王者になれば、狙われる--Google vs. Microsoftの戦いを考察

文:Lana Kovacevic(Builder AU) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2008-07-16 08:00:00
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Googleに対する脅威

 Smith氏の言葉をそのまま引用すると「王者になれば、狙われることになる」ということになる。Microsoftがベンダーから攻撃されているように、Googleもまた彼らからの攻撃を受け始めている。Googleは、提携関係を結ぶこともできた通信企業や情報プロバイダーといった組織を敵にまわしてしまったのだ。

 Googleは一般的な検索分野では優位に立っているものの、ソーシャル検索や動画といった分野ではその優位が揺らぐ可能性もある。

Microsoft OfficeとGoogle Appsの比較

 Smith氏は、近い将来にMicrosoft OfficeがGoogle Appsに置き換えられるようになるという考えは非現実的だと確信している。Googleファンは異論を唱えるかもしれないが、Google Appsは「Officeを補完する存在」だと捉えることができる。

 Microsoft Officeのユーザーが5億人であるのに対して、Google Appsのユーザー数は160万人である。また、Microsoft Officeユーザーの大半は企業ユーザーである。その一方で、Google Appsにも企業ユーザーがいるとはいえ、その大半は個人ユーザーという位置付けとなっている。

 Microsoft Officeはさまざまなコンポーネントや機能を提供しているが、先にも述べたように、ほとんどのユーザーは高度な機能など必要としていない。一方、GoogleはGoogle Appsの拡張と新たなコラボレーション機能の追加を行い続けている。Google Appsは新種のアクティビティをサポートしているが、Microsoft Officeではそういったことができない。この例として、スプレッドシート中での電子フォームのサポートを挙げることができる。

 Smith氏によると、MicrosoftがSharePointを投入したのは、コラボレーションコンポーネントの分野でGoogleに負けたくなかったためであるという。SharePointはある種のコラボレーション機能とコンテンツ共有機能を実現しているが、その設計原則はGoogleのものとは異なっている。Googleのアプリケーションはネットワーク化され、リアルタイムのグローバルコンピューティングを実現しており、どのようなデバイス上でも実行することができるのである。

Google Appsと企業による採用

 Googleは、Google Appsのさまざまなバージョンを提供することでその製品基盤を拡張してきており、これまでにStandardに加えてPremierとEducation、Teamというエディションを投入してきている。また、PresentationsやGearsの追加や、IMAPや複数のカレンダーや電子フォームへの対応、wikiベースのGoogle Sitesの投入も行われている一方で、価格は下がり続けている。

 しかしSmith氏によると、企業は依然としてGoogleを信頼していないという。それは、初期のMicrosoftを信頼していなかったということと同じである。その一例として、Gmailは品質的に優れた製品であるにもかかわらず、まだ「ベータ」とされているため、どこか信頼性に欠けると捉えられている点を挙げることができる。同様に、Google Appsは機能的に不完全な部分があるため、組織によっては追加コストが必要となる場合もある。その一方、ユーザーはGoogle Appsの進化に応じて新たな機能を学習していくことができるため、トレーニングコストは、企業がアプリケーションの大規模なアップグレード時に費やすコストと比べると減少することになる。

 Web 2.0が進化し、ユーザーがGoogleのコラボレーションツールのようなものを求める状況になってきたとはいえ、クラウドベースのアプリケーションへの切り替えに消極的な企業もあるだろう(Microsoft製品のようなエンタープライズアプリケーションへの投資を既に行っているような場合は特にそう言えるだろう)。

 GoogleとMicrosoftの間で続いているこういった争いが、近い将来に終結することはなさそうであるし、いずれかが勝者あるいは敗者となることもなさそうである。Microsoftを取り巻く環境は、世の中の多様化を反映し、一枚岩なものではなくなっていくはずである。そしてGoogleにとっての難関はエンタープライズ市場となるだろうが、同社の真の強みは検索と広告であり続けるだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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