地味さの中に真理あり--UI/UXを学びつづけるために

綾塚祐二
2015-09-15 07:00:00
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「言葉」や「名称」も UI の一部

 第2回では「レイアウトもユーザーに伝わる情報の一部」であり、中身の情報とレイアウトによる情報が食い違うとユーザーが混乱するということを説明した。ボタンやラベルに書かれる言葉、名称ももちろん重要な情報の一部であり、ユーザーとシステムとを繋ぐインタフェースとして適切にデザインされなければならない部分である。

 その重要さ、難しさが判りやすい例として、図のような確認ダイアログがある。何らかの操作の実行を、本当にしてよいか、あるいは取り消したいかを確認するというのは有用でユーザーにも馴染み深くなっているであろう手法である。

 そして、多くの場合、選択肢が「OK」(実行)と「キャンセル」(取り消し) の2つなのも十分にわかりやすく、なんら問題はない。


「キャンセルしますか? [キャンセル][OK]」

 しかし「何らかの操作」が「(他の何かの操作の)キャンセル」だった場合は話は変わる。この場合はダイアログ上に「キャンセル」という言葉が2つあり、それらが対象とするものが同じか違うかが不明瞭であるというのが最大の原因である。

 なので、たとえば単純にボタンのほうを「はい」「いいえ」や「Yes」「No」に変えればある程度回避できるが、それだと他との一貫性が損なわれるかもしれない。ちなみに「はい/いいえ」にそろえるなどしても、日本語の「はい/いいえ」と英語の「Yes/No」は用法が違う (「はい」が「Yes」「No」どちらに翻訳される場合もある)ので、別の混乱を招くかもしれない。

 ボタンのラベルを「キャンセルする」「キャンセルしない」と具体的にするという方法もある。ただし、ラベルが長くなりすぎる、ユーザーがダイアログごとにラベルをよく確認する必要がある(認識の負荷が増す)などの弊害が出やすくなる。

 ボタンはそのままで、確認内容の文を「○○の操作を取り消しますか?」といった違う言い方に換えるとどうだろう。「キャンセル→取り消し」だけだと意味的には変わらないのでまだ混乱は残るが、多少の改善にはなるかもしれない。もちろん、他の部分との一貫性にも配慮する必要がある。

 さらに、疑問文ではなく「○○の操作を取り消します」のようにすれば、より混乱が少ないであろう。疑問文にしないと不自然な場合もあるので、疑問文を全て避ける必要はないが、変えてみることを検討してみるとよい。

 否定形の疑問文や、二重否定などは、より積極的に避けるべき表現である。「直感的」でないものになりやすく、ユーザーの操作時間も長くなり、負荷も高まるであろう。

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