
地味さの中に真理あり--UI/UXを学びつづけるために
地味かつ地道にユーザーインターフェース(User Interface:UI)とユーザー体験(User eXperience:UX)について解説するこの連載も今回が最後である。序論を述べた初回以降の流れを振り返ると、第2回ではレイアウトや情報デザインの基礎という、主に静的な部分をまず論じ、第3回では動的なインタラクションに関して論じた。
第4回はユーザーの内面に関わる部分を掘り下げ、第5回である前回はさまざまな評価手法を紹介した。最終回は、おさらい及び補足的な内容を中心に論じる。
あらためて、UIとUXの違いとは
これまで述べてきた通り、UIとはシステムとユーザーとをつなぐ部分であり、UXとはシステムやサービスを“使った”“使う”ことを想定したことに対して受ける感覚や反応のことである。文言としてはもう充分に理解されていることと思う。
では、前回、失敗例のサンプルとして挙げた、シャッターボタンと電源ボタンを押し間違えるデジタルカメラの問題点をUI的観点と UX的観点とに分けて説明できるだろうか。
UI的観点では「電源ボタンをシャッターボタンと取り違えやすい(特に初見で。慣れることは可能)」であり、UX的観点では「撮ろうとしたら電源が切れ、その結果シャッターチャンスを逃したり同行者を無駄に待たせたりして、気まずい、残念な思いをする」などが説明となるであろう。
UI的観点の説明で「慣れることは可能」と書いたが、慣れてから使うことを前提としてよいものであれば、「気まずい、残念な思いをする」というUXの問題の度合いは相対的に低くなる。
しかし、このカメラ(いわゆるコンパクトデジカメのカテゴリの製品である)の使用場面を考えると「他人に渡して撮ってもらう」ことも少なくない。すると、所有者本人が慣れても、そうした場面で頼まれた相手と頼んだ所有者がともに、気まずい、残念な思いをする」というUXが生じる。
もちろん全ての使用場面を想定することはできないが、「どういう状況が起こりがちか?」は設計段階でチェックしたい。ペルソナやカスタマージャーニーから考えるようなときには、特に「もともと想定した状況」以外が抜け落ちやすいので気をつけたい。
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