スペシャリストが“IDE愛”を熱く語った! 「Eclipse」、「IntelliJ IDEA」、「NetBeans」を勧める理由

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2013-07-26 11:15:00
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プラグインでどんどん機能を拡張できる点がEclipseの魅力

 Java開発において、多くの開発者がIDEを利用している。今日、その代表的な存在と言えるのが、Eclipse、IntelliJ IDEA、NetBeansだ。Java Day Tokyo 2013におけるパネル・ディスカッション「Java IDE の最新トレンド」は、モデレーターの山本氏による「今日は日本を代表するIDEのスペシャリスト3名に集まってもらい、それぞれのIDEの最新機能やトレンド、魅力を紹介してもらう」という挨拶でスタートした。


山本裕介氏
Twitter4J.org主催。Twitter APIのJava向けライブラリ「Twitter4J」やトラブルシューティング・ツール「侍」などを開発するOSSディベロッパー。講演や執筆なども精力的に行っている。

 口火を切ったのは竹添氏だ。氏は、「Eclipseとの出会いは10年ほど前になる。当初はテキスト・エディタでJava開発を行っていたが、Windows開発者がVisual StudioなどのIDEを使ってコーディングしているのを見てうらやましく思っていた。Java IDEにも無償のForte for JavaやJBuilderなどがあったが、当時のPCはRAMが128~256MB程度で、これらのIDEはとても満足に動かせなかった」と振り返る。


Eclipse、IntelliJ IDEA、NetBeansの魅力を語ってくれたスペシャリストの方々。写真左より、竹添氏、今井氏、きしだ氏

竹添直樹氏
NTTデータ先端技術所属。Eclipse関連の記事を雑誌に寄稿したり、Eclipseのプラグインを開発したりしている。著書に「Scala逆引きレシピ」(翔泳社刊)などがある。

  「Visual CaféというWindowsネーティブのIDEもあり、こちらは少ないRAMでもサクサクと動いたが、商用製品であり、金額的に個人が購入できるツールではなかった。そこで、いくつか無償のIDEを試してみたが、いずれも『どこか違う』と感じた。自作をすることも考えたが、IDEを1人で作れるわけもなく、途方に暮れていたところにEclipseが登場した」(竹添氏)

 EclipseはIDEであり、またプラグインを追加してさまざまなツールを実現するための汎用プラットフォームでもある。竹添氏は、「基本的な機能はオープンソースとして無償で使うことができ、さらに必要な機能をプラグインによって拡張できる。この『プラグインを開発してオープンソースとして公開する』というエコシステムが確立されている点が最大の特徴であり、魅力でもある」と説明する。

 現在では商用のEclipseディストリビューションが登場したり、企業やオープンソース・コミュニティなどがパッケージ・ソフト用の開発ツールとしてEclipseを同梱したりしている。竹添氏によれば、「Eclipseは、毎年6月に定期的にバージョンアップされるので、開発計画を立てやすいというメリットもある」という。

 山本氏が、「この中でEclipseを使っている方は?」と会場に問いかけると参加者の大半が挙手し、改めてその普及ぶりを印象付けた。

意外に古株。Eclipseと同じ年に誕生し、無償版もあるIntelliJ IDEA


今井勝信氏
日本ユニシス所属。10年前にお小遣いでIntelliJ IDEAを購入。Twitterやブログなどで「IntelliJ IDEA、最高!」とつぶやいている。著書に「Jenkinsではじめるビルド職人入門」(技術評論社刊)」などがある。

 一方、IntelliJ IDEAのスペシャリストである今井氏が、「IntelliJ IDEAを使ったことがある方は?」と問いかけると、約3分の1の来場者が挙手。今井氏は、「IntelliJ IDEAを約10年使ってきたが、これまでに出会ったユーザーはわずか2人。実は今日も、ここに呼ばれたのは何かの冗談だと思っていたが、実際に使ったことのある方がこんなにいるとは驚いた」と話し、会場の笑いを誘った。

 IntelliJ IDEAは、チェコに本社を置くJetBrains が開発したIDEだ。当初はJava専用のIDEとして作られたが、現在ではScala、Groovy、Kotlinなど、さまざまなプログラミング言語に対応しており、 無 償の「Community Edition」と有償の「Ultimate Edition」が提供されている。

 IntelliJ IDEAの歴史は意外に古く、Eclipseと同じ2001年に最初のバージョンがリリースされている。英語版のみが提供され、有償であることから、近年まで日本ではあまり知られていなかった。だが、「Community Editionが登場したことや、Scalaへの対応が早かったことなどから、徐々に知られ始めた」と今井氏は説明する。

