Adobe AIRによるRIA開発:富士通グループのサイト運営を支えるCMS

笠井美史乃
2008-10-02 21:33:01
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富士通グループのウェブ業務を支えるCMS

 吉川氏と増田氏は、富士通グループ全体のウェブサイト運営業務を支える独自開発のCMSを、AIRで構築した事例を紹介した。

 富士通のウェブサイトは全世界35の国と地域、19言語で展開され、20万ページにおよぶコンテンツを管理するため、約1000人のウェブマスターがその任にあたっている。そこで、業務を「早く、安く、簡単に、さらに高品質に」することをコンセプトに開発を進めた。

 増田氏は会場で、実際にCMSの画面を表示して操作方法を説明した。一見すると一般的なHTMLエディタに近いユーザーインタフェースだ。しかし内側では、このエディタが生成するHTMLを想定してXMLを操作している「XMLエディタ」だ。

 もともとは全てAjaxで構築することも考えていたというが、パフォーマンスの問題から、HTML、Ajax、Flexのそれぞれ良い部分を融合。AIRによってそれを実現している。

プレビューエリアにテキストや、画像などの「ブロック」をドラッグ&ドロップする。文字を入力して画面下部でプロパティを設定する プレビューエリアにテキストや、画像などの「ブロック」をドラッグ&ドロップする。文字を入力して画面下部でプロパティを設定する

 開発のプロセスとしては次のようなものだ。

 「まずUIありき」というコンセプトのもと、ペーパープロトタイプを作成した。吉川氏は「プログラムの処理手順とユーザーの操作は全く別物。フローチャートを先に考えると、それにそっくりなユーザーインタフェースができあがる傾向にある」と持論を述べた。

 次にユーザーインタフェース検討のための初期プロトタイプを作成。ここでは評価に「見た目の話」が混在しないよう、グラフィック要素を含めないかたちでプロトタイプを作成した。

 その後、グラフィック要素を適用したプロトタイプの作成を経て、実際のアプリケーションを構築した。

段階を経るごとにユーザーインタフェースが洗練されていくのがわかる 段階を経るごとにユーザーインタフェースが洗練されていくのがわかる

 このプロセスにおいて重視したのは、プロトタイプの段階でユーザーの生の声を積極的に取り入れることだ。課題をできる限り前倒しすることが重要だという。また、具体的なターゲットユーザー像(ペルソナ)を共有することで、開発途中でコンセプトにブレが生じることを回避した。

機能として何を最優先すべきかを、具体的なペルソナ像を通して考える 機能として何を最優先すべきかを、具体的なペルソナ像を通して考える

 吉川氏は講演の最後に、このシステムの導入成果としてコンテンツの作成時間が約半分になり、教育・サポートの時間も削減できたことを挙げた。また、コンテンツ制作にかかるコストを同社試算で年間数億円も削減できたという。さらに、ウェブに詳しくない人でも品質の確保されたコンテンツ制作を行うことができるようになったと語っている。

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