エンバカデロ、単一コードから複数プラットフォームにアプリを展開できる「HTML5 Builder」

大川 淳
2012-09-04 20:40:00
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 エンバカデロ・テクノロジーズは9月4日、ビジュアル開発ツール「Delphi XE3」「C++Builder XE3」と、これらを含むスイート製品「Embarcadero RAD Studio XE3」を発表、9月4日から出荷を開始した。また、新たな製品としてウェブおよびモバイル開発ツールの「HTML5 Builder」も同日に出荷している。

 Delphi XE3とC++Builder XE3は、Windows 8とOS X Mountain Lionに対応。複数プラットフォーム向けのネイティブアプリケーションを構築することができる。HTML5 Builderは、HTML5、CSS3、JavaScriptによる単一のコードベースから、ウェブ、iOS、Android、BlackBerry、Windows Phone 7向けのアプリケーションを構築できる製品だ。

RAD Studio XE3はWindows 8に対応 RAD Studio XE3はWindows 8に対応
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 Delphi XE3とC++Builder XE3の最大の特徴は、マルチプラットフォーム対応のフレームワーク「FireMonkey FM2」を用いることにより、単一のコードからWindowsとMacの双方で動作するネイティブアプリケーションを開発できる点にある。これにより、最新のMountain LionやRetinaディスプレイサポートを含むMac環境、Windows環境の複数バージョンまでを守備範囲とした開発が可能になる。

コミュニティからは「David I」として慕われているデビッド・インターシモーネ氏
コミュニティからは「David I」として慕われているデビッド・インターシモーネ氏

 新しいユーザーインターフェースとして搭載された「Metropolis」により、Windows 8と同様のスタイルのアプリケーションを容易に作成できるようになったことも大きな特徴だ。タッチ対応、ライブタイルサポート、タブレットのセンサーコンポーネントなどを用いたWindows 8デスクトップアプリケーションや、x86ベースのタブレットで実行可能なアプリケーションを開発することが可能になった。エンバカデロ・テクノロジーズのチーフエバンジェリストで、David Iの愛称で知られるDavid Intersimone氏は「Windows 8のルック・アンド・フィールを活かし、ネイティブコードを用いてアプリケーションを容易に開発できる」と述べた。

 ユーザーインターフェイス要素とデータをビジュアル的に結び付けられる「Visual LiveBinding機能」も注目される。これまでは画面上の入力ボックスやイメージなどのコントロールにデータを表示し、編集できるようにするには、コーディングやさまざまな設定が必要だったが、Visual LiveBindingを使えば、図上でコントールとデータを線で結ぶだけでよい。データソースとしては、SQL Server、Oracle、Sybase、DB2、InterBase、SQL Anywhere、SQLite、MySQL、ODBCのほか、Windows AzureやAmazonなどのようなクラウドサービスも利用できる。

単一コードからiOSやAndroid向けアプリを構築

 新製品のHTML5 Builderでは、jQuery、jQuery Mobile、PhoneGapを統合したモバイル開発環境を提供。単一のHTML5、CSS3、JavaScriptコードベースから、iOS、Android、BlackBerry、Windows Phone 7などの複数のモバイルOS、デバイス、ウェブブラウザ向けのアプリケーションを構築できる。そのため、一度アプリケーションを作成すれば、ウェブや各種モバイルプラットフォームに展開することができるのが最大の利点だ。OSや画面サイズも異なる複数のスマートフォンやタブレット向けに、それぞれ別々に開発する手間を省くことができる。バックエンドサーバの開発にはPHPを採用した。

 同社は、モバイル向けの製品をさらに強化する方針で、Delphi/C++Builderを基盤に、ARMプロセッサ向けの開発ができる「Mobile Studio」を開発中であることを明らかにした。スマートフォンおよびタブレットPC向けに最適化しており、iOSとAndroid用のアプリケーションを構築することができる。今後1年〜1年半程度で投入される見込みだ。

エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏
エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏

 エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏は「ウェブやスマートデバイスの利用が増え、開発者の環境は大きく変化している。デバイスの種類が多様化し、アプリケーション開発の工数も増大しているため、その削減が課題になってきた。それぞれの要素を個々に対応していくのではなく、一つのものでマルチ対応できれば、それらは解決される」として、今回の製品群の意義を強調した。

 Delphi XE3とC++Builder XE3のエディションは、用途に応じてWindows向けエントリー版の「Starter」から、データモデリングツール「ER/Studio Developer Edition」を搭載する「Architect」までの5種類をそろえている。価格は「Starter」が1万8900円から、「Architect」が43万6800円から。Embarcadero RAD Studio XE3は「Delphi XE3」「C++Builder XE3」「HTML5 Builder」「Prism XE3」を搭載する「Professional」が15万5400円から。「HTML5 Builder」は3万1500円から。

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