ファストデータ活用でNTTコミュニケーションズのネットワーク・サービスの品質向上を支える「リアルタイム・ダッシュボード」とは?──Oracle Days 2013レポート

Oracle Java & Developers編集部
2013-11-11 11:00:00
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ビジネスの"今"の状況を把握し、現場の判断に役立てるツールとして「リアルタイム・ダッシュボード」を活用する企業が出始めている。これをオラクル製品で実現したNTTコミュニケーションズの事例を紹介しよう。

ビジネスの「たった今」の状況を見える化し、現場のスピーディな判断/アクションを支援するリアルタイム・ダッシュボード

 日本オラクルは2013年10月22~23日の2日間にわたり、都内で年次カンファレンス「Oracle Days Tokyo 2013」を開催。その2日目に、NTTコミュニケーションズと日本オラクルによる「インメモリ・プロセッシングで実現する次世代リアルタイム・ダッシュボード ~NTTコミュニケーションズで実践されたオペレーションの可視化~」と題したセッションが実施された。

 同セッションで紹介されたのは、NTTコミュニケーションズによる、ネットワークを流れる大量データ(ファストデータ:Fast Data)の「リアルタイム・ダッシュボード」による可視化に関する事例(発表資料)である。

 NTTコミュニケーションズでは、同社が提供するネットワーク・サービスの品質向上と早期異常検知を目的に、ネットワークを流れる大量のパケットを識別し、リアルタイムに可視化するリアルタイム監視システムを構築した。このシステムは、オラクルのEngineered Systemsである「Oracle Exalogic Elastic Cloud」、「Oracle Exadata」、メモリグリッド「Oracle Coherence」、リアルタイム・イベント処理エンジン「Oracle Event Processing」といった製品を利用して構築されており、開発にあたっては日本オラクルも支援を行った。


日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 製品戦略部 担当ディレクターの杉達也氏

 最初に登壇した日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 製品戦略部 担当ディレクターの杉達也氏は、事例紹介に先駆けて、まずリアルタイム・ダッシュボードを活用する意義と、これが既存の情報分析手法であるBusiness Intelligence(BI)やデータ・ウェアハウス(DWH)と、どのように異なるのかを説明した。

 これまでも、「ITによる経営の可視化」といったテーマが語られる際には、BIを構成するツールの1つとして「ダッシュボード」が挙げられてきた。しかし杉氏によれば、同セッションがテーマとするリアルタイム・ダッシュボードは、従来の経営戦略策定のためのBIやDWHとは「ターゲットやスピード感が異なるもの」である。

 「従来のBIやDWHでは、確定したデータを収集/処理して分析用のデータを蓄積し、過去のデータの内容を吟味したうえで、レポート作成や独自の視点による分析などが行えるようにしています。データ蓄積の期間は日次、週次、月次といったものが主となり、最終的に可視化した情報を利用するのはマネジメント層や経営者層になります」(杉氏)


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 それに対して、よりビジネスの現場に近い人々に向けて「たった今」の状況を可視化することで、現在起きている問題に対処したり、今すぐに起こすべき行動の方針を決定したりするのをサポートする仕組みがリアルタイム・ダッシュボードなのだという。

 「リアルタイム・ダッシュボードのアプローチでは、情報ソースから生み出される"ライブ・データ"から差分を収集し、情報を流しながら連続的に加工してフロントエンドへとプッシュしていきます。『人が情報を取りに行く』のではく、『情報が人のところに流れて来る』のがリアルタイム・ダッシュボードなのです」(杉氏)


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 この仕組みを実現するための道具として、オラクルが提供する各種製品を利用することができる。具体的には、大量かつ継続的に発生するデータをメモリ上で瞬時に処理するためのデータグリッドであるOracle Coherence、常に流れ続けるデータ・ストリームの中から特定のパターンを検知して処理を行うエンジン「Oracle Event Processing(OEP)」、WebSocketを使ってフロントのWebブラウザに情報をプッシュ配信することが可能なアプリケーション・サーバ「Oracle WebLogic Server」といった製品を組み合わせることで、「より現場に近い場所での業務効率や品質の向上をサポートするリアルタイム・ダッシュボードを実現することができます」と杉氏は語る。


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 こうしたリアルタイム・ダッシュボードの適用範囲は、流通/小売業における売上/在庫の速報通知システムや、旅行業界での予約状況可視化システム、交通/テレマティクス業界での交通状況可視化システムなど多岐にわたるという。