「直感的」とは何か--スムーズなインタラクションのために

綾塚祐二
2015-06-20 07:00:00
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エラーや無効な入力に対する反応

 ユーザーからの入力は正しく有効なものばかりとは限らない。「正しくない」入力とそれに対する反応にはいくつかパターンがある。これらの反応の仕方をどう設計するかは、アプリケーションやサービス全体のUXに大きな影響を与える。

(1)システムは入力が正しくないことを何らかの形で知らせるが、状態は変わらない(入力はキャンセルされる)

 一見正しい、あるいは状況が変われば正しいが、現状況では正しくない、という場合などに使われる。他のパターンでもそうだが、ユーザーに「なぜ」正しくないかが伝わらないと、ユーザーは戸惑ってしまう。

 可能なら(ボタンやメニューであればグレーアウトさせておくなど)、あらかじめ「現在その入力は無効」ということがユーザーにわかるようにしておくほうが、より好ましい。

(2)最も近い「正しい入力」などに補正される

 数値などで「正しい範囲」がユーザーに明示されているなら、範囲内に自動的に補正したほうがユーザーにとって使いやすいことがある。GUIのスクロールバーなどは、ノブ部分を範囲を超えてドラッグしようとしても、端で止まることで実質的に補正している(「正しい範囲」も視覚的に提示されている)。

 ある程度の範囲を超えると、ドラッグ開始位置に戻るという動作をするシステムもあるが、急にノブ位置が戻ることはユーザーに戸惑いを与えやすい。


 連載初回に例としてあげたバウンシングスクロールは、一旦反応してから補正するというパターンである。バネのように跳ね返るという形で補正されるので、スクロール反応したこと、リストの端であることなどが、わかりやすくユーザーに伝わる。

(3)ユーザーが自分で入力を修正するまで「エラー」の状態が続く

 長く複雑な、あるいは複数の入力の結果が「正しくない」状態だった場合、それをシステムが全て消去し元に戻してしまったりすると、ユーザーに大きな徒労感を与える(避けねばならないUXのひとつである) 。

 システム側ではどの入力を直す・無効にするべきかなどは判別しがたいことが多いので、ユーザーが自力で確認・修正できるようにしたほうがよい。複数の要素が絡む場合はどう「正しくない」のかを示すのも簡単ではないが、簡潔かつ適切に示すよう心掛けたい。

 これら以外にもバリエーションは色々と考えられるが、それぞれの場面に応じて、ユーザーが最も戸惑わずに対応できるような方法を選ぶのが肝要である。

 システムとしては無効な入力ではなくとも、ユーザーの意図通りの入力ではない場合もある。確認や修正のしやすさ、ユーザーにとってのわずらわしさの低さなどもできる限り考慮したい。

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