電子楽器とAIRの出会いが生んだ「Friend Jam」

柴田克己
2011-10-03 15:43:00
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 対応範囲をWindows、Macから、AndroidやiOSにまで広げ、マルチOS、マルチデバイス向けのアプリケーションプラットフォームとして進化を続けている「Adobe AIR」。アドビシステムズは8月末、毎年恒例となっているAIR向けアプリケーションのコンテスト「Adobe AIR Contest 2011」の審査結果を発表した

 今年で4回目を迎えた同コンテストは、2010年9月から7月末までの間に「Adobe AIR Gallery」で公開されたアプリケーションを対象とし、審査委員によって年間の優秀作品を選出するもの。今年の最優秀賞に選ばれたのは、ローランドとサイトフォーディーの制作による「V-Drums Friend Jam」(Friend Jam)だ。

 Friend Jamは、PCやMacと、ローランド製の電子ドラム「V-Drums」シリーズとを接続して楽しむAIRアプリ。アプリの操作はV-Drumsのパッドを使って行え、アプリ側では、ドラム練習用の楽曲(MP3形式)が自動的にダウンロードされる。アプリが流す楽曲の進行に合わせてドラムを叩くと、そのタイミングや強さがPCに送られ、リアルタイムに記録される。

 演奏に合わせて、画面上のレベルメーターがふれたり、叩いたパッドに対応するグラフィックが賑やかに明滅するなど、ビジュアルも楽しい。「正しい演奏」を学ぶための、いわゆる楽器練習ソフトとは若干趣が異なり、演奏者を楽しませるゲームのような仕掛けが随所に施されている。

Adobe AIR Contest 2011で最優秀賞を獲得した「V-Drums Friend Jam」 Adobe AIR Contest 2011で最優秀賞を獲得した「V-Drums Friend Jam」
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 演奏スコアによるランキング機能や、Twitterへの投稿機能といったものも、そうした仕掛けの一部だ。1曲の演奏が終わると、いくつかの要素で演奏がスコアリングされ、その結果を世界中のFriend Jamユーザーと競えるほか、スコアをTwitterへ自動的に投稿することもできる。

 ローランド、マーケティング部WEB推進グループリーダーの土屋敏彦氏は「ドラムは、バンドの構成楽器の中でも、比較的ストイック。なかなか気軽に持ち運ぶこともできないため、練習のときには、自宅で1人でやるといった感じになりがちだった。だからこそ、Friend Jamでは、ストレスフリーに練習を楽しめ、かつ、ほかの人と一緒に練習したり、競い合ったりする環境を提供したかった」と語る。

 電子楽器の世界におけるローランドのネームバリューは高い。また、電子ドラムのカテゴリでは世界シェアの過半数を同社製品が占めているという。Friend JamはV-Drumsと組み合わせて使うことが前提のソフトだが、多くの既存ユーザーに対する付加価値の提供に加えて、「Friend Jamを楽しむために楽器店へ足を運ぶきっかけ作りもしたかった」(ローランド、マーケティング部課長パーカッション製品推進担当の西裕之氏)と、新規ユーザー開拓や楽器店への集客ツールとしての活用も意図したという。実際に、楽器店の店員がFriend Jamで出したスコアに、来店客が挑戦するイベントを設け、店側と顧客とのコミュニケーションツールとして利用している例もあるそうだ。

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