Oracle Database 12cとの連携でシステムの可用性がさらに向上──Oracle WebLogic Server 12c(12.1.2)の新機能1

Oracle Java & Developers編集部
2013-10-07 15:30:00
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(3)プラガブル・データベースへの対応と動的スイッチング──アプリケーションの移植性が向上

 Oracle Database 12cの最大の特徴は、マルチテナント・アーキテクチャの導入により、新たに「プラガブル・データベース」が追加されたことだ。これは、コンテナとなるデータベース・インスタンス(コンテナ・データベース)上で複数のデータベース(プラガブル・データベース:PDB)を作成し、稼働できるという機能である。

 PDBを使う際、既存のアプリケーションやデータベースの構成に変更を加える必要はない。1つのコンテナ・データベース上にある各PDBはメモリ・リソースやバックグラウンド・プロセスを共有するので、システム・リソースを有効に活用できるようになる。これにより、データベースを効率的に統合して運用管理コストを削減するといった、いわゆるデータベース・マルチテナント・アーキテクチャのメリットが享受できる。


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 Oracle WebLogic Server 12c(12.1.2)では、Oracle Database 12cが提供するPDBに対して、2種類の接続方式を用意している。

 1つは、PDBごとにJDBCデータソースを作成する方式で、PDBを単一のデータベースとして扱う。これは、従来のデータベース・サービスへの接続と同等の方式である。Oracle WebLogic Serverのデータソース設定も従来と変わらず、この方式ならば旧バージョンのOracle WebLogic Server(バージョン10.3.6/12.1.1)であってもPDBを使用できる。


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 もう1つの方式は「動的PDBスイッチング」と呼ばれるもので、最新のOracle Database 12cとOracle WebLogic Server 12c(12.1.2)の組み合わせによって実現される。

 動的PDBスイッチングでは、データソース内のコネクションごとにPDBの接続先を動的に変更することができる。この機能はOracle JDBCの接続ラベル・コールバック・ハンドラを使って実装されており、コネクション取得時にSQL文で特定のPDB名を指定すると接続先が切り替わる仕組みになっている。


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 「動的PDBスイッチングを使うと、接続先のPDBを簡単に切り替えられるので、データベースだけでなくアプリケーションの移植性まで高まるとともに、複数のアプリケーションでデータソースを共有することから、コネクション・プールなどのリソースの有効活用にもつながります」(松林氏)

 この動的PDBスイッチングも、Oracle Database 12cの能力を最大限に生かすために導入されたOracle WebLogic Server 12c(12.1.2)ならではの機能である。

(4)サイトをまたいだクラスタリングのサポート(Global Data Services)──Oracle RACのクラスタをサイト規模にまで拡大

 Oracle Database 12cでは、Oracle RACが提供するクラスタ・サービスの範囲を拡大する機能として「Global Data Services(GDS)」が追加された。これは、データベース・クラスタの規模を単一のシステムから複数システム/データセンターの規模にまで拡大し、データセンターをまたいだ複数サイト間でのロード・バランシングやフェールオーバーを可能にする機能だ。


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 これまで、バックアップ・サイトとして別のデータセンターにスタンバイさせていたシステムを、負荷分散や自動フェールオーバーのためのアクティブなシステムとして活用できるようになる。Oracle WebLogic Server12c(12.1.2)は、このGDSにも対応した。


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 GDSのロード・バランシングにおいて、RLBアドバイザリは、各グローバル・サービスのパフォーマンス集計情報に加えて、リージョン間のネットワーク・レイテンシーといった情報もコネクション・プールに配信する。そのため、拠点が遠隔地にあることによる遅延なども考慮したうえで負荷分散先が決定される。

 「GDSにより、複数のサイト上にあるデータベースをすべてアクティブ構成で効率的に稼働できることに加えて、レプリケーション・サイト間で自動フェールオーバーやロード・バランシングが行えるようになるため、システムの可用性やパフォーマンスの向上も期待できます」(松林氏)


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 GDSを利用する場合は、グローバルのサービス名、グローバル・サービス・マネージャのアドレス・ポート、GDSのリージョン情報などを含めてGridLinkデータソースを作成すればよい。

(5)Oracle Notification Serviceの自動設定(ONS Auto Configuration)──GridLinkデータソースの作成を効率化

 「ONS Auto Configuration」とは、WebLogic Server 12c(12.1.2)とOracle Database 12cの組み合わせにおいて、「Oracle Notification Service(ONS)」の自動設定を可能にし、GridLinkデータソースの作成を効率化する仕組みである。

 従来、Oracle WebLogic Server上にGridLinkデータソースを作成する場合は、その都度、設定画面でホスト名やポート番号などOSN Listenerの情報を入力する必要があった。

 それに対して、WebLogic Server 12c(12.1.2)とOracle Database 12cの組み合わせでは、データベース上のONSコンフィグレーション情報がJDBCドライバに対して公開され、Oracle WebLogic Server側でGridLinkデータソースをデプロイした際、JDBCドライバを介してONSの接続情報を自動取得できるようになった。

 松林氏は、ONS Auto Configurationのメリットとして、「冗長な入力項目の削減による、GridLinkデータソースの作成効率や管理運用性の向上」を挙げる。また、入力ミスなどヒューマン・エラーによる問題を未然に防ぐうえでも効果を発揮するだろう。

5つの新機能が使えるOracle WebLogic Server&Oracle Databaseの組み合わせは?

 以上に紹介した5つの新機能は、いずれもアプリケーションの可用性、耐障害性、パフォーマンスを高め、なおかつ運用管理コストの削減を実現するうえで有用なものだ。なお、それぞれの機能はOracle WebLogic Server 12c(12.1.2)とOracle Database 12c、対応JDBCドライバによって実現されており、組み合わせるOracle WebLogic ServerとOracle Databaseのバージョンにより、使用できる機能に制限が生じる。その対応関係は下表に示すとおりだ。それぞれの機能のメリットと利用可能な組み合わせを踏まえて、今後のバージョンアップをご検討いただきたい。


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 以上、今回はOracle Database 12cとの連携によって実現されるOracle WebLogic Server12c(12.1.2)のデータベース関連の新機能を紹介した。次回はWebSocket関連の新機能を紹介する。

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