ハイブリッド・クラウドとJavaが、クラウド/IoT時代に企業のアプリケーション資産価値を最大化する──「オラクル ミドルウェア フォーラム 2014」レポート

Oracle Java & Developers編集部
2014-07-18 15:00:00
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パブリックやプライベートといったクラウドの垣根を取り払う「ハイブリッド・クラウド」と、サーバ側から組み込みまで広範にカバーする「Java」。オラクルのミドルウェア製品群は今、この2つを核に大きく発展しようとしている。

IoTとビッグデータを駆使してアメリカズカップに勝利


日本オラクル
執行役員 Fusion Middleware
事業統括本部長の桐生卓氏

 日本オラクルは2014年6月10日、シェラトン都ホテル東京において「オラクル ミドルウェア フォーラム 2014」を開催した。クラウド・コンピューティングやIoT(Internet of Things)の活用が進む今日、ミドルウェアが果たす役割はさらに広がり、求められる信頼性や要件も拡大している。オラクル ミドルウェア フォーラム 2014では、オラクルが提供するミドルウェア製品群「Fusion Middleware」や「Java」を中心とするテクノロジーが、それらのニーズにどう応えるのかが具体的な活用事例とともに紹介された。ここでは、日本オラクル 執行役員の桐生卓氏(Fusion Middleware事業統括本部長)による基調講演「クラウド、モバイル、Internet of ThingsそしてJava」の内容を基に、Fusion MiddlewareとJavaが実現するクラウド/IoT時代のシステム像の一端を紹介する。

 桐生氏による基調講演は、米国オラクルがサポートするヨット・チーム(Oracle Team USA)が参加した2013年開催の国際的なヨット・レース「第34回アメリカズカップ」の映像で始まった。このレースでは、前大会に続いてOracle Team USAが勝利したが、それに大きく貢献したのが、レース中にチームやヨットの状況に関する情報を収集/分析するために使われた数々のIoTテクノロジーだったという。

 「Oracle Team USAのヨットには、風速やマスト/セイルの張力などを測定するために約300のセンサーが搭載され、1秒間当たり約3000ものデータが生成されました。1回の走行で発生するデータの総量は約1GBに及んだと言います。また、搭乗するクルーのウェアにも、心拍数、呼吸数、体温、位置などを測定するためのセンサーが組み込まれていました。それらが生み出すデータは、すべてオラクルのEngineered Systems『Oracle Exadata』によってリアルタイムに処理され、その結果に基づく操船指示がスマートフォンを通じてクルーに伝えられたのです」(桐生氏)

 これらの情報に加えて、Oracle Team USAはヨットの設計やコース取りの戦略、艇上におけるクルー・オペレーションの最適化などにも同社のIoTやビッグデータのテクノロジーを駆使して見事、勝利を飾った。「これは、ヨット・レースという瞬時の状況把握と迅速かつ正確な判断が勝敗を分ける世界でも、IoTやビッグデータなどの高度な情報活用が極めて有効であることを示す好例だと言えるでしょう」と桐生氏は語る。

ファストデータ──IoTで鍵となるリアルタイムなデータ処理

 世の中に存在するあらゆる"モノ"をインターネットに接続し、そこから発生するデータをさまざまな事象の把握や高次の相互作用に活用しようというのがIoTのコンセプトだ。前出のヨット・レースも、そうした活用例の1つに挙げられる。

 桐生氏は、IoTに関する重要な視点として、発生したデータを「どのタイミングで処理するか」というタイム・スパンの違いを説明した。

 今日、広く注目されているビッグデータは、発生したデータをいったん蓄積し、分析することによって価値を生みだすというデータ活用アプローチである。

 一方で、生み出される大量のデータをリアルタイムに処理して、そこから何らかの兆候や特定の事象を瞬時に識別し、必要なアクションをとるというアプローチもある。今日、このデータ活用アプローチは「ファストデータ」と呼ばれるが、桐生氏はこのアプローチこそ、今後IoTを本格的に活用していくうえで見落としてはならない視点だと強調する。

 ファストデータの活用は、近年のインメモリ・データ処理技術の進化により、広く実用化されている。それに道を開いたのが、すでに多くの企業で採用実績のあるオラクルのインメモリ・グリッド「Oracle Coherence」や、リアルタイム・イベント処理基盤「Oracle Event Processing」などのミドルウェア製品である。

国内大手企業が基幹ビジネスにおけるファストデータ活用でオラクルのミドルウェアを採用

 桐生氏は、これらのミドルウェアのIoTにおける活用例として、NTTコミュニケーションズなどの事例を紹介した。

 NTTコミュニケーションズでは、Oracle Coherence、Oracle Event Processing、およびOracle Exalogic、Oracle Exadataを用いて、同社が提供するネットワーク・サービスのオペレーションの高度化や、顧客満足度の向上に取り組んでいる。その内容は、ネットワーク・サービス上で発生しているトラフィックの状況をリアルタイムに監視し、急激な変化が起きた際には異常値として検出して、迅速に対応するというものだ。そのためには、140万トラフィック/秒をリアルタイムに連続処理できる高速な処理基盤が必要となる。同社はOracle CoherenceとOracle Event Processingを用いたインメモリ・ストリーミング処理基盤によってその要件を満たし、導入から約5カ月で本番稼働に入った。これにより、異常の早期検知に加えて、それまで人手で行っていた作業の自動化によるコスト削減などを果たしたという。

 また、別の国内ハイテク製造業の事例として、リモートの機器からネットワークを介して収集した情報を監視し、故障の早期発見や付加価値サービスの提供を行うという活用例も紹介された。

 これは、全世界で100万台を超える機器から送られてくる稼働情報やエラー通知などを収集し、Oracle CoherenceやOracle Event Processing、Oracle Exalogicなどで処理を行うというものだ。これにより、故障の予兆を検知し、顧客からの修理依頼の連絡に先駆けてサービス要員を派遣するといった対応が可能になる。この企業では、今後も続く監視対象機器の増加や、より付加価値の高いサービスの提供に対応できる基盤としてオラクル製品を採用。従来のシステムと比較して4倍の処理能力を備えた環境を実現したという。

 これらのファストデータ活用事例において、実行環境の重要な構成要素の1つとなっているのがOracle Exalogicである。ハードウェアとネットワーク、ソフトウェアを最適なかたちで融合したEngineered Systemsの1つであるOracle Exalogicは、多くのケースで、一般的なIAサーバと比べてTCO(総所有コスト)を約3分の1に削減し、10倍の性能を発揮する。仮想環境の基盤としても最適なチューニングが施されており、多数のサーバを仮想化して集約した場合でも、物理環境と遜色のないパフォーマンスを実現するという。桐生氏は、「Oracle Exalogicは、すでに日本を含む43カ国で数百台が導入されており、企業がプライベート・クラウドを構築する際のシステム基盤として十分な実績を有しています」と語り、クラウド基盤としての豊富な実績を強調した。

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