データベースの更新を即座に検知! 12cでさらに進化したメモリグリッドの新機能

Oracle Java & Developers編集部
2013-08-19 11:00:00
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12cへのバージョンアップにより、メモリグリッド製品「Oracle Coherence」はどのような進化を遂げたのか? 日本オラクルが8月1日に開催した「Oracle Coherence 12c Forum 2013」で、その全容が具体的に示された。

Oracle Coherence 12cで、従来型システム・アーキテクチャの弱点を乗り越える

 ご存じのとおり、Oracle Coherenceは、オラクルがかねてより開発と普及を進めてきたメモリグリッド製品だ。同製品を活用することで、複数の物理マシンにまたがるかたちで共有型の巨大なメモリ空間を構成することができる。この共有メモリに大量のデータを保持し、複数アプリケーション/サービスによる同時アクセスの性能を高めたり、リアルタイムでの情報共有を実現したりすることが可能になるのだ。

 このOracle Coherenceの最新版であるOracle Coherence 12cのお披露目イベントとなったOracle Coherence 12c Forum 2013では、同バージョンの新機能が企業システム開発やITのビジネス活用にどのような変化をもたらすのかが、具体的なデモも交えて紹介された。


日本オラクルFusion Middleware事業部の杉達也氏

 Oracle Coherence 12c Forum 2013でリード・スピーカーを務めた日本オラクルFusion Middleware事業部の杉達也氏はセッションの冒頭、Oracle Coherenceが企業にもたらす価値を次のように語った。

 「従来型のシステム・アーキテクチャでは、アプリケーションやサービスが確保可能なメモリ領域に限りがあり、トラフィックの集中に耐え切れなかったり、一度に処理可能なデータ量を制限したりせざるをえませんでした。その結果、企業は『サービス利用者の増大に伴うデータ量/リクエスト量の増大にスムーズに対応できない(ビジネスをスケールさせづらい)』、『処理量の増大に多大なコストがかかる』といった問題に常に悩まされてきたのです。

 Oracle Coherenceは、こうした従来型アーキテクチャが抱えていた弱点を抜本的に解消する仕組みです。これはある意味、これからのエンタープライズ・サービスを支える、あるべきアプリケーション基盤を構成する中核技術だとも言えます」

 杉氏によれば、Oracle Coherenceは、すでに楽天や全日本空輸(ANA)、NTTぷらら、日本生活協同組合、さらにはヨドバシカメラなどのシステムに導入され、各社のeコマース/B2Cサービス基盤の強化に活用されている。また、金融サービスや通信、M2M(Machine to Machine)といった領域でも普及が進んでおり、各領域を代表する企業がOracle CoherenceによるITインフラの改革を推し進めているという。

 ちなみに、これらの企業におけるOracle Coherenceの典型的な活用パターンは、「データ・サービス」と「共有メモリ空間を使ったイベント駆動処理」、さらには「並列データ処理」の3つに大別することができる。

Oracle Database、Oracle WebLogic Serverとの連携強化でよりパワフルに

 Oracle Coherence 12cでは、こうしたOracle Coherenceの中核機能が、Oracle Database12cやOracle WebLogic Server 12cとの連携強化によって一層パワーアップされた。併せて、開発/運用保守にかかわる機能も強化されている。

 このうち、中核機能に関する主な強化ポイントは以下に示すとおりだ。

  • バックエンド・データベース側で生じた変更差分の通知機能「Coherence GoldenGate HotCache」
  • イベント処理インターセプタ機能「Live Events」
  • バックアップに関する次のオプションの追加
    ・非同期バックアップ
    ・物理マシンを認識したマルチバックアップ
    ・ラック/サイトを認識したマルチバックアップ
  • クライアント接続管理に関する次のオプションの追加
    ・WebLogic Security Framework連携(同一認証/認可の利用)
    ・Proxyアクセス(接続数の増加への動的対応)
    ・RESTアクセス(名前付き問い合わせのサポート)
  • Oracle Exalogicへの最適化

 これらの強化ポイントのうち、注目すべきものの1つとしてバックアップ関連の機能強化が紹介された。Oracle Coherenceでは、共有メモリ領域上でのデータの冗長化が自動的に行われ、「特定のサーバ・マシンやプロセスに障害が発生しても、プロセス上のメモリの内容は失われずに生き続け、処理の継続に生かされる」という高信頼なメモリが実現される。

 「Oracle Coherence 12cでは、そうした可用性のレベルを、さらに引き上げる機能が追加されました。このバックアップ管理関連の機能強化で重要なのは、Oracle Coherenceによる可用性オプションの幅が大きく広がったことです」と杉氏は語り、次のように説明を続けた。

 「例えば、Oracle Coherence 12cでは、データをラック単位、あるいはサイト全体の単位で認識したうえで、それらを分散配置させることができます。これにより、ラック全体、またはサイト全体に障害が生じても、稼働している他のリソースを使ってサービスを継続することが可能になるのです」(杉氏)