 「私自身、英語は得意ではないが、英語版しかないからといって困ったことはこれまでに一度もない。皆さんもどんどん使ってみてほしい。Community Editionは使える機能が限定されているので、もし本気で使うのならUltimate Editionを購入していただくとよい」(今井氏)

JavaのリファレンスIDEならNetBeans。初級者にもお勧め

 続いてはNetBeansのきしだ氏だ。氏も同様に、来場者に対して「NetBeansを使っている方は?」と問いかけてみると、参加者の約3分の1が挙手。「IntelliJ IDEAと同じくらいの方が使っていて良かった」と笑顔を見せた。

 きしだ氏がNetBeansを使い始めたきっかけは、少し変わっている。「Java開発ではなく、Javaを教える仕事でNetBeansを使ったのが最初」(きしだ氏)なのだという。


きしだ なおき氏
Javaコミュニティ@九州。福岡のフリー・プログラマー。NetBeansを使ったプログラミングや、NetBeansの記事執筆などを生業とする。著書に「創るJava」(毎日コミュニケーションズ刊)などがある。

 「初めはコマンドラインでJavaを教えていたが、それではコンパイル・エラーをなくすまでに時間がかかってしまう。高いお金を払って講習を受けていただいているのに、多くの時間をコンパイル・エラーの解決に費やすのは申し訳ないと思った。何とかしたいと考え、当時はForte for Javaと呼ばれていたNetBeansを使うことにした」(きしだ氏)

 そのころ、すでにEclipseもリリースされていたが、「Eclipseは、手順を最短化するには、少しづらいと感じた」と、きしだ氏。Webアプリケーション開発についても、無償でJBuilderが提供されていたが、「Web開発ができて、なおかつ準備が少なくて済むという両方のメリットを兼ね備えていたのがNetBeansだった」(きしだ氏)と説明する。

 NetBeansもチェコで誕生したIDEだが、すでに日本語対応がなされている。きしだ氏は、「NetBeansは、Javaのリファレンス・ツールのような位置づけで、Java EEに関してはIDEの中で最も対応が早い。Java EE 6やJava EE 7で開発を行う場合にはNetBeansを使うのが最適だと思う」と話す。

好きなツールを使うのが一番。ただし、IDEの便利さも体験してほしい

 このように、3氏がそれぞれに推すEclipse、IntelliJ IDEA、NetBeansだが、Java開発ではどれを使うのが最適なのだろうか。しかも、選択肢はIDEだけに限らない。テキスト・エディタを使ってJavaコーディングを行う猛者もまだ存在する。これについて、「IDEは用途に応じて選べばよいが、テキスト・エディタを使っている人は"もったいない"と思う」と山本氏。それに対して、今井氏、きしだ氏、竹添氏は、それぞれ次のように応じた。


会場の参加者はTwitterのつぶやきで"バトル"に参加

 まず今井氏は、「IntelliJ IDEAには、『IntelliJ IDEA vim』という優れたプラグインがあり、これをテキスト・エディタとして使っている。また、Java EE開発ではNetBeansを使う。Eclipseに関しては、常に最低限の機能は使えるようにウォッチしているが、最近はついて行くのが大変で困っている。ただ、結局は1つで何でもこなせるのがIntelliJ IDEAのメリットだと思う」と語った。

 一方、きしだ氏は、「テキスト・エディタにも、Javaコードの入力補助機能は用意されている。しかし、それでもIDEを使ってほしいと思う理由は、IDEがJavaのより良い書き方を教えてくれるから。例えば、NetBeansなら、InputStreamから処理を行ってcloseするまでのコーディングを『try-with-resourcesに変換』というメニューによって自動的にtry-with-resourcesに変換してくれる」とNetBeansの便利さを説いた。

 そして竹添氏は、「IDEでも、テキスト・エディタでも、自分が好きなものを使うのが一番。ただし、私自身はテキスト・エディタでJavaコードを書くのは"苦行"に感じる。IDEには、Java開発をサポートしてくれるさまざまな機能が用意されているので、それらを試してみる価値はあると思う」とアドバイス。

 このように、各氏が感じるIDEのメリットを聞いたところで、最後に山本氏が、「今日はそれぞれのスペシャリストがIDEに注ぐ "愛"が皆さんにも伝わったと思う。『好きなツールを使えばよい』というのはおっしゃるとおりだが、目的によっては適切でないツールもあるので、その点の見極めが重要だというのが共通の認識だろう。今後も、Twitterやブログ、セミナーなどを通して、各IDEの動向を紹介していきたい」と総括してディスカッションを締めくくった。