性技術本部 技術SE部の上妻宜人氏

 上妻氏のNTTコムウェアにおける主な業務は、同社が開発/運用するシステムで生じたトラブルシューティングであり、アプリケーション・サーバのハングアップやメモリ不足、スローダウンなどの原因を突き止めて解消するといったことを行っている。また、開発部門からの要請で技術支援に当たることもあるという。

 「私が業務で見ているものを一言で言えば、"JVM上で動くすべてのもの"です。トラブルの原因がJVMでもアプリケーション・サーバでもないときは、アプリケーションやライブラリのコードを血眼になってgrepしながら原因を探っています(笑)」(上妻氏)

日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部の松林晶氏
日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部の松林晶氏

 松林氏は、SIerのエンジニアから日本オラクルの技術営業職に転身したという経歴の持ち主だ。日本オラクルが主催する技術セミナーなどで講師も務め、軽妙な語り口を持ち味とする。「日本オラクルに入って大変だと感じたことは?」と聞かれた松林氏は、「オラクルは取り扱い製品の数が非常に多く、海外の事例も豊富にあります。日本のお客様に、よりよいサービスを提供するために勉強の毎日ですが、いくら勉強してもキリがないですね…」と苦労を打ち明けた。

 さて、菊田氏が開発にかかわる製造業向けシステムは、Java EE版のほかに.NET版も提供されている。Java EEと.NETのメリット/デメリットを聞かれた菊田氏は、次のように語った。

熱いディスカッションが予定時間を超えて繰り広げられた
熱いディスカッションが予定時間を超えて繰り広げられた

 「.NETによる開発では、システム構成要素の多くをマイクロソフトのテクノロジーが占めることになります。選択肢が限られる分、判断に迷うことも少ないですね。ただ、近年はお客様からプラットフォームとしてLinuxを指定されることもあるので、その場合はJava EEが有用です。また、Java EEの場合、さまざまな選択肢の中からテクノロジーや製品を選べて、ベンダー・ロックインの心配が少ない点がメリットになります」

 日頃トラブルシューティングに追われる上妻氏に対しては、「仕事を離れ、Javaで何でも好きなことをやってよいと言われたら、何をやりたい?」という質問が。それに対する上妻氏の回答は「バッチ処理」だ。

 「日本企業のシステムでは、今も夜間バッチ処理が多用されています。独自開発のフレームワークでバッチ処理を実装しているケースも多く見受けられますが、それをJava EE 7のjBatchのような標準仕様で置き換えることにチャレンジしてみたいですね」(上妻氏)

 たとえ仕事から離れても、上妻氏がJavaでやりたいのは、あくまでもエンタープライズなのであった。

 松林氏に対しては、「Java EEで仕事をするメリットは?」という質問が寄せられた。

 「SEのキャリア・パスを考えたとき、どこでも通用する技術を身に付けておくのは非常に大切なことです。かつてはJava EEの標準技術を学んでも、現場に出たらStrutsを使う、Spring Frameworkを使うといったことがありました。しかし、現在のJava EEは標準仕様に十分な機能が用意されています。今後は、これを使った事例を早く増やし、真に『どこでも通用する技術』として、Java EEを安心して学んでいただける環境を作っていきたいですね」(松林氏)

 このように、Java EEに対して強い思いを持つ3氏だが、今後登場するJava EE 8に関しては、どの新機能に注目しているのだろうか? その回答は、それぞれ次のようなものであった。

 「JSFの新バージョンに注目しています。また、新しく導入されるMVCにも興味があります」(菊田氏)

 「システムの運用保守では、運用データをどう収集するかが常に課題となります。Java EE 8では、RESTによる管理用APIが標準化され、どのアプリケーション・サーバでも使えるようになるそうなので、それに期待しています」(上妻氏)

 「負荷状況に応じて、手間をかけずにシステムの縮退が行えるようになると嬉しいですね。その意味でクラウド系の新機能に期待しています」(松林氏)

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