
Adobe AIRによるRIA開発:富士通グループのサイト運営を支えるCMS
9月29日に開催したbuilder tech day「User Interface & beyond」。アドビシステムズによる講演は、同社の轟啓介氏による「Adobe AIRによるRIA開発-概要編-」と、富士通デザインの吉川嘉修氏、富士通ソフトウェアテクノロジーズの増田雅伸氏による、独自開発CMSとその開発プロセス紹介の2部構成で行われた。
ウェブ技術をそのまま活用できるAIR
轟氏はまず、現在の状況を次のように説明した。IT環境がクライアント/サーバシステムからデスクトップアプリケーション、そしてウェブアプリケーションを経てRIAへと、よりリッチでグローバルな方向へと進化しており、RIA市場が急速に注目を集めていると指摘。Adobe AIRはこうした状況の中で、デスクトップ向けRIAのための実行環境としてリリースされたという。
AIRは一言で言うと「ウェブアプリケーションをデスクトップに持って行くための技術だ」(轟氏)。
AIRは、HTML、JavaScript、Flash、Flexなどのウェブ技術でデスクトップアプリケーションを開発することが可能で、OSに依存することなく利用できる。また、ブラウザエンジンやローカルデータベースとして内蔵したSQLiteにより、複雑で大容量なエンタープライズ環境のアプリケーションを効率よく動かすことにも適しているという。
さらに、これからのRIA開発においては「見た目のユーザーインタフェースだけでなくパフォーマンスも含めたUX(ユーザー体験)」が求められ、そのためにクライアント/サーバ間のデータ連携や、効率的なデータ送信などのニーズが高まると指摘。それに対応するものとして、サーバサイドとクライアントサイドの連携を簡単に行うためのミドルウェア「LifeCycle Data Service ES」と、そのオープンソース版の「BlazeDS」を挙げた。
轟氏の考えでは、今後のRIA開発はデータスピードも合わせてトータルに考える必要があるという
また、轟氏はAIRがエンタープライズ環境にも親和性が高いことを強調。イントラネットを利用した社内システムや、インターネット上のウェブサービスでの活用だけでなく、エンタープライズマッシュアップも可能だという。