技術が大きく転換する時、開発者はひるんではいけない--アドビのチェンバース氏

柴田克己 (編集部)
2012-07-25 09:00:00
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HTMLツールへのアドビの取り組み

--HTML5でのウェブアプリ開発に取り組む開発者も近年増えています。そういった人々が口をそろえるのが「HTML5には、使いやすい開発ツールがまだない」という点です。アドビではCS6の各ツールでHTML5への対応を進めているほか、Adobe MuseやAdobe Edgeといったさまざまな用途の製品を開発していますが、今後、HTML開発ツールに対してはどういった取り組みを行っていくのでしょうか

Chambers アドビではこれまで、DreamweaverやFlashなどをはじめとして、ウェブ開発のツールを積極的にリリースしてきました。今後は、HTML5やモダンなウェブ開発環境に対しても意欲的に取り組んでいきます。

 CSファミリーなどの既存のツールを改良して提供していくことはもちろんですが、われわれは、ウェブの開発者やデザイナーがツールに対して求める要件が変化してきているとも感じています。以前は、ひとつのツールで多くのことができることが求められていましたが、最近では、単機能であっても、ある特定の用途には極めて便利に使えるようなツールが受け入れられているようです。

 そうした中で生まれてきたのが複数のターゲットに対する動作テストを容易に行える「Shadow」であったり、HTML5によるインタラクティブなコンテンツをより直感的に作成できる「Edge」です。また、ウェブテクノロジを使って作られたシンプルなコードエディタである「brackets」も、その流れに合流してくるかもしれません。bracketsは、MITライセンスによるオープンソースプロジェクトとしてGithubに公開したばかりのものですが、わずかの間に驚くほどのリアクションがありました。今後の展開によって、ある時点で、このbracketsがアドビの何らかのツールに統合されたりといったことは十分にあり得ると思います。

--アドビが製品開発において、最初からこうしたプロセスをとるのは珍しいですね

Chambers たしかにアドビとしては珍しいと思います。ただ、近年アドビと一緒になったPhoneGapのnitobiには、こうしたプロジェクトのDNAがありました。私自身は、ツールとしてのbracketsにももちろん期待していますが、開発のプロセス自体が今回のケースにおいてどう展開していくかについても、より興味と期待を持っています。

--今後、Flash開発者をはじめとするウェブデベロッパーに対して、アドビとしてはどのようなサポートを提供していく計画がありますか

Brimelow アドビとしては、Flash開発者がHTML5へのコンテンツの展開や移行を進めるにあたってサポートを必要としているのを理解しています。今はまだお話しできないのですが、今年後半において、そのための盛りだくさんの内容を計画しています。これによって、Flash開発者がHTMLに対して、明るい見通しを持てるようにしていきたいと考えています。

Chambers Flashコミュニティにとって、今の状況は「大きなチャンス」だととらえることができると思います。例えば、HTML5、モバイルアプリの世界でも今後、これまでFlash開発者が実現してきたようなリッチな表現が求められるようになってくるでしょう。Flash開発者は、その分野において、既に多くの経験を積んできているのです。

 テクノロジが大きく転換するタイミングに、開発者はひるみがちになることがありますが、ぜひ、ひるむことなくそうした経験を最大限に生かす機会だと考えてほしいと思います。そして、繰り返しになりますが、HTML5やCSS、ネイティブなどその他の開発技術についても学び、必要な要件に対して、どういった技術が最適かについて、的確な判断をできるようになってほしいと思っています。

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